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第17回 | フォルクスワーゲンの最新車デザイン・性能情報をお届け

VWジェッタ──ゴルフのセダン版は日本へ来るのか?

フォルクスワーゲン(VW)といえば、まず『ゴルフ』が頭に浮かぶことだろう。それもそのはずだ。1974年のデビュー以来の累計販売台数は、3331万2123台(2016年末時点)。世界中で40秒に一台が売れている最も成功した欧州車で、Cセグメントハッチバックのベンチマークとなっている。その『ゴルフ』をベースにしたセダンが『ジェッタ』だ。日本ではなじみがないが、1979年にデビューした歴史あるモデルである。その『ジェッタ』の最新モデルが、年初のデトロイトモーターショーで発表された。

初代から5代目まで日本でも販売されていたVW『ジェッタ』が7代目へと進化した

初代『ジェッタ』のデビューは1979年。初代『ゴルフ』、いわゆる『ゴルフⅠ』をベースに製造され、1981年には日本市場にも導入されている。

その後も日本で販売されていたのだが、初代と2代目は『ジェッタ』、3代目は『ヴェント』、4代目は『ボーラ』、5代目は再び『ジェッタ』と名を変えてきたので、あまり存在が認識されなかったのかもしれない。

ちなみに、6代目『ジェッタ』は日本未導入である。とはいえ、北米を中心にして、ヨーロッパや中南米では好調なセールスを記録しており、『ゴルフ』には及ばないが、初代からの累計生産台数は1700万台に到達する。

2018年1月のデトロイトモーターショーで発表された新型『ジェッタ』は7代目にあたる。

メインの北米マーケットを意識したような7代目『ジェッタ』の大胆なエクステリア

7代目『ジェッタ』は、『ゴルフⅦ』から用いられている次世代プラットフォーム「MQB」を採用。流行のショートオーバーハング、ロングホイールベースで、全長×全幅×全高は4702×1799×1459mm、ホイールベースが2686mmとなった。

これは先代よりも全長が43mm長く、全幅は21mm広く、全高は6mm高い。そして、ホイールベースは35mm伸びている。ボディサイズの大型化は室内のゆとりにつながり、より快適な移動が可能となった。

エクステリアはフロントマスクを刷新。ボディにはクーペを思わせる流麗なデザインを採用している。大きなフロントグリルとシャープラインを組み合せることで、メイン市場である北米で受けそうな大胆なキャラクターへと進化した。

また、アルミホイールやクローム、LEDライトなどを採用したことで、プレミアムな雰囲気も加味されている。

内装は、高品質のソフトタッチ素材と新しい台形のデザインエレメントが特長で、高級でモダンな雰囲気を醸し出す。コックピットはドライバーファーストだ。インフォメーション画面はダッシュボードの高さに設置されており、すべての車両情報にアクセスしやすくなった。

新型『ジェッタ』の価格は200万円弱、日本で発売されればお手頃な一台になる!?

パワートレインは1.4L直列4気筒ターボの直噴TSIエンジン。最大出力は約147ps、最大トルク約250Nmを発揮し、トランスミッションには新開発の8速ATが組み合わされた。

安全運転支援システムでは、前方衝突警告と自動ブレーキ 、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、ハイビームコントロール、レーンアシストなどが搭載されている。

北米での発売は2018年第2四半期で、「S」「SE」「SEL」「SELプレミアムトリム」「Rライントリム」といったグレードが展開される予定だ。価格は1万8545ドル(日本円で約197万円)からとされている。現時点では日本市場への導入はアナウンスされていない。

日本での存在感は薄いモデルだが、北米ではすでに320万台を超えるヒット作となっている。VWライナップのなかでも、世界での存在感は大きい。もし導入されれば、価格も手頃なので、狙い目の一台になりそうだ。

Text by Tsukasa Sasabayashi

Photo by (C) Volkswagen AG

Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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第29回 | フォルクスワーゲンの最新車デザイン・性能情報をお届け

ゴルフ誕生45周年──史上もっとも成功した欧州車の秘話

フォルクスワーゲンは、アウディやポルシェなどを含めたグループ全体の販売台数がおよそ1083万台に上る世界最大の自動車メーカーだ。「Volkswagen」という社名は、ドイツ語で「国民車」を意味する。その業績を支えているのは、「世界一の小型車」といってもいい『ゴルフ』。デザイン、エンジン、走り、あらゆる部分で完成度が高く、ヨーロッパのCセグメントの頂点に君臨し続けている。その『ゴルフ』が誕生45周年を迎えた。

もっとも成功した欧州車。世界中で誰かが40秒に1台、『ゴルフ』を購入している!

初代『ゴルフ』がドイツ・ヴォルフスブルク工場で量産を開始したのは、1974年3月のことだ。以来、今日までに販売した台数は3500万台以上。この数字を計算すると、世界中で誰かが40秒に一台、『ゴルフ』を購入していることになるという。ゆえに、「史上もっとも成功した欧州車」とされている。日本国内でも依然、高い人気を集めている。

メイン写真が初代の『ゴルフI』。50代以上には、いまだにこの初代モデルのイメージが強い人もいるのではないか。下の写真は1991年に発表された3代目『ゴルフIII』だ。

ナチス政権による「国民車計画」で生まれた『ビートル』の後継モデルとして誕生

フォルクスワーゲンは、戦前にナチス政権による事実上の国策企業として設立された自動車メーカーだ。アドルフ・ヒトラーは「国民車(フォルクスワーゲン)」計画を提唱し、それに従い、かの有名なフェルディナント・ポルシェが先進的なメカニズムをもつ流線型の小型車を開発した。そのクルマがのちの『タイプ1』、つまり『ビートル』である。

『ゴルフ』は、この『ビートル』の後継として開発されたハッチバック型のコンパクトカーだ。デザインを担当したのは、あのジョルジェット・ジウジアーロ。しかし、当時は『ゴルフ』が生産台数で『ビートル』を凌ぐほどの人気モデルになるとは、誰も考えていなかったに違いない。下の写真は、1997年に発表された4代目、『ゴルフIV』だ。

フォルクスワーゲンが明かしたビッグニュース。今年10月に新型『ゴルフ』が登場

フォルクスワーゲンは、5月にドイツで開催した年次株主総会において、ビッグニュースを明らかにした。今年10月に、8代目となる新型『ゴルフ』を初公開すると発表したのだ。同社が公開したティザースケッチを見ると、外観上は現行モデルと大きく変わっていないが、次期モデルは新開発の48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載されるという。

『ゴルフ』のキャッチフレーズは、「『ゴルフ』を超えるのは、いつも『ゴルフ』」。モデルチェンジをしても、きっと『ゴルフ』は「世界一の小型車」であり続けることだろう。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Volkswagen AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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