ポルシェ初となる量産型EVスポーツカーの正式名称は『タイカン』に決定!
ポルシェは5月、ブランド初のEVスポーツカーの正式名称が『タイカン』に決まったと発表した。タイカン(Taycan)とは「生気溢れる若馬」という意味。ポルシェの紋章に描かれている跳ね馬に由来するという。それから4カ月余り、徐々に性能が明らかになってきた。
パワートレインには最高出力600psを超える2基の永久磁石シンクロナスモーターを搭載。0~100km/h加速は3.5秒を切り、0-200km/hの加速タイムは12秒を下回る。それでいて1回のフル充電の航続距離が500km以上(NEDC=新欧州サイクル)に到達するという。
これは実際のところどれほどのスペックなのか。その点をわかりやすく言葉にしているのがポルシェのブランドアンバサダーをつとめるマーク・ウェバーだ。彼はF1グランプリなどで活躍した元レーシングドライバーで、『タイカン』の開発にも参画している。
元F1ドライバーが『タイカン』の加速は『911カレラGTS』よりも速いと証言
マーク・ウェバーはこの8月に、ポルシェのメインファクトリーから25km離れたヴァイザッハ研究開発センターのテストコースで『タイカン』をドライブ。そのときの走りやコメントはポルシェのYouTubeチャンネルで公開されている。
ウェバーいわく、『タイカン』は「まぎれもないポルシェ」だという。EVスポーツカーならではの加速力については「こいつはゲームチェンジャーになる」とコメント。さらに、『タイカン』の0~100km/h加速は『911カレラGTS』よりも速く、600ps超のパワーはポルシェの現行モデルのなかで最強とされる『911GT2RS』に次ぐものになると語っている。
『911カレラGTS』は、ロードゴーイングレーシングカーというべき『911GT3』ほどではないにせよ、『911』シリーズのハイパフォーマンスモデルに位置づけられている。EVスポーツカーの『タイカン』は、その『911カレラGTS』より速いというのである。
ポルシェ『タイカン』は2019年に販売開始予定。日本へは2020年に上陸する?
市販モデルの『タイカン』は、2019年3月に開催されるジュネーブモーターショーで公式にワールドプレミアされ、同年中にシュトゥットガルトにあるポルシェのツフェンハウゼン工場で生産が開始される予定だ。日本市場への導入は2020年になるといわれている。
好むと好まざるとにかかわらず、エンジンを積まないポルシェが登場する時代は目前に迫っているのだ。それはきっと、我々に新たなカタルシスを提供してくれるに違いない。
Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Porsche AG.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)