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第7回 | シボレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

カマロ顔がクール!──復活したシボレー ブレイザー

隆盛を極めるSUVだが、その多くはヨーロッパのプレミアムブランドが送り出すモデル。しかし、SUVの本場といえば、やはりアメリカである。なかでも、アメ車ファンが今注目しているのが、久々に復活したシボレーのミッドサイズSUV『ブレイザー』だ。かつては地味な存在だったが、オールニュー『ブレイザー』はスタイリッシュなクロスオーバーとして登場。『カマロ』似のフロントフェイスはインパクト十分で、アメ車ファンには大いに気になる存在になるだろう。

『カマロ』を彷彿とさせるフェイス、マッシブでボリューミーなサイドビュー

アメ車ファンは、シボレー『ブレイザー』と聞くと「実用性重視で色気のないクルマ」というイメージを思い浮かべるのではないか。実際、以前の『ブレイザー』は地味なデザインの商用車風で、むしろそれが魅力でもあった。

しかし、2019年モデルとして発表された新型『ブレイザー』は、そのイメージを一新することが目的でもあるかのように、まったく異なるクルマへと進化した。筋肉質でありながらシャープなラインを描くスタイリングは美しくもある。

とりわけ目を引くのはフロントフェイスだ。ワイドなグリル、そして薄型で切れ長のヘッドライトは、同じシボレーの2ドアスポーツクーペ、新型『カマロ』を彷彿とさせる。少なくとも『カマロ』に大きな影響を受けているのは間違いないだろう。

さらに、傾斜の強いAピラーに、マッシブでボリューミーなサイドビューも印象的。欧州車のSUVなどに流行しているフローティング・ルーフラインも取り入れられた。ホイールは18インチが標準だが、グレードによっては21インチホイールも選択できる。

新型『ブレイザー』のエンジンは2種類、アメリカ人のニーズを考えた選択肢

エンジンは2種類が用意される。2.5L直列4気筒エンジンは最高出力193hp、最大トルク255Nm。GM製の3.6L V6エンジンは、最高出力305hp、最大トルク365Nmを発揮する。どちらか選べるのは、ユーザー目線で考えるとありがたい設定だ。

日本人からすると、アメリカ人がクルマに求めるものを「とにかくデカくてパワフルなこと」と想像しがちだが、じつは合理的で堅実な選択をする人のほうが多い。そういった意味では、近距離のシティユースが中心の人なら直4を選ぶであろうことが想像できるし、キャンピングなどを家族で愉しむアクティブな人にはV6のほうがふさわしいというわけだ。

V6モデルはトレーラーアシストを装備し、4500ポンド(2041kg)の牽引強度を持つ。牽引性能を備える点もアメ車ならではといったところだろう。

トランスミッションは9速AT。駆動方式は、標準モデルがパートタイム4WDで、スポーティな「RS」と最高級グレードの「プレミア」は、駆動力配分を自動制御するツインクラッチシステム付きのAWDとなっている。

「RS」と「プレミア」の違いについては詳しいアナウンスがまだないが、エクステリアトリムが違うだけで、パワートレインや内装に変わりはないようだ。外観では、「RS」は下回りや各トリムがブラックアウトされ、それに対して「プレミア」は高級感あるクロームメッキが施されているという具合である。

2列シートの5人乗りSUVながら、ラゲッジスペースは最大1818Lの広さに

インテリアでは、多数のバリエーションから内装色が選べるなど、ユーザーの好みに合わせてカスタマイズできる点が特徴的だ。

おもな標準装備としては、8インチのタッチスクリーン、6個のUSBポート、ワイヤレス充電端子、4G Wi-Fi、キーフォブから操作できるパワーウインドウ、さらに「RS」と「プレミア」にはハンズフリーで開閉可能なリアゲートなどがあり、実用的かつ現代的な装備が取り入れられている。

クルーズ・コントロールが搭載されているのはアメ車として当然だろう。そのほか、パノラミック・サンルーフなどがオプションとして用意された。エアコン吹き出し口は丸型で、こうしたディテールも『カマロ』を思わせる。

新型『ブレイザー』は、シボレーのSUVラインナップのなかで、ミッドサイズの『エキノックス』とフルサイズの『トラバース』の中間に位置づけられる2列シートの5人乗りだ。3列目シートを廃したことで2列目には余裕が感じられ、また2列目シートを倒すとラゲッジスペースは最大1818Lに広がる。

さらに、ラゲッジスペースは単に広いだけではなく、シティユースを考慮してレールによる仕切りが設置されるなど、荷物の収納に工夫が施されているのも面白い。

『ブレイザー』はシボレーのラインナップでも特別、日本には上陸するのか?

エクステリアデザイン、そしてパッケージ全体にコマーシャル。さまざまな点を考えても、以前の「牧場とカウボーイ」が似合う『ブレイザー』ではなくなったことは間違いない。

プレスリリースや写真を見るだけでも、インテリアから細部の仕上げまで気を配り、ユーザーの要望を取り入れることに真剣だった様子がうかがえる。だからこそ、シボレーのラインナップのなかで特別なモデルとなりうるのだ。

アメリカ本国を含む北米市場では2019年初頭に発売されるが、日本に導入されるかどうかは未定。価格もまだアナウンスがない。

なにしろ、北米でも『ブレイザー』が登場するのは久しぶりで、日本では16年前に販売が終了して以降、市場から姿を消していたのだ。いずれにせよ、正規導入を期待したい。

Text by Koji Okamura
Photo by (C) General Motors
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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第8回 | シボレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

C8はミッドシップ──新型コルベット、まもなくデビュー

発表前のニューモデルがカモフラージュ模様をまとい、公道でテスト走行を行うのはよく見られる光景だ。それらは自動車メディアのスクープ、あるいはメーカーが発表した写真によって目にすることが多い。しかし、世界有数の大都市、ニューヨークのど真ん中にカモフラージュ模様のプロトタイプが登場するのは、わりとレアケースではないか。GM(ゼネラルモーターズ)は4月初旬、デジタルカモフラージュ加工を施したシボレー『コルベット』の次期モデルをニューヨークの街で走らせるデモンストレーションを行った。

アメリカンスーパースポーツの代表車種『コルベット』が6年半ぶりモデルチェンジ

1960〜70年代のマッスルカー全盛の時代から、アメリカには数多のスポーツカーが存在してきた。シボレー『コルベット』は、間違いなくその代表車種のひとつだろう。モータースポーツの世界でも輝かしい成績を残し、世界中で多くのファンに愛されている。

初代モデルの登場は1953年。「アメリカ独自のスポーツカーを生み出す」との思いから誕生し、以来60余年、7世代にわたって系譜を紡いできた。とりわけ1966年デビューの第3世代、通称「C3」は、光岡自動車のヒットモデル『ロックスター』のモチーフとなるなど、今も『コルベット』の象徴として高い人気を誇る。現行モデルは第7世代だ。

その『コルベット』が6年半ぶりにモデルチェンジを行い、第8世代、つまり「C8」へと進化する。シボレーブランドを展開するGMは、今年7月18日に新型『コルベット』を公開することを発表。そしてニューヨーク国際モーターショーを翌週に控えた4月11日、ニューヨークのど真ん中で新型『コルベット』のプロトタイプを走らせたのである。

ショートノーズのスタイリングにミッドシップ。大きく変わる8代目『コルベット』

カモフラージュ模様のプロトタイプが現れたのは、ニューヨーク市マンハッタン区のウェストサイドを南北に走る7番街。タイムズスクエアに近い地区だ。ハンドルを握るのは新型『コルベット』のチーフエンジニアをつとめるタッジ・ジェクター氏、助手席に座るのは大手自動車メーカーで初の女性CEOとなったGMのメアリー・バーラ氏である。

アメ車に詳しい人なら、左右のドアに公開日を予告する「07.18.19」のバナーを貼ったこのプロトタイプを見て「おや?」と思ったに違いない。『コルベット』といえば、初代からFR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトをもつロングノーズ・ショートデッキのフォルムが伝統。ところが、「C8」は対照的に、フロントノーズが短くリア部分が長い。キャブフォワード(運転席が車体中央から少し前方に位置)スタイルとなっている。

このフォルムは、「C8」のエンジンがミッドに搭載されることを意味する。つまり『コルベット』史上初となるミッドシップ・エンジンレイアウトを採用するということだ。

ハイブリッドモデルも登場? まったく新しいアメリカンスーパースポーツに進化する

しかも、驚くべきことに、ミッドシップのみならず、ハイブリッドモデルのラインナップまで噂されている。少なくとも、ダウンサイジングによって効率化をはかり、大排気量のV8エンジンを搭載するモダンマッスルカーに別れを告げることが予想される。「C8」は、これまでに例のない、まったく新しいアメリカンスーパースポーツとなりそうだ。

いずれにせよ、新型の全容はまもなく明らかになる。前述のとおり、GMは今年7月18日に「C8」をお披露目することを公式に発表済みだ。おそらく、アメリカの自動車業界だけではなく、世界中のスポーツカーファンにとって胸が躍る一大イベントとなることだろう。その日まで残り2カ月足らず。新型『コルベット』のデビューを刮目して待ちたい。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) General Motors
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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