巨人は0-2の4回に若林のプロ初本塁打の2ランで追い付き、5回に岡本、大城の連続適時打で2点を勝ち越した。メルセデスが6回途中2失点で5勝目。中川が9回を1点でしのいだ。ロッテは再三の好機を生かし切れなかった。
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伏兵の一撃が逆転勝利を呼び込んだ。巨人の若林が4回2死一塁で右翼ポール際にプロ初アーチとなる同点弾。内角の真っすぐをきれいに振り抜き、「1球で仕留めることだけ意識していた。良い形で打てた」。一塁を蹴りながら右拳を握り、喜びを爆発させた。
桐蔭学園高、法大、JX-ENEOSを経てドラフト6位で入団した2年目。かつて大洋でプレーした父・憲一さんの指導で両打ちをマスターし、「父が基礎から教えてくれた。コンパクトに振って常に低い打球を打つ。小さいときから言われてきて、今に生きている」と感謝した。「ホームランを打つタイプではないので」と照れたが、通算1号の父に並ぶ親子本塁打で恩返しした。
プロ初先発した前夜はプロ初打点となる先制打。原監督は「非常に切れ味がある。2試合続けて殊勲者。見事でした」と“孝行息子”の出現に大喜びだ。
内野の複数ポジションを守る役回りが重なる、同学年の山本、田中俊らの活躍を横目に2軍で研さんを積んできた25歳。「今回チャンスをもらって、ダメだったら終わりぐらいの覚悟で臨んでいる」。連夜の殊勲打でライバルたちに挑戦状をたたきつけた。 (小林孝一郎)