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渡辺謙が“山小屋で暮らす”ワケ…ハリウッド進出の知られざる挫折と被災地での活動

  • ワールドプレミアの日は朝から夕方までホテルでひたすら取材対応
  • ブロードウェイの舞台初挑戦『王様の私』で稽古について行けずに流した悔し涙
  • 東日本大震災を機に始めた6年間続く被災地でのある活動

日本だけでなく世界で活躍する俳優・渡辺謙さん。

6月6日放送の「直撃!シンソウ坂上」(フジテレビ系)は、アメリカではハリウッド映画に出演し、イギリスでは舞台を行うなどワールドワイドに活躍する謙さんに密着した。さらに、22年前の人気時代劇『御家人斬九郎』で共演経験のあるMC坂上忍が謙さんにインタビュー。

ホテルに缶詰め!ハリウッドの取材対応

現在、大ヒット公開中の映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で、謙さんはゴジラを研究する芹沢猪四郎博士という重要な役を演じている。

そんな謙さんに会うために、番組スタッフはロサンゼルス・ハリウッドへと向かった。

早速番組スタッフが謙さんに密着取材をさせてもらうため挨拶し、ロケの説明をすると、「車から降りてきてもいい?」などと、自ら演出プランを提案。

さらに、「謙さん、とお呼びしてもいいですか?」と番組スタッフが尋ねると、謙さんは「いいよ!別に呼び捨てでもいいけど!」と冗談交じりに答える姿も。

今回ハリウッドでは、謙さんが参加する映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のワールドプレミアにも同行取材。

その舞台は、ハリウッドの中心にあるチャイニーズ・シアター。劇場前の道路にカーペットを敷くため、ハリウッドでは前日の深夜から道路を全面封鎖。夜を徹してセッティングが行われる。

ワールドプレミアは夕方6時から始まるが、謙さんがチャイニーズ・シアターからほど近いホテルへ現場入りしたのはその9時間前の朝9時。しかも、謙さんだけでなく、他のメインキャストも同じ時間にホテル入りしている。

早めに現場入りした理由は、ホテルの別室で地元メディアのインタビューがあったから。ワールドプレミアの日ともなれば、朝から夕方までテレビや新聞など多くの媒体の取材がぎっしりと詰め込まれ、8時間もホテルに缶詰めになり、ひたすら取材を受けるのもハリウッド流だという。

そのため、心休まる唯一の時間はランチタイムだけ。「1回ブレイクダウンしないと、本当にパニックになるくらい多い」と話す謙さん。

そして、唯一の息抜きタイムに部屋で用意されていた食事は、なんと「天丼」。ロサンゼルスの人気和食店「ザ・イザカヤ」のメニューにある天ぷらとライスを組み合わせて天丼にしてもらった特別メニューだという。

こうしたプロモーション活動も日本とハリウッドでは異なる。
ハリウッド俳優は所属事務所に頼らず、個人で活動するケースが一般的。そのため、謙さんは「日本ではプロダクションや事務所に所属して、いろいろなことをケアしてくれるんですけど、ハリウッドは一対一。みんな、結構一人で動いている」と明かした。

取材が終わり、ワールドプレミア開始の10分前に出演者たちはホテルを出発。会場となるチャイニーズ・シアター前はハリウッドスターを一目見ようと地元ファンや観光客が詰めかけていた。

謙さんも車を降りると、沿道で待ち構えていた地元ファンや観光客の元へ。ここにも、ハリウッドならではのルールがあるという。

「パブリシストというのがいて、例えば、ゴジラという映画をやる時にパーソナルも含めて、自分をどう宣伝していくかを考えてくれる人がいるんです」

ハリウッドでは出演者個人がパブリシストと呼ばれる宣伝マンとタッグを組み、どのメディアの取材を受けるべきかを判断するというのだ。

そんな謙さんは、今回の映画の撮影についても坂上に明かしてくれた。

まず、撮影日数については「俺だけで2ヵ月ちょっとかな。でも、土日は休みだからね」と明かした。今回のハリウッド版ゴジラは製作費約180億円をかけた超大作で、撮影期間は約3ヵ月。土日は完全休みだが、平日の撮影は1日約14時間。

シーンの至る所に最新の映像技術を駆使し、カメラワークは高度で複雑なため、演技が上手くいっても撮り直しになることが多いといい、謙さんは「何回も撮り直しするわけ。撮り直しというか、撮って積み重ねていく。編集するからね。それでも、ついていくのはなかなか根性がいる」と話した。

ハリウッドへの道は運と実力?

謙さんが初めてレッドカーペットを歩いたのは、2003年に44歳の時に出演した映画『ラストサムライ』。この作品で、謙さんの演技は世界で賞賛を浴び、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。

だが、謙さんは最初、『ラストサムライ』のオファーを断ったという。

「最初に話が来た時、 うさんくさそうだなって。あの頃、(海外の有名人が)日本で撮りますという話が出て後日、『あの話どうなったの?』って聞いても『もう飛んだ』とか、そんなのばっかりで。だから、ラストサムライ?トム・クルーズ?ないない!って。 そしたら、すごくプライベートなリハーサルをやるからって言われて行ったら、トムが1人で来てて。その時に『これはもしかしてやる?』って初めて思ったの」

初めは半信半疑だったが、結果的に『ラストサムライ』は、謙さんにとって大きな転換点となり、その後、数々のハリウッド映画に出演し、海外でのキャリアを積み重ねていった。

坂上は「今まで多くの人たちがハリウッドのど真ん中に入ろうとしていたのに、なかなか行けなくて。謙さんは何で行けたんですか?」と聞くと、謙さんは「6、7割は運だと思う」としながらも、残りの3、4割については腕を叩いて、“実力”だとアピール。しかし、謙さんは「でも、30代は病気をしたりして、映画とか長期の作品はできなかったりした10年間があった。だから、そういう意味で言うと、いろいろなものの帳尻が合っている気はする」と話した。

ここで坂上が「海外で撮影しているところを見に行きたい」と話すと、謙さんはあるエピソードを明かしてくれた。実は前作となるハリウッド版「ゴジラ」で、「どんなふうに仕事するんですか?」と聞いてきた俳優の柳楽優弥さんに「じゃあ見に来いよ」と、カナダ・バンクーバーでの撮影に呼んだという。
また、次回作の「ゴジラvsコング(仮)」には、ハリウッドに進出する俳優・小栗旬さんの出演が決まっている。
こうした世代を超えたつながりに謙さんは「日本から生まれたコンテンツの1本目と2本目を俺がやらせてもらって、その次にちゃんとつながっているのは嬉しい」と顔をほころばせた。若い世代の俳優に「どんどん追い越してほしい」とエールを送る謙さん。坂上は「そう言う人に限ってなかなか追い越せないんだよね」と応じていた。

挫折も経験…『王様と私』で泣いた夜

また、今回、密着取材の中で謙さんの“生活”について意外な事実も判明。

日本と海外、いろいろなところで仕事をする謙さんはそのベース(拠点)について「格好良い言い方をすると体がベース」と話し、「今は、日本の山小屋で暮らしているから。軽井沢です」と明かした。

謙さんの生活拠点は海外ではなく、長野県の軽井沢にある山小屋。

「一仕事終わったらそこに戻って落ち着く。そこが一番だけど、1年の中で長く暮らしているかというとそうではない。そこで生活をしていても、自分が自分でいられるようなスタンスを取れるようにする環境作りをしている」

ブロードウェイミュージカル『王様と私』の時は、6ヵ月間ニューヨークのアパートで暮らし、2018年は同じ舞台のロンドン公演のためイギリスに、そして現在は映画の仕事でロサンゼルスに滞在。どれも長期にわたるが、1つ終わると軽井沢の“山小屋”に戻り、 自分をリセットしているという。

だが、そんな謙さんでも、唯一帰国を考えた、ある挫折を明かしてくれた。

それは、2015年にブロードウェイミュージカル『王様と私』に初挑戦した時。そこで謙さんを苦しめたのは、映画の芝居とは全く違う舞台特有の英語。

「歌が大変で、早口言葉みたいで…」と振り返り、何度も何度もダメ出しをされた謙さんは「登校拒否になるくらい」と例えるほど精神的な限界がきていた。

早口言葉のような英語を使った歌とダンスだけでなく、セリフも台本100ページを超える量。さらに、ブロードウェイ特有の度重なる台本の変更にもついて行けず、「どうすればいいんだろうって思って。その日はメイクも落とさないで、バーッと着替えて、アパートに帰って…」、そして、悔し涙を流したという。

だが、その夜に「私たちの王様は、もうあなたしかいないんだから、失敗なんて全然怖がらなくていいし、そんなの全然気にしなくていいから信じてやってほしい」と、相手役の女優ケリー・オハラから励ましのメールが来たという。そして翌日には、謙さんの苦しみを察していたメンバーからの励ましの手紙が楽屋にたくさん置かれていたと明かした。

6年にわたる被災地での活動

ワールドワイドに活躍している謙さんは、東日本大震災を機に始めて、6年もの間続けていることがある。

それは、宮城県気仙沼の港でのカフェの経営。謙さんがオーナーを務める一軒のカフェは「K-port(ケイポート)」と名付けられ、オープンから6年目となる今でも、県内・県外から客が訪れ、復興を応援する人たちの交流の場になっている。もちろん、謙さんも帰国した際には、この店を訪れるという。


映画『沈まぬ太陽』で2度目の日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた1年後、日本を東日本大震災が襲った。ロサンゼルスから帰国する飛行機の中にいた謙さんは、到着した空港のテレビで、街が津波にのまれていく光景を目にし、愕然とした。。

なぜなら、謙さんにとって、東北はNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』の撮影で訪れた思い出の地でもあったから。居ても立ってもいられなくなった謙さんは、トラックに物資を積み込み気仙沼へ向かった。

そこで出会ったのが、気仙沼で水産業を営む安藤竜司さん。津波に襲われて壊滅状態だった安藤さんの会社を見た謙さんは「阪神・淡路大震災の時も新潟県中越地震の時も仕事や病気で何もできなかったから…」と、安藤さんの力になりたいと思ったという。

そのヒントとなったのは、安藤さんが震災直後に復興を夢見て描いたイラスト。活気のある街に商店などが並び、そこに一軒のカフェも描かれていた。

それを見た謙さんは「そのカフェは俺がやってもいいかな?」と、3年がかりでカフェを建設。安藤さんの復興の夢を実現させたのだ。

「俺たちはエンターテインメントなんだよね。すごい箱物を作ったり、イベントをやったりというよりも、どれだけ一人ずつの笑顔を増やしていくか、ということくらいしかできない。それをやるには、こういう手段だったんだなという感じはあるかな」

さらに、このカフェの事務スペースにあるFAXには毎朝、謙さんからの直筆の手紙が届くという。

取材に訪れたこの日は「今日から三日間ゴジラの宣伝。本日は日本のメディアです、作品に勢いがあるときは楽です。皆前のめりに聞いてくれるから…。どうも風邪ではなく花粉症?いやいや信じたくない!!ごゆっくり」とのメッセージが届いた。

世界のどこにいても、その日に起きたこと、感じたことを書き、6年前からほぼ毎日送られてくるメッセージは、ささやかな日常を伝えるものが多いが、中には愛する娘のことや、普段は語られない闘病について赤裸々に綴ったものもあった。

「ロスにいる時間だと午後3時とか4時に送るとちょうど開店前。デジタルのメールとかは、誰が書いたか分からないじゃない。そこにぬくもりを感じない。本当に1日5分でも、世界のどこにいても“気仙沼のことを考えています” ということをお伝えしたい」

ワールドワイドに活躍する謙さんが、復興を願う人たちの気持ちに寄り添う活動は今も続いている。

現在独身…“再婚”は?

そして最後に気になる謙さんの“再婚”について、坂上が「さすがに先輩、3回目ないですよね?」と踏み込むと「うーん。たぶんね。別にさ、そんなのは俺、どうでもいいと思ってるわけよ。そのことが目標ではないから。それはやっぱり、より良く人生を生きるためだったら、もしその選択があるんだったら、それでもいいし。別にそれがなくてもいいし。」と語った。

(「直撃!シンソウ坂上」毎週木曜 夜9:00~9:54)

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