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【野球】

堀田ありさ、初開幕投手で手応え 女子プロ野球の愛知ディオーネ

2019年6月8日 紙面から

ピンチをしのいで笑顔でベンチに戻る堀田=愛知県一宮市営球場で(志村拓撮影)

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 日本女子プロ野球リーグの愛知ディオーネの堀田ありさ投手(22)=岐阜県関市出身=が、2日に開幕した夏季リーグ戦で3年目にして、初めて開幕投手を務めた。6回途中(7イニング制)3失点。チームも2-3で京都フローラに敗れたが「ピンチの連続でも踏ん張れた。今後につなげたい」と手応えも。まずはチーム、そして日の丸のエースを目指して進化を続ける。

 すべてのイニングで走者を得点圏に背負いながら、粘りに粘った。堀田は愛知県一宮市営球場での開幕戦、春季リーグ戦を制した京都フローラを相手に、5イニング2/3で12安打を浴びながら3失点。右腕からの120キロ台前半の直球と多彩な変化球を低めに集め、接戦を演出してみせた。

 「やります。自分が出したランナーなんで」

 6回は志願の続投だった。2死から出塁を許し、上位打線に左が続く場面。ブルペンでは左投手が準備万端の中、マウンドに歩み寄った碇(いかり)美穂子監督(31)に強気に言い放った。

 最後は94球目を中前に運ばれ、勝敗を分けた3点目を奪われて降板。「途中まで最少失点で踏ん張れたけど、どんな形でも抑えてチームを勝たせるのが役目だった」と悔しがったが、地元ファンからの拍手が、若きエース候補の粘投への何よりの評価だった。

 野球のプレー環境がなかった関商工高時代には、ソフトボール部員ながらプロテストを受けた異色の経歴の持ち主。当時は不合格だったが「まだ野球をあきらめたくない、燃え尽きていない事をアピールしたかった」と野球愛は人一倍だ。

力投する堀田

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 至学館大短大から、2017年にディオーネ入り。女子W杯3大会連続MVPの大黒柱・里綾実投手(29)の影に隠れていたが、今年の春季に1・53と防御率1位を記録。開幕戦を託した指揮官が「大きく育って、新時代を担ってほしい」と期待するように、大器が存在感を示し始めた。

 日の丸を背負う先輩と競う22歳にとって、エースを目指す道のりは「周りからそう言ってもらえるには、勝つしかない」と始まったばかり。まずは夏季初勝利、そしてチームをリーグ制覇に導くことが第一歩になる。 (志村拓)

 ▼堀田ありさ(ほった・ありさ) 1996(平成8)年12月30日生まれ、岐阜県関市出身の22歳。169センチ、右投げ右打ち。同市田原小1年から野球を始め、同市桜ケ丘中では野球部初の女子部員として、投手と捕手を兼任した。持ち球は直球、カーブ、スライダー、カットボール、スプリット、シュート。プロ通算5勝5敗1セーブ1ホールド。

 

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