高齢ドライバーによる重大事故が多発している中、歌手で俳優の杉良太郎(74)が7日、東京都品川区の鮫洲運転免許試験場で、運転免許証を自主返納した。報道陣を前に「事故で人を死なせてしまったら取り返しが付かない。返納を考えるきっかけになってくれたらと思う」と話した。
70歳のときに受けた免許更新の講習で「目や手の反応が若い頃と違う」と感じたのがきっかけで「次は返納しよう」と決めた。4月に東京・池袋で母子2人が死亡した高齢者の暴走事故などを受け、75歳になるのを前に決断したという。
「高齢になると数年のうちに体調の変化がある。更新時には大丈夫でも、1~2年たつと、そこが落とし穴になるのでは」と分析。最近は東京都内では運転しないが、別荘のある青森県内で買い物のためハンドルを握ることがあったそうで「車がないと不自由な高齢者が大勢いる。返納してとは呼びかけづらいが、反応が鈍いなと感じたら人を傷つけないうちに返すのが賢明かと思う」と語った。
警察庁によると、昨年75歳以上の免許返納者は29万2089人で過去最多を更新。警視庁によると、今年は池袋の事故後に東京都で返納が急増。5月は5759人で、統計を始めた2014年以降、月間最多となった。