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第41回 | ポルシェの最新車デザイン・性能情報をお届け

ポルシェ タイカン──新型EVは911カレラGTSより速い

ポルシェ『911』。これほどファンに愛されてきたスポーツカーはほかにない。ポルシェファンにとって、ポルシェ=911であり、それは純粋主義とも評される。そんな人々にポルシェ初の量産EVスポーツカー『タイカン』はどのように映るのか。しかし、心情はどうであれ、性能については心配する必要はなさそうだ。ポルシェのブランドアンバサダーをつとめる元F1ドライバー、マーク・ウェバーが「『911カレラGTS』よりも速い」と断言したからだ。

ポルシェ初となる量産型EVスポーツカーの正式名称は『タイカン』に決定!

ポルシェは5月、ブランド初のEVスポーツカーの正式名称が『タイカン』に決まったと発表した。タイカン(Taycan)とは「生気溢れる若馬」という意味。ポルシェの紋章に描かれている跳ね馬に由来するという。それから4カ月余り、徐々に性能が明らかになってきた。

パワートレインには最高出力600psを超える2基の永久磁石シンクロナスモーターを搭載。0~100km/h加速は3.5秒を切り、0-200km/hの加速タイムは12秒を下回る。それでいて1回のフル充電の航続距離が500km以上(NEDC=新欧州サイクル)に到達するという。

これは実際のところどれほどのスペックなのか。その点をわかりやすく言葉にしているのがポルシェのブランドアンバサダーをつとめるマーク・ウェバーだ。彼はF1グランプリなどで活躍した元レーシングドライバーで、『タイカン』の開発にも参画している。

元F1ドライバーが『タイカン』の加速は『911カレラGTS』よりも速いと証言

マーク・ウェバーはこの8月に、ポルシェのメインファクトリーから25km離れたヴァイザッハ研究開発センターのテストコースで『タイカン』をドライブ。そのときの走りやコメントはポルシェのYouTubeチャンネルで公開されている。

ウェバーいわく、『タイカン』は「まぎれもないポルシェ」だという。EVスポーツカーならではの加速力については「こいつはゲームチェンジャーになる」とコメント。さらに、『タイカン』の0~100km/h加速は『911カレラGTS』よりも速く、600ps超のパワーはポルシェの現行モデルのなかで最強とされる『911GT2RS』に次ぐものになると語っている。

『911カレラGTS』は、ロードゴーイングレーシングカーというべき『911GT3』ほどではないにせよ、『911』シリーズのハイパフォーマンスモデルに位置づけられている。EVスポーツカーの『タイカン』は、その『911カレラGTS』より速いというのである。

ポルシェ『タイカン』は2019年に販売開始予定。日本へは2020年に上陸する?

市販モデルの『タイカン』は、2019年3月に開催されるジュネーブモーターショーで公式にワールドプレミアされ、同年中にシュトゥットガルトにあるポルシェのツフェンハウゼン工場で生産が開始される予定だ。日本市場への導入は2020年になるといわれている。

好むと好まざるとにかかわらず、エンジンを積まないポルシェが登場する時代は目前に迫っているのだ。それはきっと、我々に新たなカタルシスを提供してくれるに違いない。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Porsche AG.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Mark Webber drives the Mission E(Taycan)
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第53回 | ポルシェの最新車デザイン・性能情報をお届け

ポルシェ カイエンクーペ──SUVクーペに真打ちが参戦

世界の自動車市場を席巻するプレミアムSUVというジャンルは、2002年にポルシェ初のSUVとしてデビューした『カイエン』から始まった。スーパーカー並の性能を有するランボルギーニ『ウルス』やベントレー『ベンテイガ』も、『カイエン』の存在がなければ登場はもっと後だったかもしれない。その高級SUVの祖に、これまでクーペボディをもつ派生車種がラインナップされていなかったのが不思議なくらいだ。今年4月、ポルシェは上海で『カイエン クーペ』を初公開した。まさしく、満を持してのデビューである。

より低くスポーティなルックスになった『カイエン』。ライバルは『GLEクーペ』?

プレミアムSUV市場には、すでにいくつかのSUVクーペが存在する。メルセデス・ベンツなら『GLCクーペ』『GLEクーペ』、BMWなら『X4』『X6』。高級車ブランドがこぞってSUVに注力した結果、市場は多様化し、多くの選択肢をユーザーに用意することが求められるようになった。そうしたなかで、元祖プレミアムSUVである『カイエン』にクーペモデルが加わるのは必然。むしろもっと早く市場に投入してもよかったかもしれない。

『カイエン クーペ』はその名のとおり、ボディ後部にいくほど傾斜していく流麗なルーフラインをもったクーペルックのSUVだ。横から見ると、フロントウィンドウとAピラーが通常モデルよりも低く、寝かされていることがわかる。ルーフエンドには、クーペスタイルを強調するかのようにルーフスポイラーが装着された。ボディサイズは全長4931×全幅1983×全高1676mm。通常モデルと比べて全長が13mm長くなり、全高は20mm低くなった。さらに、新設計の後部ドアとフェンダーにより形状が変わったことで、全幅も18mmワイドになっている。全体として、より低くスポーティになった印象だ。

ルーフは2種類。固定式パノラマガラスルーフが標準で、カーボンルーフをオプションで選択できる。0.92m2のガラスルーフはかつてない開放感を乗員に与え、統合されたローラーブラインドが直射日光や寒さを防いでくれる。カーボンルーフは『911 GT3 RS』と同様に中央に窪みを持つ形状で、いかにもスポーティカーといった雰囲気を醸し出す。

『カイエンターボ クーペ』は最高出力550馬力。0~100km/h加速はなんと3.9秒

クーペ化にともなって室内空間にも変更が加えられた。標準モデルとの大きな違いは、後席がそれぞれ独立して2座になり、4つのスポーツシートを備えるようになったことだ(ベンチシートもオプションで選べる)。とりわけ前席は、インテグレーテッドヘッドレストと8ウェイ電動調節を備えたスポーツシートを採用し、優れた快適性とホールド性でドライバーをサポートする。また、全高は低くなったものの、リアシートの着座位置を標準モデルより30mm低くしたことで、後席のヘッドスペースも十分な広さを確保した。

ラゲッジルームの容量は通常時で625L。後席を畳めば最大1540Lまで拡大することが可能だ(『カイエンターボ クーペ』では通常時600L、最大で1510Lとなる)。

パワーユニットはグレード別に2種類のガソリンエンジンが用意された。『カイエン クーペ』は3.0L V型6気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力は340ps(250kW)、最大トルクは450N・m。0~100km/h加速は5.9秒(オプションの「軽量パッケージ」)、最高速度は243km/hだ。『カイエンターボ クーペ』は4.0L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は550ps(404kW)、最大トルクは770N・m。こちらの動力性能はさらに強烈で、0~100km/h加速は3.9秒に短縮し、最高速度は286km/hに達する。

すでに日本国内で予約受注も開始。『ウルス』のエンジンを積む最強グレードも登場?

『カイエン クーペ』『カイエンターボ クーペ』ともに、すでに日本国内での予約受注を開始しているが、国内発売日はまだ未定。一方、ヨーロッパでは、この2台の中間グレードとなる『カイエンS クーペ』が5月15日に発表され、さらにランボルギーニ『ウルス』と同型のエンジンを搭載するハイパフォーマンスモデルが設定されるとの情報もある。実現すれば、最高出力640ps以上の最強モデルがシリーズに加わることになるだろう。

まさに、プレミアムSUVブームを牽引してきた『カイエン』による怒涛のニューモデル攻勢といった趣だ。高級SUV市場が今後ますます活性化していくのは間違いない。1000万円以上の高級SUVを買える裕福な人々にとっては、選択肢が広がるのではないか。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Porsche AG.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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