まるで「小さなゴルフ」、VW『ポロ』は月間1000台が売れている隠れたベストセラー
1975年に初代モデルが発表された『ポロ』は、VWのBセグメントコンパクトカーだ。ヨーロッパはもちろん、南米、アジア、アフリカと幅広い地域で生産・販売され、その販売台数は累計1400万台を超える。
日本市場でも月間1000台をコンスタントに販売する隠れたベストセラーモデルで、“初めての輸入車”として選ばれることも多い。とりわけ目立つのは女性人気の高さで、じつにその過半数を女性ユーザーが占めるという。
最大の特徴は、コンパクトカーでありながら、上級車種を凌駕する走行性能や機能、高い質感の内外装を持つこと。特に5世代目となった先代モデル(6R/6C型)からその傾向が強くなった。もはや「小さなゴルフ」と呼んでも差し支えないほどだ。
フルモデルチェンジを受け、11月の東京モーターショー2017でジャパンプレミアをはたした6代目『ポロ』も、当然、その伝統を受け継いでいる。
これがVW流! Bセグメントコンパクトカーとして初めてフル液晶メーターを採用
新型『ポロ』のボディは、全長4053mm×全幅1750mm×全高1446mmと、先代もよりも81mm長く、69mm広く、7mm低くなった。ぱっと見ただけでは『ゴルフ』と見間違えてしまうほどに重厚だ。
しかし、水平基調のフロントマスクやサイドに描かれた鋭い2本のトルネードラインが、『ゴルフ』よりもカジュアルで軽快な印象を与える。同時に「新たなポロらしさ」も印象づけている。
インテリアでは、『ザ・ビートル』のようなボディ同色となったパネルが目を引く。デジタル化とコネクテッド化に合わせ、インフォテイメントのディスプレイがセンター上部に設置されたこと、フル液晶メーター「アクティブインフォディスプレイ」がオプションで採用されたこともニュースだろう。
ちなみに、フル液晶メーターの採用は、Bセグメントコンパクトカーでは『ポロ』が初となる。上級車種の機能や装備をいち早くコンパクトカーに採用してライバルをリードするのが“フォルクスワーゲン流”だ。
また、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」が渋滞対応型になったほか、駐車場からバックで出るときに後方の危険を知らせる「リヤトラフィックアラート付きブラインドスポットディテクション(後方視覚検知機能)」や「パークアシスト(駐車支援機能)」などが新たたに採用された。
上級車種と同等の先進安全運転支援システムを搭載する点も、新型『ポロ』ならではの特徴といえる。
新型『ポロ』のエンジンは7種類、日本仕様は1.0Lターボ+7速DSGからスタート
グレードは、従来からの「トレンドライン」「コンフォートライン」「ハイライン」「GTI」に加え、『パサート』『アルテオン』で展開されるスポーティな「Rライン」が新たに設定された。また、先代モデルで限定車として登場したオーディオ機器ブランド「beats」とのコラボモデル、「Polo beats」もラインナップされている。
エンジンバリエーションは、1.0Lの自然吸気、1.0Lターボ(最大出力95psと同115ps)、1.6Lディーゼルターボ、天然ガス仕様の1.0L、そしてGTIの2.0Lターボの計6種類を設定。このうち、日本へは、95psの1.0Lターボと7速DSGの組み合わせから導入される。
価格は209.8万円~。『ポロ』は“クルマがわかる大人の男”のセカンドカーだ
新型ポロの国内価格は「トレンドライン」の209.8万円から。まずは「トレンドライン」「コンフォートライン」「ハイライト」の3グレードが発表された。
「コンパクトカーに200万円?」と思う人もいるかもしれない。しかし、実際に『ポロ』に乗ってみれば、国産コンパクトとはまったく別次元のクルマであることが、すぐにわかるはずだ。
女性ユーザーの多いクルマだが、『ポロ』は大人の男性の日常の足としても十分な走りと機能と質感を備える。“クルマがわかる大人の男”のセカンドカーとしても、積極的におすすめしたい。
Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Volkswagen AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)