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第13回 | ルノーの最新車デザイン・性能情報をお届け

ヴァカンスを愉しむためのSUV──ルノー カジャー

フランス人のヴァカンスは長い。そして彼らは、そのヴァカンスで500〜1000km離れている地中海やアルプスにまで足を伸ばし、多種多様なアクティビティを愉しむ。そうなると、家族の移動にはCセグメント以上のSUVが最適だ。2018年1月から日本でも販売が開始されるルノー『カジャー』は、そんな“アクティビティヴァカンス”を愉しむ人のために開発されたCセグメントの新型SUVである。今回紹介する『カジャーBOSE』は、日本に本格導入される前にいち早くこのクルマを知ってもらうべく設定された100台の限定モデル。その名が示す通り、BOSE製オーディオを標準搭載したローンチエディションだ。

本格オフローダーとクーペライクなSUVの中間に位置する『カジャー』のデザイン

最近のSUVのスタイリングは、本格的オフローダーのような無骨なデザインのモデルとクーペのようにスタイリッシュなボディラインを描くモデルのどちらかというのがトレンドだが、『カジャー』はその中間にあたるようなスタイリングを持つ。

コンパクトSUVの『キャプチャー』をサイズアップし、最新のルノーデザインを採用しながら、隆起とくびれを強調するかのようなグラマラスなボディラインが特徴だ。特に、上下に厚い作りは実用性の高さを感じさせる。

ほかにも、19インチホイールやボディ下部全周をカバーするアラウンドボディプロテクター、ルノーデザインを象徴するCシェイプのLEDデイタイムランプなどがエクステリアに精悍さを与えている。リアにもフロントと共通デザインのLEDランプが採用された。

最低地上高200mm、18度のアプローチアングル、28度のデパーチャーアングルも、走破性が必須となるSUVにふさわしいダイナミックなフォルムだ。

コンサートホールのような音の広がりを実現する『カジャーBOSE』の音響システム

インテリアはスポーティかつ上質で落ち着いた雰囲気にまとめられている。メーターフードにはダブルステッチが施され、ダッシュボード上部を囲むベゼルにはシルバー、センターコンソールの両脇にはサテンクロームが配された。

装備面では、メーターパネルにフルカラーTFTのプログラマブルディスプレイを採用。インストルメントパネルの中央には7インチのマルチファンクションタッチスクリーンを備え、オーディオや車両機能の操作や設定ができるコントロールシステムの「ルノー R-Link2」を装備した。もちろん、Android AutoやApple CarPlayといったスマートフォンとの連携も可能である。

実用性が求められるCセグメントのSUVだけに積載性能も十分だ。ラゲッジルームの容量は527Lで、リアシートを折りたためば1478Lというセグメント最大級の大容量を実現する。

ハイライトは、モデル名にもなっているBOSE製オーディオだ。『カジャーBOSE』専用に設計されたサウンドシステムは、どこにスピーカーが設置されているかわからないほどの音の広がりにより、コンサートホールのような音響を再現する。目的地まで車内で過ごす時間を単なる移動としない点も、アクティビティヴァカンスをコンセプトとするこのクルマならではの心配りだろう。

『カジャーBOSE』の運転支援機能が一緒にヴァカンスを過ごす家族の安全を確保する

パワートレインは、1.2L直噴ターボガソリンエンジン、1.5Lと1.6Lのディーゼルエンジンの3タイプをラインナップ。ただし、日本導入モデルは1.2Lガソリンエンジンのみの設定だ。

エンジンそのものは『キャプチャー』と同型だが、最高出力は『キャプチャー』から13psアップの131psに高められた。『カジャー』は車重1420kgとSUVとしては比較的軽量なので、十分に軽快な走りを愉しめるだろう。

トランスミッションはマグナシュタイヤー製の7速EDC(エフィシェント デュアル クラッチ)。一般的にDCT(デュアル クラッチ トランスミッション)と呼ばれるもので、ワインディングでは小気味よく、高速クルージングはゆったりとエコにこなす。ルノーは昔から足回りの良さに定評のある自動車メーカーで、乗り心地や快適性は折り紙付きだ。

運転支援や安全性能も充実している。ミリ波レーダーによる「エマージェンシーブレーキサポート」、超音波センサーによる死角の障害物を検知する「BSW:ブラインドスポットワーニング」、車線逸脱警報の「LDW:レーンデパーチャーワーニング」、「オートハイ/ロービーム」などを搭載。初めて走る道や土地に対するドライバーのストレスを軽減してくれる。

なかでも、「イージーパーキングアシスト」は、2台のカメラと12個もの超音波センサーが連動して駐車可能なスペースを探し出し、ステアリング操作も自動で行ってくれる優れものの自動駐車システムだ。これらの運転支援システムは「R-Link2」で設定や操作する。

ルノージャパンがルノー本社に交渉して獲得した日本人ユーザーのための限定100台

『カジャーBOSE』の価格は344万円(税込み)。ローンチエディションならではの仕様を考えると、これはバーゲンプライスではなかろうか。実際、この価格なら同クラスの国産SUVと比べても割高感は感じられない。

ボディカラーはホワイト系の「ブランナクレメタリック」のみの設定だが、1色だけという点がより限定モデルとしてのプレミア感を高めている。

限定台数は100台。これは、日本市場では2018年1月から販売する計画を立てていたルノー本社をルノー・ジャポンが説得して獲得した台数だという。つまり、限定100台の『カジャーBOSE』は、日本のユーザーに一刻も早く『カジャー』に乗ってほしいというルノー・ジャポンの心配りなのである。

これから迎えるクリスマスなどに「家族でアクティビティを愉しみたい」という人たちは、ディーラーに急いだほうがいいだろう。このルノーの新型SUVの限定モデルならヴァカンス先で大いに注目を集め、オーナーの所有欲を満たすことができるに違いない。

Text by Taichi Akasaka

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第21回 | ルノーの最新車デザイン・性能情報をお届け

EZアルティモ──ジュエリーのような観光地用タクシー

世界各国のモーターショーを見ていると、いま自動車業界で「電動化」「自動化」がトレンドになっていることがよくわかる。ヨーロッパのプレミアムブランドが発表するコンセプトモデルは、ほとんどが自動運転のEVだ。そのなかでも、まるでパリの宝飾店に飾られたジュエリーのように美しい自動運転EVを発表したのがルノーである。モデル名は『EZアルティモ』。このクルマ、観光地めぐりのための短距離移動EVなのだという。

アプリで呼び出す。個人やハイブランドに向けた短距離移動用のラグジュアリーカー

見てとおり、『EZアルティモ』は極めてスタイリッシュだ。ボディ素材にアルミを使い、サイドからリアにかけてルノーのエンブレムであるダイヤモンドのパターンをあしらっている。フロントセクションのデザインといい、近未来のクルマといった趣だ。

ルノーは、このクルマを短距離移動向けのラグジュアリーカーと位置づけ、パリの観光地めぐりなどを提案している。もう少し具体的にいえば、個人やハイエンドブランドによるホテルや空港への顧客輸送手段、また、裕福な人々の観光用モビリティとして使われることを想定しているという。パブリックな乗り物であるタクシーに近い形態かもしれない。したがって、スマートフォンアプリを操作して個人の送迎車として使用することも可能だ。

とはいえ、その低く長いスタイルはミニバンのユーティリティさとは異なる。写真で確認する限り、全高はヨーロッパの女性の胸の位置よりも低い。一方、全長はロールス・ロイス『ファントム』と同等の5800mmもある。利便性よりもデザインに徹したのだろう。

限定エリア内ならすべての操作が完全に自動化される「自動運転レベル4」を実現

スライド式のドアを開けると、室内はラウンジのような雰囲気で、乗員が向かい合って座るようになっている。大型のアームチェアと2人がけソファはベルベット仕上げ。フロアは寄せ木作りとなっている。座席が少ないのは少人数での移動を想定しているからだ。

ドライバーズシートは見当たらない。それでわかるように、『EZアルティモ』は「0」から「5」まである自動運転の技術到達度で、「レベル4」を実現する。これは限定エリア内において、緊急時を含めてすべての操作が完全に自動化されるということである。

航続距離は500km。一般のユーザーが日常使い用のEVを購入する際に許容できるギリギリの航続距離だ。広大な北米大陸なら実用的ではない。アプリを立ち上げて10kmだけ乗るような使い方を念頭に置いており、端から長距離移動は考えていないのだろう。

近い将来市販化されるのはライドシェアリング向けの6シーター車『EZゴー』から?

すでにルノーは『EZゴー』『EZプロ』という2台の自動運転EVコンセプトを発表している。前者はライドシェアリング向けの6シーター車、後者は配達車だ。少人数が短距離を移動するための『EZアルティモ』は、このEZシリーズの最上位モデルとなる。

市販化されるとすれば、まず『EZゴー』か『EZプロ』からだろう。しかし、その前に自動運転EVの技術を現行ラインナップや新たな乗用車に搭載するはず。いずれにせよ、宝飾品のような自動運転タクシーが実用化される未来がすぐそこまでやって来ているのだ。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Renault
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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