■『手話』を情報の授業に
情報の授業に手話を取り入れてみましょう。
手話は
・情報表現手段の一つである
・プレゼンテーションである
・曖昧さの許されるプロトコルである
・無線LANである
など様々なアプローチで情報の授業と結び付けていくことができます。手話と情報は相性抜群なのです。
えっ、手話が出来ないから教えられない?!私も出来ると言えるレベルにはありません。でも、自己紹介程度の手話や単語レベルの手話であれば、すぐにマスターすることができます。手話を教えるのではなく、手話を使って情報を教えるのです。ちょっと勉強しただけでも十分だと思います。そして覚えたての手話で意思疎通が出来た時は本当にうれしいものです。
■情報表現手段の一つである

例えば「飛行機」は手を飛行機の形にしてビューンと飛んでいく仕草で表します。わかりやすいですね。このように物の形や動きで表現するものが多いです。
形状や動きの細かな部分は、当然排除された形に仕上がっています。なるほどなぁと感心されられるものは少なくありません。見事に物の特徴を捉えた手話がたくさんあります。
このように「
情報の取捨選択をし、相手にうまく伝わるよう表現されたもの」という視点が情報の授業目的と一致するわけです。
授業では「○○はどうやって手話で表すか?」と問題形式でまず、イメージさせた後、正解を発表します。乗り物・動物・スポーツなどテーマを決めて調べてみてください。授業に使えるなるほど手話をたくさん発見できると思います。
※手話は形や動き以外にも「歴史」や「地理」などが由来となっているものもあるようです。
■曖昧さの許されるプロトコルである
手話もお互いが理解していなければ通信できないことから、通信規約すなわちプロトコルとみなすことができます。ただ、手話は手だけで表現するのではありません。表情、口の動きなど様々な要素も合わせて使われます。同じプロトコルというとらえ方で点字と比較してみるとかなり曖昧さの許されるプロトコルと言えるかも知れません。(→
点字に学ぶ情報の符号化)
■プレゼンテーションである
プレゼンテーションの授業では必ず簡単な自己紹介の手話をやってみせます。
・まず、相手の顔を見なければいけません。
・そして、アイコンタクトをとる必要があります。
・伝えるべき内容をコンパクトにまとめましょう。
・伝えながら相手の表情にも気にかけます。
このように手話にはプレゼンテーションに必要な要素がぎっしりと詰まっているのです。よく授業でプレゼンさせると聞き手に背中を向け、スライドの方ばかりを見て話す生徒がいますが、手話でそんなことをしたら伝わるはずもありません。
■無線LANである
手話を習っている生徒の教室に行くと、あちこちで手話による会話をしている光景がみられます。その生徒達が聴覚障害者という訳ではありません。手話が便利だから使っているのです。
例えば離れたところにいて会話ができなくても、手話であれば意思疎通が可能です。授業中先生が説明していても、手話であれば教室の端と端とで「音のないのおしゃべり」をすることもできます。
ただし、気を付けなくてはいけません。そこでやりとりされるデータは他のクラスメイトにも筒抜けなのです。手話はまさしく暗号化されていない無線LANと同じなのです。