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2019-06-10

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・中のこどもの話。

 海って ずいぶん大きいんだね。
 そういうことがわかるのは、
 大きなクジラが たくさん泳いでいるからだ。

 クジラのなかには 中のこどもがいるんだって。
 クジラは あんなに大きいけれど
 中のこどもは それほどでもないんだ。

 クジラのかたちをした 中のこどもは
 広い大きい 海をゆく。
 こどものままじゃ 泳ぎきれない海を
 クジラになって どこまでもゆくんだ。

 もちろん 犬のなかにも 中のこどもがいるよ。
 ころげまわったり たいくつしたり
 ごはんを食べたり うんちをしたり
 犬のかたちをして すごしているけれどね。
 中のこどもは もっともっとあそびたいらしいよ。

 かぶとむしのなかにも 中のこどもはいるよ。
 うごくの ゆっくりだけど たまに とぶよ。
 中のこどもは とぶのが 好きらしいよ。
 じゅえきを ちゅうちゅう のんでるよ。

 中のこどもは 目には見えない。
 でも どんないきものにも かならず いるよ。
 中のこどもが げんきなら
 クジラも 犬も かぶとむしも 
 げんきでいられるんだってよ。

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 なんて話をいったん書いて、
 それを読みながら頭のなかで絵をつけていく。
 半完成でも、未完成でもその絵を想像していくことは、
 あんがいおもしろいし、運動にもなる感じ。
 絵を想像する都合で、お話を変えちゃってもいい。
 日曜日に、いつか赤ん坊に話してやろうと思って、
 そんなことをしていた。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「でたらめばなし」は、いくらでもあったほうがいいよね。


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