「捕手難」に泣いた。1回。サンチェス捕手の気が抜けたワンバウンド返球に、田中は厳しい表情でボールの交換を要求した。ベースの真ん中でワンバウンドしたスプリットも前に落とせず横にそらし(記録は暴投)、ピンチ拡大。一挙4失点した5回は、内角に構えていた女房役がミットを大きく動かして真ん中の投球を捕球すると、判定はボール。直後に甘い球でソロを浴びた田中は「明らかなストライクをボールと言われ、きつくなった」とぶ然とした。
さらにサインが合わず、再三マウンドを外した後に逆転2ランを被弾。5敗目を喫した右腕は「最後に(制球)ミスをしているのは自分」と自らに言い聞かせるように話したが、本音だったか。
サンチェスとバッテリーを組んだ今季7試合は防御率4・54。一方、ロマイン捕手との4試合は同1・10。ただし、サンチェスの18本塁打はリーグ最多タイ、ロマインは打率2割9厘、1本塁打。ブーン監督のジレンマは続きそうだ。