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第45回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

BMW X4──コネクティッドカーに進化したSUVクーペ

2014年にニューヨーク国際オートショーでお披露目された初代『X4』。BMWではSUVではなく「SAC」に分類されるが、これは「スポーツ・アクティビティ・クーペ」の頭文字を取ったものだ。『X4』はSACの名が示す通り、『X3』をベースにしながら『4シリーズ』のクーペスタイルを受け継いでいる。ルーフからリアエンドへとなだらかに流れるラインは、そのスタイリッシュさから大きな話題となったものだ。そのデビューから4年。いささか早い感じもするが、第2世代が2018年のジュネーブモーターショーで発表された。

『X3』のデザインコンセプトを随所に受け継いだ2代目BMW『X4』のフロントマスク

初代『X4』は、『X6』に続いて登場したBMWのSAC第2弾モデル。お披露目された新型『X4』は第2世代にあたる。

外観はキープコンセプトで、先代の美しいクーペラインを受け継いだ。車両サイズは、先代よりもやや大きくなり、全長4752×全幅1918mm×全高1621mm、ホイールベースは2864mmとなった。

全高だけは唯一、先代モデルよりも低くなっているので、よりスポーティーさが増した印象だ。ちなみに、車両重量は50kg減少している。

フロントマスクを見ると、先にデビューした『X3』のデザインコンセプトを随所に受け継いでいる。キドニーグリルは大型化し、ヘッドライトはツインヘッドライトでLED化された。

新型『X4』のラインナップは『X4』『X4 Mスポーツ』『X4 MスポーツX』の3タイプ

モデルラインナップは、『X4』『X4 Mスポーツ』『X4 MスポーツX』の3タイプ。このラインナップは、1月のデトロイトモーターショーで発表され、新たに「Xシリーズ」に仲間入りした『X2』と同じだ。

『X4 Mスポーツ』は、BMW M社が手がける走りに特化した『Mモデル』ではなく、特別装備を搭載したスポーティーなカタロググレード。『X4 MスポーツX』の詳細は不明だが、『X2 MスポーツX』と同じく、「The latter brings together design elements from BMW M and the BMW X family.(BMW MとBMW Xファミリーのデザイン要素をまとめたもの)」になると思われる。

エンジンはガソリンとディーゼルの2種類。エントリグレードである『xDrive 20i』は、2L直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載し、最大出力135kW(184hp)/6500rpm、最大トルク29.6kgm/1350〜4250rpmを発揮する。

組み合わされるトランスミッションは「8速ステップトロニック」で、0〜100km/hの加速は8.3秒、最高速215km/hに達するという。

先端技術で部分自動運転も実現、コネクティッドカーとしても進化した2代目『X4』

2代目『X4』はコネクティッドカーとしても進化している。最新の「BMWコネクテッド」は、スマートフォンやスマートウォッチ、Amazon Echoなど、さまざまなスマートデバイスに接続可能だ。

自宅にあるAmazon Echoの音声認識を利用すれば、燃料の残量を声だけで確認したり、車両をロックしたり、空調システムを起動したりすることができるという。

また、車両にはSIMカードを標準装備。万が一の事態では、現在位置や事故の程度を検知して発信する「インテリジェント・エマージェンシー・コール」が採用された。

最先端技術では、最新の先進運転支援システム「ADAS」の搭載も大きな話題だ。すでに新型『X3』に搭載されており、部分自動運転に対応。新世代の「ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)」」は、前車との距離を一定に保ちながら追従・停止・発進ができるという。

BMW M社が手がける新型『X4』のハイパフォーマンスモデル、『X4 M40i』も登場

ジュネーブモーターショーでは、BMW M社が手がける高性能モデル『X4 M40i』も発表された。

オプションあるいは標準で、可変式スポーツステアリング、パフォーマンスコントロール、アダプティブMサスペンション、Mスポーツディファレンシャル、Mスポーツブレーキなどが装備されるという。カーガイにとっては、こちらも気になる一台だろう。

日本へのデリバリーは未定。価格も判明していない。現在の『X4』が742万円からなので、同じ価格帯になりそうだ。導入が待ち遠しい一台である。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) BMW AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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第62回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

最上級で贅沢なオープン──BMW 8シリーズ カブリオレ

初夏になると、クルマのルーフを開けてオープンエアを愉しみたくなる。しかし、この新型オープンモデルが似合う場所は、蒸し暑い日本の夏ではなく、地中海やマイアミの高級リゾート地なのかもしれない。それほどまでに、贅沢でエレガントなのである。昨年、じつに20年ぶりとなる復活を遂げたBMW『8シリーズ』。このフラッグシップクーペに今回、カブリオレが追加された。「最上級」という言葉がふさわしいオープントップモデルだ。

クーペの美しさと運動性能、オープンモデルならではの開放感や優雅さを兼ね備える

ヨーロッパの人々は太陽を浴びることが大好きだ。ほとんどのラグジュアリークーペには、当然のようにオープントップモデルが設定されている。昨年6月、ル・マン24時間レースにおいて、およそ20年ぶりに復活したBMW『8シリーズ』が発表されたときから、多くの自動車ファンはカブリオレの登場を予感していたことだろう。そもそも、BMWには開発当初からオープンモデルをラインナップに追加する前提があったに違いない。

BMW『8シリーズ カブリオレ』は、『6シリーズ カブリオレ』の実質的な後継となるオープントップモデルである。むろん、ベースは最上級クーペの『8シリーズ クーペ』。低く伸びやかなシルエット、美しいルーフライン、艶麗なリヤフェンダーの造形が醸し出す優雅さ。そうした官能的な個性が際立つ『8シリーズ クーペ』の美しいデザインと運動性能をそのまま受け継ぎながら、オープンモデルならではの開放感や優雅さを備える。

エクステリアでは、リヤホイールへの力感を表現するボディサイドのキャラクターラインが目を引く。さらに、キドニーグリルやデッキを取り囲むモールディングなどにクローム加飾をアクセントとして採用。専用の20インチ・マルチスポークホイールの繊細なデザインと相まって、クーペ以上に洗練されたラグジュアリーさを強く感じさせる佇まいだ。

滑らかな流線形を描く電動式ソフトトップ。シフトノブはなんとクリスタル仕立て!

ルーフは電動式のソフトトップで、エレガントなボディ造形にふさわしく、滑らかな流線形を描くように丸みを帯びたデザインとなっている。ルーフを閉じた状態でも、上質さや優雅さはまったく損なわれない。ルーフは時速50km/h以下なら走行中でも約15秒で開閉することが可能だ。ルーフオープン時もラゲッジルームは250Lの容量を確保する。

室内は、エクステリアと見事に調和した高級感をまといつつ、前後方向への意識を強調するように設計されているのが特徴だ。具体的には、乗員の視線が自然と前方へ向かい、走りへの期待感を煽るようなデザインとなっている。また、高い操作性を確保するためにスイッチ類をグループ分けし、ドライビングを妨げないポジションにわかりやすく配置した。

注目は非常に高い透明度のクリスタルで作られたシフトノブ。クラフテッド・クリスタル・フィニッシュを採用し、なかから数字の「8」が浮かび上がる仕様となっている。シートはベンチレーション付きの上質なメリノレザー。アンビエント・ライトを標準装備しているので、ラグジュアリーオープンモデルであることを乗るたびに感じさせてくれるだろう。

『8シリーズ カブリオレ』の加速性能はピュアスポーツカー並。価格は1838万円

搭載されるパワーユニットは、『8シリーズ クーペ』と同様の4.4L V型8気筒ガソリンエンジン。最高出力530ps/5500-6000rpm、最大トルク750Nm/1800-4600rpmを発生し、8速スポーツAT(ステップトロニック付き)を組み合わせる。0-100km/h加速は「8」の名にふさわしく、3.9秒を実現。これはピュアスポーツカーに匹敵する動力性能だ。

なお、ドイツ本国やヨーロッパでは上記のエンジンを積む「M850i xDrive」のほかに、経済的な3.0L直列6気筒ターボディーゼルエンジンを搭載する「840d xDrive Mスポーツ」も選べるが、日本国内で販売されるのは現時点で「M850i xDrive」のみとなっている。

価格は『8シリーズ クーペ』より124万円アップとなる1838万円。高価なうえに、これだけのラグジュアリーオープンが似合うロケーションは国内ではなかなか見当たらない。とはいえ、オープンエアの季節だけに、所有欲を強く刺激するのはたしかだろう。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) BMW AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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