1年間の長期休養から昨年11月に復帰後は(3)(2)(1)(1)(10)(1)着でオープン入り。2走前こそ大敗したアンノートルだが、目下の充実ぶりを見せつけるかのように、美浦Wで力強い動きを見せた。柴田大を背に向正面からスタートする半マイル追い。3馬身先行するダノンチャンス(5歳1勝クラス)を目標に、直線で内に潜り込むと鞍上の軽い合図に反応してスピードに乗り、きっちりと同入を果たした。
4F53秒8-39秒0-12秒2の時計に、柴田大も「しまい重点でしたが、勢いに乗ってからの反応が良かった」と納得した。前走はメンバー最速タイの上がり3F33秒2の末脚で差し切っている。「抜け出してから息を入れている感じ。まだ余裕を感じました。あの内容なら楽しみはありますね」と重賞の舞台でも期待を寄せていた。
上がり運動で状態の良さを確かめた田中博師は「2走前は負けた(10着)とはいえ、状態はかなり良かった。当時にはまだ及ばない印象ですが、もう一段階は上がりそうな追い切りを消化できたと思います」と、さらなる上積みを見込んでいた。
昨年3月に開業して以来6度目の重賞挑戦。決して意識しているわけではないが「(重賞タイトルは)取るに越したことはないですからね」とあくまで自然体で臨む心構えだ。脚部不安による長期ブランクを乗り越えた上がり馬と、33歳の若きトレーナーが勲章取りに挑む。