[PR]

 言論と表現の自由に関する国連の特別報告者デービッド・ケイ氏が、日本のメディアは政府当局者の圧力にさらされ、独立性に懸念が残るとの報告書をまとめた。「政府はどんな場合もジャーナリストへの非難をやめるべきだ」とした。

 ケイ氏は2016年に日本を訪問し、翌年に報告書をまとめて勧告を行った。今回は続報として勧告の履行状況などを報告。政府に対する勧告11項目のうち、放送番組の「政治的公平」などを定めた放送法4条の撤廃、平和的な集会や抗議活動の保護など9項目が履行されていないとした。

 今回、ケイ氏からの問い合わせに日本政府は答えなかったとしている。報告書は国連人権理事会に提出され、審議されるが、勧告に法的拘束力はない。(ジュネーブ=吉武祐)

(こんな記事も)銃向けられても撮り続けた 中国人写真記者が見た天安門
 事件から30年、中国紙のカメラマンが撮影していた写真を朝日新聞が入手しました。写っている人への影響を考え、未発表でした。
(あわせて読みたい)報道の自由はいま 記者襲撃、やまぬ世界
世界では今もジャーナリストを狙う事件が後を絶ちません。「報道の自由」にまつわる記事をまとめました。