累計販売台数約35万台を誇る『マカン』は、その3分の1を中国市場で販売
上海でアンベールされた『マカン』。これはポルシェが中国市場を重要視している表れだ。特に『マカン』は、その累計販売台数約35万台のうち、10万台以上を中国で販売している。世界中で人気となっている車種だが、とりわけ中国は注力すべき市場だ。
エクステリアの変更がアナウンスされているが、今回はマイナーチェンジなので大幅なものではない。フロントバンパーのデザインが刷新され、LEDのプロジェクター式ヘッドライトが採用されているが、注意深く見ないと気がつかないくらいだろう。
ちなみに、このライトは、走行状況に応じてヘッドライトの照射範囲を調節する「PDLS(ポルシェ・ダイナミック・ライト・システムプラス)」をオプション設定できる。
リアには、大きな変更が見られた。『パナメーラ』などの最新モデルと同じテイストを採用。テールのLEDライトが横一列につながり、ひと目で先代モデルとの違いを感じることができる。また、足回りではホイールのデザインが一新された。サイズは20インチ、または21インチを採用している。
ボディカラーには「マイアミ・ブルー」「マンバ・グリーン・メタリック」「ドロマイト・シルバー・メタリック」「クレヨン」などの新色を追加。インテリア・パッケージを組み合わせることで、これまで以上に自由なカスタマイズが可能になった。
新型『マカン』は、『911』の「GTスポーツステアリングホイール」も選べる
インテリアでは、ダッシュボードが刷新された。すぐに気がつくのは、センターコンソールに設置されたタッチスクリーンだ。
ほかのモデルと同じく、オンラインナビや音声認識を装備するPCM(ポルシェコミュニケーションマネジメント)に対応した10.9インチで、従来の7インチからサイズアップした。また、目を凝らすとそのディスプレイの下にエアベントがあり、先代モデルのディスプレイ横から位置が移ったことがわかる。
ステアリングは『911』でもお馴染みの「GTスポーツステアリングホイール」を採用。小径なのでスポーティなハンドリングが可能で、モードスイッチやスポーツレスポンスボタンも配置されている。
ゆったり走るのが『カイエン』なら、『マカン』はスポーティにキビキビと走る
ラグジュアリーでゆったりと走るのが『カイエン』なら、スポーティにキビキビと走るのが『マカン』だ。インドネシア語で「虎」を意味する車名の通り、その魅力はドライビングの愉しさにある。
走行性能はシャーシの調整や新開発タイヤの採用などによって高められているが、今回は最先端の走行支援技術が大きなポイントとなった。
アダプティブクルーズコントロールを含む新しい交通渋滞アシストは、60 km/hを上限に作動。前走車に追従して自動で加減速を行うだけでなく、渋滞時や低速走行時にはステアリング操作も支援してくれる。
BMW『X4』、アウディ『Q5』…ライバルに圧倒的なスポーティさで差をつける
エンジンライナップや価格などの詳細はまだアナウンスされていないが、上海で発表されたモデルは、まず中国市場でのみ提供される。しかし、そのほかのモデル、中国以外の市場も、2018年中には提供が開始されるという。
『マカン』と車格を同じくするプレミアムコンパクトSUVには、メルセデス・ベンツ『GLCクーペ』、BMW『X4』、アウディ『Q5』、ジャガー『F-PACF』と錚々たる面々が連なる。このなかで『マカン』は、圧倒的なスポーティさで差別化を図ろうとしている。
ライバルは多いが、ある意味、唯一無二のプレミアムコンパクトSUVである。