ルーフにはレーザー砲! ミレニアム・ファルコンを再現したカスタムカー
『スター・ウォーズ』シリーズのファンならご存じのとおり、ミレニアム・ファルコン、通称ファルコン号は、ハン・ソロ船長がチューバッカと操る宇宙船である。
2018年5月下旬に『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフ第2弾となる『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が全米で公開され、日本でも6月26日に公開が始まった。このシリーズ最新作に合わせて北米日産が発表したのが、ファルコン号をモチーフとしたカスタムカーだ。
シートに「STAR WARS」のロゴとハン・ソロのサイン入り、プレートに限定台数のシリアル番号が刻印された程度の仕様でしょ…などと思ったら大間違い。内外装ともにスクリーンに登場するファルコン号を彷彿とさせるデザインが施され、ルーフにはレーザー砲(ダミーだが)まで備えているのだ。
「北米日産のカーデザイナーもやるじゃないか!」と感激したのは筆者だけではないだろう。
気分はハン・ソロ船長、ボディ全体に施された汚し加工がカッコ良すぎる!
ベース車両は日産『ローグ』。日本では『X-TRAIL(エクストレイル)』のモデル名で販売されているミドルクラスのクロスオーバーSUVだ。じつは、北米日産では『スター・ウォーズ』シリーズの新作が製作されるたびに、『ローグ』の『スター・ウォーズ』仕様車を発表している。
2017年の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の公開時には、ロサンゼルスモーターショーでポー・ダメロンの戦闘機「Xウイング」にインスパイアされた『ポー・ダメロン・Xウイング with BB-8』を発表。巨大な翼をもち、ルーフにドロイドの「BB-8」を搭載したカスタムカーだ。アンベールされると来場者から拍手と歓声が鳴りやまなかったという。
しかし、今回のカスタムカーはもっとすごい。前述したとおり、高速性能を秘めながらも、オイルやデブリで薄汚れた外観から“銀河系最速のガラクタ”という異名をもつファルコン号がモチーフ。近年の北米日産の『スター・ウォーズ』仕様車は、ショーのためのカスタムカーやステッカーチューン車が目立ったが、今回は本気モードだ。まずは外観をとくと見てほしい。
ファルコン号のフロントマスクを彷彿とさせる前面ガラスの形状、手作業で成形されたというアルミ製ボディパネルは秀逸。なにより、ファルコン号と同様の汚し加工がボディ全体に施されているのが、カッコよすぎる。これはエアブラシによる加工ではなく、3Dプリントによるラッピングフィルムだという。クルマ全体が広告になるラッピングバスと同じ仕様だ。
それにより各部が立体的に見え、造形的に深みある質感が再現できている。そして、ルーフにはレーザー・キャノン砲とレーダー装置。室内もコクピットのダッシュボードには新たなボタンやスイッチが取り付けられるなど、ハン・ソロ船長気分が盛り上がる仕掛けがそこかしこに施されているのだ。ルームミラーにかけられたクラップス用のダイスは見逃せないひとつ。
リアにはワープ航行を可能とする「ハイパードライブ」ユニットまで装備!
なかでも、思わず「すげっ!」と声が出そうになるのがリアビューだ。なんと車幅いっぱいに、『スター・ウォーズ』の世界では恒星間航行に不可欠なハイパードライブ・ユニットを模した装備が取り付けられ、映画のワープシーンと同様に、ブルーに輝くのである。
また、リアゲートにはBOSE製のスピーカーが3つ埋め込まれており、室内と合わせて1500Wの重低音を轟かすことができるという。当然、最初に響かせるのは、ジョン・ウィリアムズが作曲した『Star Wars Main Theme(スター・ウォーズのテーマ)』だろう。
「フリーウェイで見かけたら、ついて行きたくなるクルマ」の1位間違いなし
もし「フリーウェイで見かけたら、ついて行きたくなるクルマ選手権」なるものがあれば、このクルマが1位になることは間違いなし。こんな遊び心のあるクルマを作ることができるのがアメリカなのだろう。
ちなみに、この『ローグ』の『スター・ウォーズ』仕様車、当然ワンオフのカスタムカーと思いきや、アメリカとカナダで限定台数が販売されるという。ただし、現在のところ、価格や発売時期は発表されていないが…。
Text by Katsutoshi Miyamoto
Photo by (C) Nissan USA
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)