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第39回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

BMW C400X──これぞ愉しく快適な新しいスクーター

かねてより噂のあったBMWモトラッドの『C400X』がEICMA(ミラノモーターサイクルショー)でお披露目された。先に発売されている『C600』『C650』とはまた違った、都市部を愉しく走るための快適装備が満載されているミドルスクーターだ。単なる移動手段としてだけではない、「新しいスクーターの乗り方」を提案するモデルといえるかもしれない。

新型ミドルスクーター『C400X』は、普通二輪免許でも乗ることができる初のBMW

「Cシリーズ」は、BMWモトラッドのスクーターファミリーに位置付けられている。ラインナップは、マキシスクーターの『C650スポーツ』『C650GT』、そして電動スクーターの『Cエボリューション』。特に『C650スポーツ』と『C650GT』は、都市型モビリティとして新しいカテゴリを確立したモデルだ。

ここへ新たに加わったのが、『C650スポーツ』『C650GT』をさらに進化させ、中型スクーターセグメントのプレミアムモデルとして登場した『C400X』である。

エンジンは350ccのSOHC4バルブ単気筒で、最高出力は25kw(34hp)/7500rpm。駆動はCVT(コンティニューアスリー・バリアブル・トランスミッション=無段変速機)を採用。アンダー400ccなので、日本では「普通二輪免許で乗れるBMW初のスクーター」ということになる。

驚くのは、ASC(オートマチック・スタビリティ・コントロール=空転制御)とABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を標準装備すること。このクラスのスクーターとしてはなんとも贅沢な仕様だ。

リアサスペンションはいわゆるユニットスイング式だが、新開発のベアリングの採用によってねじれ剛性と振動の軽減に成功している。

純正のシステムヘルメットと連動させれば、タンデムで走行しながらの会話も可能

『C650スポーツ』『C650GT』との違いは、『C400X』が目的地に素早く移動することではなく、快適かつ愉しく移動することをコンセプトとしている点だ。

なかでも注目すべきは、多機能計器クラスタと呼ばれるメーターパネルである。6.5インチのTFTスクリーンには車体速度やエンジン回転数といった情報はもちろん、トリップ、水温・燃料の残量、バッテリー電圧、また、設定によって走行環境、ナビゲーション、メディア、電話の使用(スマートフォンとの連動)が選べる。

さらに、BMW純正のシステムヘルメットと連動させればナビゲーションの音声が流れ、MP3メディアを通じて音楽も愉しめる。パッセンジャーと2人でシステムヘルメットを装着すれば、走りながらの会話も可能だろう。

BMWが公開している『C400X』の動画には、シート下のラゲッジスペースがリアタイヤ側にパカッと広がる様子が出てくる。なるほど、停車時のフェンダー下のスペースは通常空いたままだが、そこを利用するアイディアには関心するばかりだ。

BMW『C400X』の価格は90万円前後になる? 日本での発売は2018年春ごろと予想

スタイリングは現行のCファミリーを踏襲しており、近年のヨーロッパで主流となっている直線的ラインが取り入れられている。正面から見ると特徴的なカットのLEDヘッドライトは、ほかのメーカーのモデルとはっきりと区別でき、BMWとしての存在を主張する部分だ。

全長2200mm、全幅835mmのボディは、ミドルスクーターとしてはコンパクトな部類に入るだろう。特に775mmのシート高は、欧州仕様のままでも体格の小さい日本人ライダーにマッチしそうだ。車重は204kg、燃料タンク容量は12.8Lとなっており、航続距離も期待できる。

カラーは「アルパインホワイト」「メタリックブルー」の2色だが、イメージカラーは後者のブルーだ。価格はまだ欧州でも発表されていないが、大方の予想では90万円前後になると見られる。発売時期は未定。おそらく、日本導入は2018年の春ごろになるのではないだろうか。

Text by Koji Okamura

【お詫びと訂正】…当初の記事では<日本では「普通二輪免許で乗れる初のBMW」>と記述していましたが、正しくは<日本では「普通二輪免許で乗れるBMW初のスクーター」>の誤りでした。お詫びのうえ、訂正いたします。

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第62回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

最上級で贅沢なオープン──BMW 8シリーズ カブリオレ

初夏になると、クルマのルーフを開けてオープンエアを愉しみたくなる。しかし、この新型オープンモデルが似合う場所は、蒸し暑い日本の夏ではなく、地中海やマイアミの高級リゾート地なのかもしれない。それほどまでに、贅沢でエレガントなのである。昨年、じつに20年ぶりとなる復活を遂げたBMW『8シリーズ』。このフラッグシップクーペに今回、カブリオレが追加された。「最上級」という言葉がふさわしいオープントップモデルだ。

クーペの美しさと運動性能、オープンモデルならではの開放感や優雅さを兼ね備える

ヨーロッパの人々は太陽を浴びることが大好きだ。ほとんどのラグジュアリークーペには、当然のようにオープントップモデルが設定されている。昨年6月、ル・マン24時間レースにおいて、およそ20年ぶりに復活したBMW『8シリーズ』が発表されたときから、多くの自動車ファンはカブリオレの登場を予感していたことだろう。そもそも、BMWには開発当初からオープンモデルをラインナップに追加する前提があったに違いない。

BMW『8シリーズ カブリオレ』は、『6シリーズ カブリオレ』の実質的な後継となるオープントップモデルである。むろん、ベースは最上級クーペの『8シリーズ クーペ』。低く伸びやかなシルエット、美しいルーフライン、艶麗なリヤフェンダーの造形が醸し出す優雅さ。そうした官能的な個性が際立つ『8シリーズ クーペ』の美しいデザインと運動性能をそのまま受け継ぎながら、オープンモデルならではの開放感や優雅さを備える。

エクステリアでは、リヤホイールへの力感を表現するボディサイドのキャラクターラインが目を引く。さらに、キドニーグリルやデッキを取り囲むモールディングなどにクローム加飾をアクセントとして採用。専用の20インチ・マルチスポークホイールの繊細なデザインと相まって、クーペ以上に洗練されたラグジュアリーさを強く感じさせる佇まいだ。

滑らかな流線形を描く電動式ソフトトップ。シフトノブはなんとクリスタル仕立て!

ルーフは電動式のソフトトップで、エレガントなボディ造形にふさわしく、滑らかな流線形を描くように丸みを帯びたデザインとなっている。ルーフを閉じた状態でも、上質さや優雅さはまったく損なわれない。ルーフは時速50km/h以下なら走行中でも約15秒で開閉することが可能だ。ルーフオープン時もラゲッジルームは250Lの容量を確保する。

室内は、エクステリアと見事に調和した高級感をまといつつ、前後方向への意識を強調するように設計されているのが特徴だ。具体的には、乗員の視線が自然と前方へ向かい、走りへの期待感を煽るようなデザインとなっている。また、高い操作性を確保するためにスイッチ類をグループ分けし、ドライビングを妨げないポジションにわかりやすく配置した。

注目は非常に高い透明度のクリスタルで作られたシフトノブ。クラフテッド・クリスタル・フィニッシュを採用し、なかから数字の「8」が浮かび上がる仕様となっている。シートはベンチレーション付きの上質なメリノレザー。アンビエント・ライトを標準装備しているので、ラグジュアリーオープンモデルであることを乗るたびに感じさせてくれるだろう。

『8シリーズ カブリオレ』の加速性能はピュアスポーツカー並。価格は1838万円

搭載されるパワーユニットは、『8シリーズ クーペ』と同様の4.4L V型8気筒ガソリンエンジン。最高出力530ps/5500-6000rpm、最大トルク750Nm/1800-4600rpmを発生し、8速スポーツAT(ステップトロニック付き)を組み合わせる。0-100km/h加速は「8」の名にふさわしく、3.9秒を実現。これはピュアスポーツカーに匹敵する動力性能だ。

なお、ドイツ本国やヨーロッパでは上記のエンジンを積む「M850i xDrive」のほかに、経済的な3.0L直列6気筒ターボディーゼルエンジンを搭載する「840d xDrive Mスポーツ」も選べるが、日本国内で販売されるのは現時点で「M850i xDrive」のみとなっている。

価格は『8シリーズ クーペ』より124万円アップとなる1838万円。高価なうえに、これだけのラグジュアリーオープンが似合うロケーションは国内ではなかなか見当たらない。とはいえ、オープンエアの季節だけに、所有欲を強く刺激するのはたしかだろう。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) BMW AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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