レクサスのスポーツクーペ『RC』『RC F』が一部改良を受けて2018年モデルに進化
『RC』『RC F』は、2014年に誕生したレクサスのクーペモデル。スポーティなデザインや優れた走行性能により、レクサスの「エモーショナルな走り」のイメージを牽引している立役者である。デビューから1年ごとに一部改良を繰り返し、2017年11月にも最新のマイナーチェンジを実施し、さらなる進化を遂げた。
ライナップは、『RC』が『RC350』『RC300h』『RC300』の3モデルで、それぞれベースグレードのほか、ラグジュアリーな佇まいの「version L(バージョンL)」とスポーティなモデルの「F SPORT(Fスポーツ)」といったグレードが準備されている。
ちなみに、『RC300』はレクサスのターボエンジン搭載ラインアップを充実させるため、『RC200t』から名称が変更された(メイン写真と下の写真は改良前の北米仕様『RC350』)。
高性能スポーツに与えられる「F」の名を冠した『RC F』は、ベースグレードのほか「Carbon Exterior package(カーボン エクステリア パッケージ)」が設定されている。
目立った変更点は、予防安全パッケージ「レクサス セーフティ システム+」の標準設定だ。
歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱による事故の予防に貢献する「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付)」、夜間における歩行者の早期発見に寄与しロー・ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」。さらに、設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できる「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」により安全運転支援を強化した。
レクサス『RC350』はプレミアムセダンの『GS』に採用される新エンジンを搭載
次に心臓部の変更を見ていこう。『RC350』に搭載した3.5L V6エンジンは、レクサスのプレミアムセダン『GS』にも採用されている新型エンジン「2GR-FKS」が搭載された。
一方、『RC300h』は従来通り、2.5L 直4エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド仕様。『RC300』には、2.0L直4ターボが搭載されている。『RF C』は従来と同じく、5.0L V型8というモンスターエンジンを搭載している。
心臓部のパワーを走りに昇華するテクノロジーでは、これまで「エコ」「ノーマル」「スポーツS」「スポーツS+」から構成されていた「ドライブモードセレクト」に「カスタム」を新設定。パワートレーン、シャシー、空調の各制御の組み合わせを自由に選択可能とすることで、ドライバーの嗜好に応じた走りを実現している(下の写真は改良前の北米仕様『RC200t』)。
黒にトータルコーディネートされた特別仕様車『Fスポーツ プライム ブラック』
今回のマイナーチェンジでは、『RC』の特別仕様車も発表された。それが『F SPORT Prime Black(Fスポーツ プライム ブラック)』だ。ベースは『F SPORT』で、『RC350』『RC300h』『RC300』の全モデルで展開されている。
外板色をグラファイトブラックガラスフレーク、内装色を専用のブラック&オレンジステッチとし、ブラックを基調とした特別装備を採用。
さらに、漆黒メッキのスピンドルグリルフレーム、マットクリア塗装の19インチアルミホイール、ブラックステンレスのウインドウモール、本杢(希少で美しい木目模様)を職人がひとつずつ墨色に仕上げたステアリングホイールやオーナメントパネルなど、ブラックにトータルコーディネートすることで、『RC』のスポーティさを際立たせた。
価格は530万円から1060万円、ステアリングを握れば若き日のやんちゃ心が蘇る
消費税込みの価格は、『RC350』が608万6000〜690万2000円、『RC300h』が574万〜638万円、『RC300』が530万〜594万円。『RC F』は982万4000〜1059万4000円となっている。
特別仕様車は、『RC350 Fスポーツ プライム ブラック』が708万円、『RC300h Fスポーツ プライム ブラック』が654万円、『RC300 Fスポーツ プライム ブラック』が610万円だ。
『RC』は、ラグジュアリーさとスポーティさを兼ね備えている。落ち着いた大人の男に似合うクルマだが、ステアリングを握るとやんちゃな心が甦る。若々しい気持ちを持ち続けるカーガイならば、惹きつけられてしまう一台だ。
Text by Tsukasa Sasabayashi
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)