選挙のためだけの「消費税延期」の甘言に騙されるな
2019.05.13
菅野完
やっぱり「消費税延期」を匂わせ始めた安倍政権
予想は大当たり。なんて喜んでる場合ではない。 前回、「『消費税延期』は野党の政策。安倍政権は選挙対策だけの姑息な甘言を弄するな」)で書いたが、事態はその通りに動いてる。安倍はいよいよ、自分の下手くそな経済運営の責任を取るどころか、野党の政策を盗むことでこの難局を切り抜けるつもりらしい。 あの原稿の締め切りとほぼ同時のタイミングで、安倍晋三の側近・萩生田光一自民党幹事長代行は、ネット番組で「増税延期」に言及(前回の本欄の写真の背後に彼がうっすら写り込んでいるのは、そのためだ)。また、一部報道によれば、沖縄と大阪の衆院補選における自民党2連敗を受けて、政権内からは「増税延期はおろか、消費税5%への減税を参院選前に打ち出すべきだ」との意見も出ているという。
消費税延期、あるいは減税は野党がずっと言ってきた
消費税について本欄で取り上げるのはこれで3週連続。そのたびに言及しているように、消費増税の延期どころか消費税減税、いや撤廃という声を上げ続けてきたのは、誰がなんと言おうと、自民党ではなく、野党各党である。山本太郎の新団体は「その最もわかりやすい例」かつ「最も説得力のある事例」ではあっても、決して「消費税減税・撤廃を主張する野党内唯一の事例」ではない。ましてや「安倍政権が予定する2019年10月での消費税増税に反対」という点では、一つの例外もなく、野党各党の足並みはそろっている。 物は言いようで、野党の政策を剽窃(ひょうせつ)する安倍政権の行為を「正しい政策を採用するだけだ。正しければ良いではないか」と擁護することも可能だろう。政治の世界は、文芸や評論ではないのだから、他人の政策を良いと思えば自分も採用すれば良いだけではある。しかし、こと「今の安倍政権が、消費税減税を言い出す」に限って言えば、それは変節や剽窃という言葉では追いつかないほどの一種の犯罪性を帯びる。
1
2
ハッシュタグ
菅野完は、他にもこんな記事を書いています
分解スキル・反復演習が人生を変える
都市商業研究所
ビジネスで使える心理術
ゲーム開発者が見たギークニュース
弁護士・大貫憲介の「モラ夫バスターな日々」
政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係
「ダメリーマン成り上がり道」
コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」
ぼうごなつこの「まんがにっぽんのせいじか」
安達 夕
不動産執行人は見た
ネット世論操作と民主主義
あなたの知らない「子育ての話」
清水建二の微表情学
月刊日本
たまTSUKI物語
「言葉」から見る平成政治史
橋本愛喜
なんでこんなにアホなのか
ラブホテルの地理学
ゼロから始める経済学
ニュース・レジスタンス
「持続可能国家」コスタリカ
サラリーマン文化時評
金欠フリーライター、民泊を始める
ガマンしない省エネ
502大佐のコインハンター
現役愛人が説く経済学
石橋叩きのネット投資術
越境厨師の肖像
栄光なき起業家たち
2018年閣僚答弁プレイバック
ロボティア編集部
サラリーマンメンタリスト
炎上したくないのは、やまやまですが
民意をデフォルメする国会5重の壁
あのサラリーマン漫画をもう一度
老舗の智慧
一般人の知らない「クスリ」の事情
漫画で考えるミソジニー
「パレオな男」の快適ビジネスヘルスハック
闇株新聞
”アーチャリー”松本麗華の視線
ブラック化する日本企業への処方箋
石原壮一郎の【名言に訊け】
ファイナンシャルフィールド
一年以内に離島・孤島でサブスリー!
マッチョ社長の「筋トレで解決しない悩みはない!」
決算書で読み解く、ビジネスニュースの深層
アスリートのセカンドキャリア考察
草の根保守の蠢動
文系サラリーマンでもできる!iPhoneアプリ開発
仕事に効く時代小説
中学校武道必修化の是非を問う
江藤貴紀「ニュースの事情」
深読みビジネス書評
江川紹子の事件簿
税理士・道下知子の税金相談室
投資で稼ぐ力~男に依存しない力を身につける
現役財務官僚が語る日本財政の真実
香ばしい人々returns
農家の窓から
パーソナル戦略PR術
広告やメディアで人は動くのか会議