アストンマーチン『DB11』に加わったV8エンジン搭載の最速最強コンバーチブル
以前からその存在がメディアにリークされ続け、デビューが待ち望まれていた『DB11 ヴォランテ』が、ついにそのベールを脱いで正式発表された。
ベースモデルは『DB9』の後継にあたる『DB11』だ。もちろん、『DB9』にも「ヴォランテ」は設定されていた。
『DB11』には、V12エンジンのモデルとV8エンジンのモデルがライナップされているが、『DB11 ヴィオランテ』はV8エンジンのみの設定である。このV8エンジンは、メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスカー部門であるメルセデスAMG製で、最大馬力503ps、最大トルク70.9kg・mを発揮する。
このエンジンの潜在能力は、パワートレイン&シャシーモードが余すことなく引き出す。パドルシフトを備えた8速AT、電動パワーステアリング、ダイナミック・トルク・ベクタリングの機能を備えたLSD(リミテッドスリップデフ)も連動してプログラムを調整し、アストンマーチンらしい躍動感ある乗り味となっている。
贅沢な天然素材を用いた『DB11 ヴォランテ』の見せつけたくなる上質インテリア
コンバーチブルにとって、インテリアはエクステリアの一部といっても過言ではない。そういった意味で、『DB11 ヴォランテ』は贅沢な天然素材、最高レベルのクラフトマンシップに溢れ、見せつけたくなるインテリアだ。
使い勝手では、『DB9』と比べてドアの開口部が広くなり、フロントシートではヘッドルームが10mmほど拡大。後部座席はヘッドルームが54mm、レッグルームが87mmも広くなり、実用性のある2+2となっている。トランクも、ソフトトップ自体のコンパクト化に成功したことで、容量が20%アップした。
特別な天候実験室で10万回以上の耐久試験をクリアした『ヴォランテ』ソフトトップ
エクステリアは、『DB11』に準じる。印象的なグリルやクラムシェルボンネットがアストンマーチンらしい流麗な上品なフロントマスクを生み出している。
リアスタイルでは、リアスポイラーの排除が特徴的だ。これは、エアフローを抑制して安定性を強化した「アストンマーティン・アエロブレード」によるもの。まさに「機能が美を作り上げる」といったところだろう。
コンバーチブルモデルの肝でもあるルーフに採用されたのは、流行のメタルトップではなくソフトトップ。これは、ルーフを閉じている状態でも洒落た印象を与えるためだという。
素材はファブリック。乱暴に言えば布地だ。といっても、そこはただの布であるわけがない。吸音性や遮音性に優れた8層構造のソフトトップは、特別な天候実験室で10万回以上に渡たって開閉させる耐久試験をクリアした逸品だ。
ちなみに、この天候実験室は現実世界で10年分に相当する経年変化を1カ月に短縮して再現することができる。その結果、アメリカのデスバレーや北極圏などでのテストでも、高い性能と信頼性を立証できたそうだ。
『DB11ヴォランテ』のデリバリーは2018年前半、日本での価格は2500万円前後?
ソフトトップのカラーは、「ボルドーレッド」「ブラックシルバー」「グレーシルバー」の3色。オープンに要する時間は14秒、クローズドは16秒ほどで完了し、50km/h以下であれば走行中でも操作可能だ。また、リモートでも開閉できる。
価格は、イギリスでは15万9900ポンド(約2385万円)、ドイツでは19万9000ユーロ(約2636万円)、アメリカでは21万6495ドル(約2468万円)となっている。
最初のデリバリーは2018年の第1四半期に始まる予定とのことだ。日本でのデビューは未定だが、各国での価格と『DB11』の価格から考えると、2500万円前後になるのではないだろうか。
Text by Tsukasa Sasabayashi