経営者が抱える様々な悩みを診断士・中小タスクがズバッと解決します。

第2回:ITツール導入による業務効率化編 経営のお悩みスバッと解決 中小タスクが行く!

第2回

業務を効率化して、生産性を高めたい!
それなら、ITツールを活用しよう!

創作和食の店太田の店内。従業員の清水さんは、明るくて気が利く女性でお客さんにも大人気。今夜も元気に接客していますが、今日もオーダーミスをしてオーナーに平謝り。オーナーは創作和食太田以外にも2店舗経営しており、それぞれの経営で手一杯。清水さんのミスにため息をついていた時、店のカウンターから自分の心の声が聞こえてきました。「在庫計算や発注作業、売り上げアップの方策も考えたいのに、やることが多すぎて・・・」声の主はこの店の常連の中小企業診断士、中小タスク。驚いているオーナーにタスクが薦めたのはITツールまとめサイト「ここからアプリ」でした

間接業務をIT化すると、売上がアップします!

経営者の皆さん。ITツール、活用してますか?

「使えばきっと業務効率アップして、仕事がずいぶんラクになるんだろうけど......」「でも、導入コストが高そうだし」「ITのことは、よくわからないし」このような理由で、IT導入に二の足を踏むトップの方は、現在も少なくないようです。

でも、ITツールを使わないのって、本当にもったいないんですよ!

次のグラフを見てください。これは「小規模企業白書 2018年版」に掲載された、「ITを導入したら売上は変わったか」というアンケート結果をまとめたものです。

出典:中小企業庁「小規模企業白書2018年度版」(再編・加工)

※間接業務のIT導入度

「財務・会計」、「在庫管理」、「給与管理・勤怠管理」、「受発注」、「顧客管理」の5つの間接業務について、「パソコン等でほぼ電子化」しているものをIT化しているとして、業務数に応じてIT導入度を定めています。

  5業務でIT化している・・・高レベル
4~3業務でIT化している・・・中レベル
2~1業務でIT化している・・・導入初期
IT化している業務はない・・・未導入 

アンケートからは、「財務・会計」「在庫管理」「給与管理・勤怠管理」「受発注」「顧客管理」などの間接業務のIT導入が進んでいる企業ほど、売上が増加傾向にあることがわかりました。



おそらく、手間のかかる間接業務をIT化したことで、営業や製造など売上向上に繋がる業務に時間を割けるようになったことが、売上増加に繋がった理由でしょう。

加速する少子高齢化で人手不足が深刻な今、
IT導入は経営者を援けてくれる強い味方になるのです!

ここからアプリはITツールまとめサイトで、中小企業のさまざまな悩みに応えるアプリを多数掲載しています。「はじめは無料で使えるものも多いので試して気に入ったものを使ってみては。」とタスクに薦められ、オーナーも清水さんもスマホの画面を見ながら「これなら使えそう」と興奮気味。それから二週間後の店内では、ITツールを使うことで業務効率化が図られ、清水さんのミスも減り、余裕ができて更に人気が出ているようです。その話をオーナーから聞いて、清水さんに益々声がかけづらくなり、内心複雑な中小タスクでした。
「クラウド型ビジネスアプリ」が中小企業を救う!

今回のマンガで紹介した「ここからアプリ」 には、こうした間接業務をラクにしてくれる「クラウド型ビジネスアプリ」が多数紹介されています。

クラウド型ビジネスアプリとは、ハードウェアやソフトウェアを所有せずに、インターネット等のネットワークを通じてサービスを利用できるアプリのこと。ハードウェアやソフトウェアを自社で保有・運用する必要がないので、初期導入費用やランニングコストが低いのが特長です。年間の利用料は数万円程度であることが多く、資金力がさほど強くない企業や事業者でも安心して導入できるメリットがあります。

他にも、

試用版などで導入前に使い勝手が試せる
データ連携を行うことで入力業務が削減できる
機能のアップデートが自動で行われる

などのうれしい特徴がたくさん備わっています。

中小タスク

中には、回転寿司店に設置されているオーダー用のタッチパネルと同じくらい、簡単に操作できるアプリもあるんです。

「世の中には、こんなサービスがあるんだな」と知るだけでも、経営者としては得るものがありますから、物は試しで、ぜひ一度サイトを覗いてみてはいかがでしょう?

知っておきたい!
中小企業が使えるIT化「補助金」制度

さて、コストの低さが特長のクラウド型ビジネスアプリですが、導入規模によっては、それなりの金額がかかる場合もあります。

そんなときに、ぜひ活用してほしいのが「補助金」です。

国は、IT導入による生産性向上に取り組む中小企業や小規模事業者に対して、さまざまな補助金を用意しています。代表的な補助金は、次の3つです。

ものづくり補助金
ものづくりの高度化につながるIT投資(例:3次元CAD/CAM)や、革新的サービス提供のためのシステム開発などに利用できます。
補助率は1/2が基本ですが、条件を満たせば2/3となります。補助額は100万円~1,000万円です。

IT導入補助金
日々のルーティン業務を効率化させるITツールや、情報を一元管理するクラウドシステムなど、汎用的なITツールの導入に活用できます※1。補助率1/2、補助額は40万円~450万円です。最低80万円、最高900万円の支出に対し、1/2が補助されます。

※1 導入できるITツールは、「IT導入補助金」のサイトに登録されているもののみです。パッケージシステムのカスタマイズや、自社オリジナルシステムの開発には利用できません。

小規模事業者持続化補助金
販路開拓のためのホームページ開設や、新サービスや新製品開発のためのITツール導入に利用できます。 補助率2/3、補助限度額50万円です。75万円の支出に対し、50万円まで補助されます。

出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2019」(再編・加工)

ちなみに、これらの補助金はIT導入に利用できますが、パソコンサーバーのような汎用的なハードウェアは、補助金対象外となりますので注意が必要です。

ただし、クラウド型POSシステムで端末として使うタブレットに関しては、
「小規模事業者持続化補助金」「軽減税率対策補助金」が適用されます

補助金は、年度によって公募時期や要件が変わりますので、それぞれのサイトで確認してください。

ITツールと補助金をご活用ください

ITツールや国の支援制度を積極的に利用して、
あなたの会社の「稼ぐ力」を強化しましょう!