きりいけんじ

もう何も戻らない。

俺は失敗したんだよ。

そんなものは全て幻、現実には起こらなかった。 31歳彼女いない歴＝年齢、友達ゼロ、田舎暮らし、家族以外との交流なし、ほとんど職歴なしの無職。それだけが現実。 現実と向き合わなきゃ。

ブラック企業に騙されなければ、今も俺は東京にいて、付き合いの長い友達たちと過ごすわくわくする日々がそのまま続いていただろうと思うと悔しくなる。 仕事が終わったら楽器持って集まって、飯食って酒飲んで、誰かの家で麻雀しながら好きな人の話をして、週末はドライブ行って…そんな日々が。

社会人になってからあまりにつらいこと、めちゃくちゃなことが沢山起きて、とにかく必死だった。 この10年に起こったことのインパクトが大きすぎて、学生時代のことをほとんど思い出すことがなかったけど、まいにち明日は何があるんだろうってわくわくしてた日々も確かにあった。

もう10年くらい友達はひとりもいないし、好きな人も6年くらいいない。 当たり前にあったものがなくなって、まだ心の準備ができないうちに大人になって、日々の輝きもわくわくもいつの間にか消えて何もない道を一人で歩くだけになっていた。

友達と毎日夜遅くまでくだらない話してたこともあった。 放課後の教室や、日の沈んだ後の海辺や、誰かの家で。 クラスの誰がかわいいだとか、好きなバンドの新曲がどうとか、他にも色んな話してたと思うけど、ほとんど覚えてない。 そんな日々がずっと続くと思ってたし、友達はいて当たり前だった。

まだ若いころ、好きな人がいると毎日がわくわくしてた。 視界に入るだけで1日幸せだったし、少しでも会話できたら後から何度も思い返した。 彼女はいちどもできなかったけど、そういう日々はあった。

まだこれから楽しいことがあるのかな

31歳からでも人生やり直せるのかな

寂しいねえ

ラジオから初めて聴くけど聞き覚えのある懐かしい曲が流れてきた。 10代のころすごくはまっててコピーバンドもやってたバンドの新曲だった。 途中でメンバー脱退などあって方向性おかしくなり、10年くらい聴いていなかったけど、いい曲だった。 色んな思い出や記憶がばーって蘇ってきた。

最近radikoでラジオ流してることが多いんだけど中学生の恋愛相談のお便りが読まれて涙が止まらなかった

終わりだ

ブラック企業に当たりまくって仕事辞めまくって引っ越ししまくって面接受けまくってきたから、仕事辞めた際の社会保険の手続きとか確定拠出年金のあれこれとか引っ越しのコツとか履歴書の書き方や面接対策とか労基法とかめちゃくちゃ経験値積んで詳しくなった。 こんなこと詳しくなりたくなかった。

人生で一度でも、それがたとえ小学生時代の戯れだとしても、人から好意を向けられたことがあれば俺も胸を張れる。 だけど、それすらない。 どんな犯罪者でも必ず妻や恋人がいる（いた）ように思う。 誰からも愛されない人に寄り添ってくれる小説や映画をご存知な方は是非教えて下さい。

日本やヨーロッパの古典文学を読んでいても愛の大切さ、尊さを描いているものが多い。 それだけ昔から変わらず普遍的なテーマであり、多くの人が納得し共感する事象なのだと思う。だからこそ当時ヒットし、現代まで語り継がれた。 じゃあ人生で一度もひとりからも愛されない俺は何なんだ。

仕事より愛が大事、最後に愛が勝つ、どんな生活でも大切な人さえいれば幸せ。 文学部出身の俺は多くの小説、映画、ドラマ、戯曲から愛の大切さを学んだ。 じゃあ人生で母親以外の異性からたった一度も好意を向けられたことがない俺の人生はなんなんだ。 と、自問自答しているが答えは見つからない。

なんで生きてるんだろ

朝か