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第9回 | ランドローバーの最新車デザイン・性能情報をお届け

まさかの限定復活──ランドローバー ディフェンダー

超がつくハイパフォーマンス仕様、限定わずか数台の豪華仕様…。高級車メーカーは、ときに予想もしていなかったスペシャルモデルを発表して人々を驚かせる。しかし、英国のランドローバーが2018年1月に発表したクルマは、それらとはまったく異なるサプライズだった。なんと2016年に生産終了してファンを悲しませたオフローダーの名車『ディフェンダー』を限定復活させたのである。その名は『ディフェンダー ワークスV8』という。

生産終了後も高い人気を誇る無骨なオフローダー『ディフェンダー』が限定復活!

『ディフェンダー』は、無骨なデザインと強靭なオフロード性能によってランドローバーの歴史を刻んできた伝統あるモデルだった。

その祖は1948年に登場したランドローバー『シリーズI』。1990年に『ディフェンダー』という名が与えられたが、70年にわたって基本的な構造やスタイリングを変えず、アップデートを繰り返しながら2016年初めまで生産されてきた。同じような歴史を持つクルマに先代のメルセデス・ベンツ『Gクラス』があるが、こちらは「40年」だった。

日本へは2004年以降、正規輸入はされなかったが、並行輸入業者の手によって多くの『ディフェンダー』がオーナーの手に渡っている。それは生産終了後も同じで、エンスージアストなどの間では現在も高い人気を誇る。

その『ディフェンダー』が今回、なぜ限定復活したのか? その理由は『シリーズI』が登場した年にある。2018年は、『シリーズI』のデビューからちょうど70周年にあたるアニバーサリーイヤー。これを記念して製作されたのが限定150台の『ディフェンダー ワークスV8』だ。

また、この限定車は、歴代モデルのなかでも高出力なエンジンを搭載していた1979年型『シリーズIII Stage 1 V8』や、50周年記念モデルの『50th Anniversary Edition』へのオマージュでもあるという。

加速力は最新フラッグシップと同等、ワークスの名にふさわしい『ディフェンダー』

『ディフェンダー ワークスV8』は、単に生産終了したクルマを再生産しただけのものではない。手がけたのはランドローバー車のレストアプロジェクトなどを行うヘリテージ部門の「ランドローバー・クラシック」。パワフルなエンジンはもちろん、現代のクルマにふさわしい豪華さや装備が与えられている。

パワーユニットは、『ディフェンダー』の伝統に従った自然吸気V8ガソリンエンジンで、排気量は5.0L。通常の『ディフェンダー』が最高出力122ps、最大トルク360Nmだったのに対し、『ディフェンダー ワークスV8』は最高出力405ps、最大トルク515Nmと大幅にパワーアップが施されている。

最高速度はリミッターによって106mph(約171km/h)に制限されるが、0-60mph(0-97km/h)が5.6秒という加速力を持つ。最高出力510psの5.0LスーパーチャージドV8エンジンを搭載する最新の『レンジローバー』の0-60mph加速が5.4秒だから、このクラシカルなクルマの加速がいかに強烈なものであるかがわかるだろう。もちろん「史上最速のディフェンダー」だ。

トランスミッションは、スポーツモード付きのZF製8速AT。当然、パワーアップに伴い、ブレーキやスプリング、ダンパー、アンチロールバーといった足回りも強化された。タイヤは265/65 R18のオールテレーンである。

『ディフェンダー ワークスV8』のボディは2種類、スペシャル感を演出する内外装

ボディバリエーションは、3ドアショートボディの「90」と5ドアロングボディの「110」の2種類。ボディカラーは、サテン仕上げの2色を含めた8色から選択が可能だ。

エクステリアには、「サントリーニブラック」のルーフ、ホイールアーチ、フロントグリル、ダイヤモンドターニング加工が施されたアロイホイールが採用され、さらにスペシャル感を高めている。

また、ドアハンドル、燃料キャップ、専用エンブレム、ボンネットの「LAND ROVER」のロゴはアルミニウム製で、最新モデルらしく、ライティングにはBi-LEDヘッドライトが装備された。

インテリアは、シートのみならず、ダッシュボードまでウィンザーレザー仕上げだ。シートはRECARO製のスポーツタイプとなる。

「ランドローバー・クラシック」オリジナルの「クラシック・インフォテインメント・システム」は、『ディフェンダー』が持つ古き良き時代の雰囲気を壊すことなく、最新のインフォテイメント機能を提供してくれるに違いない。

限定150台はすでに完売…しかし新たな『ディフェンダー ワークス』が登場する?

『ディフェンダー ワークスV8』のイギリス本国での販売価格は、「90」が15万ポンド(約2300万円)からと高額だが、にもかかわらず限定150台はすでに完売となっているという。

しかし、ランドローバーのプレスリリースには、「TDCiディーゼル・エンジンやハイパフォーマンス・サスペンション、ブレーキシステムも選択可能とする」との見逃せない記述がある。もしかすると、今後新たな『ディフェンダー ワークス』が発表される可能性もあるかもしれない。

今回は売り切れ以前に日本での販売がなかったが、もし「次のワークス」があるとしたら、そのときは日本のランドローバーファンのためにぜひ正規輸入してほしいものだ。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Jaguar Land Rover Automotive PLC
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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第16回 | ランドローバーの最新車デザイン・性能情報をお届け

今度の驚きは速さ──最強のレンジローバー ヴェラール

『レンジローバー』シリーズにおいて、「SV オートバイオグラフィー」のバッジはその頂きに立つ最強グレードを意味する。心臓部には圧倒的なパフォーマンスを誇る5.0L V8スーパーチャージャーガソリンエンジン。それでいて、内外装の仕立ては極めてラグジュアリー。まさにすべてを兼ね備えたスーパーSUVである。今年2月、ランドローバーはその特別なグレードを『レンジローバー ヴェラール』に設定。洗練されたスタイリングで驚きをもたらしたミッドサイズSUVに、かつてない速さとスポーティさが加わった。

『レンジローバー ヴェラール』に最強仕様の「SVオートバイオグラフィー」が登場

『レンジローバー』シリーズは、フラッグシップの『レンジローバー』を筆頭に、『レンジローバー スポーツ』『レンジローバー ヴェラール』『レンジローバー イヴォーク』の4モデルが展開される。この並びでわかるとおり、「ヴェラール」は「スポーツ」と「イヴォーク」との間を埋める存在として2017年に登場したシリーズ第4のモデルだ。

その特徴は、とりわけスタイリングを重視した「アヴァンギャルドなレンジローバー」であること。ハンドルを内部に格納するポップアップ式のデプロイアブルドアハンドルも目を引くが、なにより低く絞り込まれたルーフラインが最大のハイライトだ。写真では『レンジローバー スポーツ』に近い印象を抱くかもしれないが、実車を目にすればほかの『レンジローバー』シリーズの角張ったイメージと異なる優美な造形をもっていることがわかるはずだ。なめらかな曲線を描く美しいフォルムは、削り出した卵にも例えられる。

今回新たに登場した『レンジローバー ヴェラール SVオートバイオグラフィー・ダイナミック・エディション』は、このスタイリッシュなミッドサイズSUVの頂点を極める高性能グレード。もちろん、これまででもっとも速くパワフルな「ヴェラール」となる。

開発はカスタマイズ部門の「SVO」。その最高出力は550馬力、最高速度は274km/h

開発を担ったのは「SVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)」。イギリス中部、ウェスト・ミッドランズ州コベントリーにあるSVOテクニカルセンターを拠点に、特別仕様のリミテッドエディションやパーソナライゼーションなどを手がけ、その技術によりパフォーマンスとラグジュアリーを極めた多くの特別なモデルを生み出してきた。

むろん、『レンジローバー SV オートバイオグラフィー』『レンジローバー SV オートバイオグラフィー・ダイナミック』『レンジローバー スポーツSVR』といった上位車種にラインナップされる高性能グレードも、SVOによって開発された車両たちである。

まず目を引くのは圧倒的なパフォーマンスだ。パワートレインは、ほかの高性能グレードと同じく5.0LのV型8気筒スーパーチャージャーガソリンエンジン。最高出力405kW(550ps)/6000~6500rpm、最大トルク680Nm(69.3kgm)/2500~5500rpmを発揮し、0-100km/h 加速は4.5秒、最高速度は 274km/hに達する。とても車重2トンを超えるミッドサイズのラグジュアリーSUVとは思えないスペックである。

当然、この大パワーを路面に伝えるために足回りやトランスミッションも強化された。アルミ製パドルシフトで操作するトランスミッションはドイツのZF製8速クイックシフトATで、専用チューンが施されている。前395mm、後396mm径のブレーキも強化され、エレクトロニックアクティブディファレンシャルやステアリング、ダンパー、アンチロールバー、スタビリティコントロールなどにも専用チューニングが施されている。

駆動方式はオンデマンド4WDで、インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス・システムが前後で駆動トルクを配分し、後輪駆動にもなる。また、SVヴァリアブルエグゾーストシステムにより、走行状況に応じてV8サウンドを変化させることも可能だ。

最強仕様らしくエクステリアはスポーティで洗練され、インテリアはラグジュアリー

エクステリアは、高性能グレードらしくスポーティに仕上げられた。フロントバンパーとリヤバンパーは専用パーツ。より冷却効果を高めるためにフロントには大きなエアインテークを備え、リヤは4本出しの軽量エグゾーストパイプを収めるためにディフューザー形状に改められた。21インチ鍛造アルミホイール(22インチも選択可)とともに、「SV オートバイオグラフィー・ダイナミック」の名にふさわしいルックスとなっている。

ボディカラーはSVOのプレミアムパレットシリーズのブルーメタリック塗装となり、ブラックルーフを標準装備。リヤには「SV Autobiography」のエンブレムを装着した。

インテリアはシンプルで美しく、ラグジュアリーだ。タッチパネルディスプレイを多用したフラットなインターフェイスは「ヴェラール」全車に共通する先進的でスタイリッシュなもの。そこへキルティング加工が施されたツインステッチ・パーフォレイテッドレザーのシートとスポーツレザーステアリングを装備。20ウェイ電動調整機能、さらにシートヒーター&クーラー、メモリー&マッサージ機能を標準装備する。ローレット加工が施されたダイヤルスイッチ類も特別な一台であること主張するラグジュアリーなパーツである。

イギリス本国での価格はおよそ1273万円。そう遠くないうちに日本にもやって来る?

当然ながら、先進運転支援システム(ADAS)も搭載する。おもな装備を挙げると、自動緊急ブレーキ、車線逸脱警告、360度ビュー&パーキングガイド機能付きサラウンドカメラシステム、ブラインドスポットアシスト、レーンキープアシストといった具合だ。

イギリス本国での価格は8万6120ポンド。日本円に換算するとおよそ1273万円だ。すでに、日本市場には『レンジローバー SV オートバイオグラフィー』『レンジローバー SV オートバイオグラフィー・ダイナミック』『レンジローバー スポーツSVR』が導入されている。新たに「ヴェラール」に加わった「SV オートバイオグラフィー・ダイナミック・エディション」が上陸する日も、そう遠くないうちにやって来るに違いない。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Jaguar Land Rover Automotive PLC
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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Range Rover Velar SVAutobiography Dynamic Edition オフィシャル動画
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