【芸能・社会】中島みゆきの名曲「糸」映画化 菅田将暉と小松菜奈で紡ぐ2019年6月10日 紙面から
シンガー・ソングライターの中島みゆき(67)の代表曲「糸」をモチーフにした映画「糸」(瀬々敬久監督)が、菅田将暉(26)と小松菜奈(23)のW主演で製作され、来年公開されることが9日、配給元の東宝から発表された。 同曲は糸を人に見立て、男女の出会いの奇跡と絆の大切さを歌っている。映画は平成元年生まれの男女が13歳で出会って別れ、そして平成の終わりに再びめぐり合うまでの18年間を、「生活者の視点から見た平成史の変遷」とともに描きだす壮大な愛の物語。 中島の楽曲をモチーフにした作品としては初の映画化。平成の終わりが近づくにつれ、IT社会の急速な到来によってなのか、人と人の結びつきの希薄さが際立つ中、縦の糸と横の糸で織りなされた物語で誰かを温められるような映画を作りたいと、製作サイドが約5年前に中島サイドにオファー。 歌詞の世界を大切にする中島に承諾を得るため、約3年かけてストーリーを練り、2年ほど前に承諾を得てキャストを決めたという。撮影は今年7月から9月に予定。中島の故郷北海道をはじめ、東京・沖縄・シンガポールを舞台に描かれる。 2000年以降、平成の名曲をもとにした映画化作品はいずれも大ヒットを記録。06年には妻夫木聡(38)と長澤まさみ(32)のW主演の「涙そうそう」が興行収入31億円を記録。10年には新垣結衣(30)主演の「ハナミズキ」が興収28億3000万円を記録した。 菅田と小松はW主演をつとめた映画「溺れるナイフ」などで共演した経験がある。高橋漣役を演じる菅田は、「誰もが通る巡り合わせの遊歩道、糸。時に険しく、時に愉快な人間の性を、原曲へのリスペクトを忘れずに『仕合わせ』をつかみ取る気持ちで挑んでいきたいなと思います。初めましての瀬々監督と、何度も共に闘ってきた小松菜奈というカップリングも純粋に楽しみです」。 園田葵を演じる小松は、「曲の世界観を大切に、中島みゆきさんの歌詞を心の中に感じながら、これからの撮影に臨みます。同志のような(菅田と)2人だからこそ紡ぎだせる空気感を大事に、一意奮闘しながら、丁寧に描いていきたいと思います」とコメントを寄せた。
◆120組がカバー「糸」は、中島が知人の結婚式を祝して作り、アルバム収録を経て、1998年2月に両A面シングル「命の別名/糸」で発売された。以後、ドラマや数多くのCMに起用され、これまでクリス・ハート、森山直太朗、JUJU、福山雅治ら120組がカバーしている。 中島は映画化について、「『糸』は、とても素朴な曲ですから、いろいろな方々に歌っていただく度に、さまざまな色があらわれて、いつも驚かされています。この度は映像の世界に用いていただくこととなり、ありがとうございます。また新たな『糸』に出会えるのを、楽しみにしています」と期待を寄せた。
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