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第36回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

新型2シリーズ──マルニを受け継ぐコンパクトBMW

BMWのコンパクトクーペと聞くと、1960〜70年代の『02シリーズ』、通称“マルニ”を思い起こす人もいるかもしれない。特に『2002ターボ』は欧州車として初めてターボエンジンを標準搭載したホットなモデルで、当時のクルマ好きを熱くさせたものだ。このマルニの系譜を受け継ぐのが、2017年8月にアップデートを受けた今のBMWでもっともコンパクトな2ドアモデル、『2シリーズ』である。LCI(ライフ サイクル インパルス)によって、軽快な走りと使い勝手はそのままに、より上質な内外装と装備が与えられた。

クーペ、カブリオレ、高性能モデル、幅広い大人の需要に応えるBMW『2シリーズ』

BMW『2シリーズ』は、『1シリーズ クーペ』の後継モデルとして2014年に登場した新しいモデルだ。全長4440mm×全幅1775mm×全高1420mmのボディは『4シリーズ クーペ』よりもひと回りコンパクト。E46型と呼ばれる2世代前の『3シリーズクーペ』と同等のサイズといえば、想像しやすいだろうか。

ラインナップは、クーペとカブリオレの『220i』、6速MTも選べる『M240iクーペ』、そして最高出力272 kW(370ps)を発揮するハイパフォーマンスモデル『M2クーペ』。普段使いから本格的なスポーツドライビングを愉しみたい人まで、幅広い大人のニーズに応える。

日本でいうマイナーチェンジにあたる今回のLCIでは、フロントマスクなどエクステリアを中心に内外装を刷新。さらに、安全装備や機能装備の充実が図られた。

ライフ・サイクル・インパルスによって新デザインとなった『2シリーズ』の内外装

もっとも大きな変更ポイントはフロントマスクのデザインだ。“ヘキサゴナル・デザイン”と呼ばれる新世代のアダプティブLEDヘッドライトが採用され、BMWの象徴であるキドニーグリルの幅が広められた。

バンパー下部のエアインテークも拡大され、よりワイドに、かつスポーティな印象が強まっている。リヤ・コンビネーション・ライトもLED化されて立体的な新デザインとなったが、BMW伝統の“L字型”は健在だ。

インテリアも全体的に刷新された。モダンなハイグロス・ブラックのセンター・コンソールや新デザインのインストルメント・パネルを採用し、トリムにはクロームのパーツを配すなど、上質感が増している。

パネルの継ぎ目が最小限に抑えられているのは、車内をより広くワイドに見せるための演出だろう。HDDナビゲーション・システムにタッチパネルが採用されたことも新しい。

装備面では、これまでオプションだったアドバンスド・パーキング・サポート・パッケージと、運転席と助手席のフロント・シート・ヒーティングが標準装備となった(M2クーペを除く)。

また、『M240』と『M2クーペ』は「BMWテレサービス」や「BMWリモート・サービス」などが利用できる「BMWコネクテッド・ドライブ」も装備。『M2クーペ』には7スピーカー搭載のHiFiサウンド・システムが標準装備となり、室内空間をより快適にしている。

新型『2シリーズ』のバリエーションは全8タイプ、価格は503万円から827万円

新型『2シリーズ』のバリエーションは8タイプ。4気筒2.0Lターボエンジンの『220i』は、『220iクーペ スポーツ』『220iクーペ Mスポーツ』『220iカブリオレ ラグジュアリー』『220iカブリオレ Mスポーツ』の4タイプで、いずれも8速ATだ。

最高出力250kW(340ps)の6気筒3.0Lターボエンジンを搭載する『M240iクーペ』は、6速MTと8速AT。そして、最高出力272 kW(370ps)を発生する『M2クーペ』も、6速MTと8速ATの2タイプとなっている。

ひと口に『2シリーズ』といってもさまざまなタイプがあり、ラグジュアリー志向の『220iカブリオレ』とハイパフォーマンスモデルの『M2クーペ』では、そのキャラクターはまったく異なる。ドライバーのライフスタイルに合わせてモデルを選ぶことができるのも『2シリーズ』の魅力のひとつに違いない。

価格は503万円から827万円まで(いずれも税込み)。あなたなら、どの『2シリーズ』を選ぶだろうか。

Text by Muneyoshi Kitani

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第62回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

最上級で贅沢なオープン──BMW 8シリーズ カブリオレ

初夏になると、クルマのルーフを開けてオープンエアを愉しみたくなる。しかし、この新型オープンモデルが似合う場所は、蒸し暑い日本の夏ではなく、地中海やマイアミの高級リゾート地なのかもしれない。それほどまでに、贅沢でエレガントなのである。昨年、じつに20年ぶりとなる復活を遂げたBMW『8シリーズ』。このフラッグシップクーペに今回、カブリオレが追加された。「最上級」という言葉がふさわしいオープントップモデルだ。

クーペの美しさと運動性能、オープンモデルならではの開放感や優雅さを兼ね備える

ヨーロッパの人々は太陽を浴びることが大好きだ。ほとんどのラグジュアリークーペには、当然のようにオープントップモデルが設定されている。昨年6月、ル・マン24時間レースにおいて、およそ20年ぶりに復活したBMW『8シリーズ』が発表されたときから、多くの自動車ファンはカブリオレの登場を予感していたことだろう。そもそも、BMWには開発当初からオープンモデルをラインナップに追加する前提があったに違いない。

BMW『8シリーズ カブリオレ』は、『6シリーズ カブリオレ』の実質的な後継となるオープントップモデルである。むろん、ベースは最上級クーペの『8シリーズ クーペ』。低く伸びやかなシルエット、美しいルーフライン、艶麗なリヤフェンダーの造形が醸し出す優雅さ。そうした官能的な個性が際立つ『8シリーズ クーペ』の美しいデザインと運動性能をそのまま受け継ぎながら、オープンモデルならではの開放感や優雅さを備える。

エクステリアでは、リヤホイールへの力感を表現するボディサイドのキャラクターラインが目を引く。さらに、キドニーグリルやデッキを取り囲むモールディングなどにクローム加飾をアクセントとして採用。専用の20インチ・マルチスポークホイールの繊細なデザインと相まって、クーペ以上に洗練されたラグジュアリーさを強く感じさせる佇まいだ。

滑らかな流線形を描く電動式ソフトトップ。シフトノブはなんとクリスタル仕立て!

ルーフは電動式のソフトトップで、エレガントなボディ造形にふさわしく、滑らかな流線形を描くように丸みを帯びたデザインとなっている。ルーフを閉じた状態でも、上質さや優雅さはまったく損なわれない。ルーフは時速50km/h以下なら走行中でも約15秒で開閉することが可能だ。ルーフオープン時もラゲッジルームは250Lの容量を確保する。

室内は、エクステリアと見事に調和した高級感をまといつつ、前後方向への意識を強調するように設計されているのが特徴だ。具体的には、乗員の視線が自然と前方へ向かい、走りへの期待感を煽るようなデザインとなっている。また、高い操作性を確保するためにスイッチ類をグループ分けし、ドライビングを妨げないポジションにわかりやすく配置した。

注目は非常に高い透明度のクリスタルで作られたシフトノブ。クラフテッド・クリスタル・フィニッシュを採用し、なかから数字の「8」が浮かび上がる仕様となっている。シートはベンチレーション付きの上質なメリノレザー。アンビエント・ライトを標準装備しているので、ラグジュアリーオープンモデルであることを乗るたびに感じさせてくれるだろう。

『8シリーズ カブリオレ』の加速性能はピュアスポーツカー並。価格は1838万円

搭載されるパワーユニットは、『8シリーズ クーペ』と同様の4.4L V型8気筒ガソリンエンジン。最高出力530ps/5500-6000rpm、最大トルク750Nm/1800-4600rpmを発生し、8速スポーツAT(ステップトロニック付き)を組み合わせる。0-100km/h加速は「8」の名にふさわしく、3.9秒を実現。これはピュアスポーツカーに匹敵する動力性能だ。

なお、ドイツ本国やヨーロッパでは上記のエンジンを積む「M850i xDrive」のほかに、経済的な3.0L直列6気筒ターボディーゼルエンジンを搭載する「840d xDrive Mスポーツ」も選べるが、日本国内で販売されるのは現時点で「M850i xDrive」のみとなっている。

価格は『8シリーズ クーペ』より124万円アップとなる1838万円。高価なうえに、これだけのラグジュアリーオープンが似合うロケーションは国内ではなかなか見当たらない。とはいえ、オープンエアの季節だけに、所有欲を強く刺激するのはたしかだろう。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) BMW AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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