短編集 アインズの召喚 作:大三元
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アインズは魔法の確認を行っていた、この世界に来た当初の出来事を鑑みての事だ。
召喚されたアンデットは死体があれば永続的に使役できる、ユグドラシル時代ではなかった仕様だったからだ。
しかしアインズの予想通り通常攻撃魔法やバフ・デバフ魔法等は変わらずの効果だった、そしていよいよ超位魔法を試す事になったのだがナザリック第六階層円形闘技場では試せないものもあったのでトブの大森林の奥地で試すことになった。
1日目、天地改変・失墜する天空を発動し辺りは更地と化し生存しているのはアインズと護衛のセバス、護衛にと強引に付いてきたアルベドとシャルティアそして森という事でアウラとマーレそしてリザードマンの集落が近い為に来たコキュートスとたまたま統治のアドバイスの為に集落に訪れていたデミウルゴス、いつものメンバーだけであった。
2日目、更地の土地に同じメンバーが集まった。
「今日は天軍降臨から発動させる、昨日と同じく皆離れるように」
アインズがそういうと皆は軽くお辞儀し離れる、その姿を確認した後詠唱を開始した。
詠唱中アインズは不思議な感覚に襲われた、全身がピリピリ痺れる様な軽い痛み、ダメージを受けると発動は中止される筈だがそれもないことからそのまま続行したのだった。
もうすぐ詠唱が終わるという時に一人の男が現れた、その男はマントで全身を包み顔もフードで隠れていてよく見えない。
アインズも他の皆も驚いた、突然現れたのもそうなのだがアインズの詠唱をその男が乗っ取ったからだ、そしてあろうことかその男は魔法を成功させてしまったのだ。
男の魔法から召喚されたのは上半身裸で下半身は黒いスパッツを穿いた茨の王冠を被った男だった。
「私は神だ、貴様が私を呼んだのか?」
「はい! どうか私の願いを叶えてください!」
「よかろう、 すべての神よ、そしてすべての生命よ、彼に…」
神と名乗る召喚された男が詠唱らしきものを呟きだすと突然現れたマントの男が光始めた。
「おぉ! おぉお! すごい!力が… 力がぁ!」
そう言うマントの男はマントをバサッと空中に放り投げた、そこから現れたのは神と名乗る男と同じ格好をした男だった。
「私だ…」
「お前だったのか…、気づかなかったぞ…」
「暇を持て余した」
「神々の」
「「遊び」」
二人の神はアインズ御一行を見る、そんな奇妙な二人を見てアインズはどう対処していいのか解らず立ち尽くし、アルベド、シャルティア、デミウルゴスは臨戦態勢になり、アウラとマーレは何処か目を輝かせ、コキュートスとセバスは二人に向かって拝み始めたのであった。
モンスターエンジンのメンフェンティスとメンフィスです。