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第34回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

BMWを着こなす──キモは内外装のカラーの“ひねり”

クルマを持つ目的は人それぞれだ。オーソドックスなのは人や荷物を運ぶ実用的なツールとして使うことだが、スポーツドライビングで運転そのものを愉しむ人もいれば、ステータスシンボルや投資対象として所有する人もいる。そうしたなかで、大人ならではの嗜みといえるのが、ライフスタイルを表現するファッションツールとしてクルマを持つこと。特に、スタイリスト、デザイナー、カメラマンなど、華やかな世界で活躍するクリエイターにはファッション性を重視する人が多い。不定期シリーズとしてお届けする「クリエイターが教えるクルマの着こなし術」。第1回は、人気スタイリストの森岡弘さんの登場だ。

時代の最先端を行くスタイリストにとっても、クルマの機能性や合理性は重要な要素

森岡弘さんは、誰もが知っている俳優、アーティスト、文化人らのスタイリングを行っているスタイリストだ。それだけではなく、企業のユニフォームやショップのコスチュームなどの制作に携わり、『デキる男のお洒落の極意』『男のファッション練習帖』といった著書も持つ。つまり、ひと言でいえば“超売れっ子スタイリスト”ということになるだろう。

そう聞くと、愛車はイタリアやフランスのヘリテージカー、あるいはスーパーカーの最新モデル…と思うかもしれない。しかし、森岡さんはそうした紋切り型のイメージをあっさりと裏切る。愛車はBMW『5シリーズ』。ディーゼルエンジンを搭載し、エレガントな内外装を持つ「523d Luxury(ラグジュアリー)」である。

「僕はどこへ行くのもほとんどクルマで、年間2万kmから3万km近く走ります。スタイリストという仕事から荷物を載せる機会が多く、都内の移動も電車よりクルマのほうが早い場合がありますから。また、1人のドライブは僕にとってリラックスできる時間で、車内はそのための大切な空間。その点、『5シリーズ』なら、仕事の移動から1人のドライブ、家族との買い物や旅行まで、オールマイティに使うことができます」

クルマを着こなす以前に、大切なのは自分の目的に合った機能性。まずはその基本をきっちり押さえておくことが重要のようだ。

クルマ選びの条件は「どこへでも乗っていけるデザイン」と「ワクワクできること」

もちろん、森岡さんは機能性だけで自分が乗るクルマを選んでいるわけではない。そこにはクリエイターならではのこだわりがある。

「条件は、どこにでも乗って行くことのできるスタイリング。そして、乗るたびにワクワクするクルマであること。そのポイントをクリアできれば国産車でもかまわないと思っているのですが、今のところピンと来る国産車がない。そのため、自然とドイツ車が多くなりました」

森岡さんの愛車履歴を聞くと、ドイツ車が目立つ。たとえば、ゲレンデヴァーゲンことメルセデス・ベンツ『Gクラス』、『Eクラス430ワゴン』、さらに、930型や964型のポルシェ『911』。ひとつ前の愛車もやはりBMW『5シリーズ』で、『3シリーズ』や『1シリーズ』に乗っていたこともある。ボルボのステーションワゴンやジープ『チェロキー』も所有していたが、これはレアケースだ。

「仕事柄、ヴィンテージカーに触れることが多く、ヴィンテージカーに対する憧れもあります。でも、僕はメカに弱くてエンジンフードもほとんど開かないタイプ。そうしたことを考えると、僕はヴィンテージカーのオーナーには向いていないと思います」

そして、これらのクルマを“着こなす”ときに、森岡さんが重視しているのが、ファッションでいうところの “ひねり”を効かせることである。

フランスのファッションのように、内外装のコーディネートに“ひねり”を効かせる

ファッションには、「イギリスの様式」や「イタリアの着こなし」など、国ごとに異なるスタイルがある。とはいえ、それにとらわれてばかりいるとファッションがつまらなくなりがちだ。森岡さんによれば、そこにフランス人のような“ひねり”を加えると途端におしゃれになるという。

「フランス人のファッションは、イタリア人のファッションのように“これ見よがし”ではなく、非常にナイーブで繊細です。“ひねり”があるんです。クルマの着こなしにも通じるところがあると思いますね」

たしかに最近のフランス車──プジョーやシトロエンには“ひねり”のあるモデルが多い。そして、よく見れば、森岡さんの愛車「523d Luxury」はホワイトのボディにブラックとブラウンの内装が組み合わされ、森岡さん自身のファッションもクルマに合わせて見事にコーディネートされている。

定番のクルマでも、内外装のカラーによって“ひねり”を効かせれば、フランス人のファッションのような繊細さを演出することができる。これが森岡さん流の「着こなし術」なのだ。

「次の乗るクルマも家族のことを考えてセダンになると思いますが、再びポルシェを手に入れるかもしれません。いつかポルシェにもう一度乗りたいと思っているんです。そして、今度はボディカラーや内装色でももっと遊んでみたいですね」

Text by Muneyoshi Kitani

Series:クリエイターが教える「クルマの着こなし術」

取材協力
森岡弘
株式会社グローブ 代表取締役/ファッションディレクター&スタイリスト

早稲田大学卒業後、男性ファッション誌『メンズクラブ』編集部にて、ファッションエディターとして従事し、1996年8月に株式会社グローブを設立。ファッションを中心に活動の幅を広げ、著名人のスタイリングのほか、企業ユニフォームやアパレルブランドのプロデュース、広告ビジュアル提案、雑誌のファッョンディレクションなども手がける。
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第62回 | BMWの最新車デザイン・性能情報をお届け

最上級で贅沢なオープン──BMW 8シリーズ カブリオレ

初夏になると、クルマのルーフを開けてオープンエアを愉しみたくなる。しかし、この新型オープンモデルが似合う場所は、蒸し暑い日本の夏ではなく、地中海やマイアミの高級リゾート地なのかもしれない。それほどまでに、贅沢でエレガントなのである。昨年、じつに20年ぶりとなる復活を遂げたBMW『8シリーズ』。このフラッグシップクーペに今回、カブリオレが追加された。「最上級」という言葉がふさわしいオープントップモデルだ。

クーペの美しさと運動性能、オープンモデルならではの開放感や優雅さを兼ね備える

ヨーロッパの人々は太陽を浴びることが大好きだ。ほとんどのラグジュアリークーペには、当然のようにオープントップモデルが設定されている。昨年6月、ル・マン24時間レースにおいて、およそ20年ぶりに復活したBMW『8シリーズ』が発表されたときから、多くの自動車ファンはカブリオレの登場を予感していたことだろう。そもそも、BMWには開発当初からオープンモデルをラインナップに追加する前提があったに違いない。

BMW『8シリーズ カブリオレ』は、『6シリーズ カブリオレ』の実質的な後継となるオープントップモデルである。むろん、ベースは最上級クーペの『8シリーズ クーペ』。低く伸びやかなシルエット、美しいルーフライン、艶麗なリヤフェンダーの造形が醸し出す優雅さ。そうした官能的な個性が際立つ『8シリーズ クーペ』の美しいデザインと運動性能をそのまま受け継ぎながら、オープンモデルならではの開放感や優雅さを備える。

エクステリアでは、リヤホイールへの力感を表現するボディサイドのキャラクターラインが目を引く。さらに、キドニーグリルやデッキを取り囲むモールディングなどにクローム加飾をアクセントとして採用。専用の20インチ・マルチスポークホイールの繊細なデザインと相まって、クーペ以上に洗練されたラグジュアリーさを強く感じさせる佇まいだ。

滑らかな流線形を描く電動式ソフトトップ。シフトノブはなんとクリスタル仕立て!

ルーフは電動式のソフトトップで、エレガントなボディ造形にふさわしく、滑らかな流線形を描くように丸みを帯びたデザインとなっている。ルーフを閉じた状態でも、上質さや優雅さはまったく損なわれない。ルーフは時速50km/h以下なら走行中でも約15秒で開閉することが可能だ。ルーフオープン時もラゲッジルームは250Lの容量を確保する。

室内は、エクステリアと見事に調和した高級感をまといつつ、前後方向への意識を強調するように設計されているのが特徴だ。具体的には、乗員の視線が自然と前方へ向かい、走りへの期待感を煽るようなデザインとなっている。また、高い操作性を確保するためにスイッチ類をグループ分けし、ドライビングを妨げないポジションにわかりやすく配置した。

注目は非常に高い透明度のクリスタルで作られたシフトノブ。クラフテッド・クリスタル・フィニッシュを採用し、なかから数字の「8」が浮かび上がる仕様となっている。シートはベンチレーション付きの上質なメリノレザー。アンビエント・ライトを標準装備しているので、ラグジュアリーオープンモデルであることを乗るたびに感じさせてくれるだろう。

『8シリーズ カブリオレ』の加速性能はピュアスポーツカー並。価格は1838万円

搭載されるパワーユニットは、『8シリーズ クーペ』と同様の4.4L V型8気筒ガソリンエンジン。最高出力530ps/5500-6000rpm、最大トルク750Nm/1800-4600rpmを発生し、8速スポーツAT(ステップトロニック付き)を組み合わせる。0-100km/h加速は「8」の名にふさわしく、3.9秒を実現。これはピュアスポーツカーに匹敵する動力性能だ。

なお、ドイツ本国やヨーロッパでは上記のエンジンを積む「M850i xDrive」のほかに、経済的な3.0L直列6気筒ターボディーゼルエンジンを搭載する「840d xDrive Mスポーツ」も選べるが、日本国内で販売されるのは現時点で「M850i xDrive」のみとなっている。

価格は『8シリーズ クーペ』より124万円アップとなる1838万円。高価なうえに、これだけのラグジュアリーオープンが似合うロケーションは国内ではなかなか見当たらない。とはいえ、オープンエアの季節だけに、所有欲を強く刺激するのはたしかだろう。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) BMW AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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