不審船から覚せい剤1トン 南伊豆の沖合でいったい何が?
過去最大量の覚せい剤が見つかったのは、静岡・南伊豆町の沖合。
以前から不審な船の目撃情報があったこの現場。
3日午後9時すぎ、近隣住民からの通報を受けた警視庁の捜査員が、護岸に接岸した不審船から荷降ろししていた男らを発見。
この摘発で、中国人の男4人が現行犯逮捕され、逃げた中国人の男3人も、4日、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された。
逮捕された中国人を目撃した人は、「水を欲しがっている。日本語しゃべれない、英語もしゃべれない人が出てきた」と話した。
船の中からは、2kgほどに小分けされた覚せい剤の入った袋が数百個見つかり、合計の重量はおよそ1トン。
末端価格にして、およそ600億円。
1回の押収量としては、2016年、沖縄県の那覇港で停泊中のヨットから押収された、およそ600kgを上回り、過去最大になる。
覚せい剤が見つかった、全長およそ10メートルの白い小型の不審船。
船の名前は書かれておらず、300馬力の船外機が2台。
さらに、小型船舶としては珍しいという大きなレーダーを装備。
さらには、期限が切れた船舶検査のステッカーが貼られていた。
船を目撃した人は、「船検(船舶検査)がまず切れていたのと、普通は船名が入っていると思う。それも入っていないのでちょっと不思議な感じはあった」と話した。
警視庁は、中国人の男らが「瀬取り」という手法で覚せい剤の密輸に関与していたとみている。
フジテレビ社会部・平松秀敏デスクは、「瀬取りは、昔から横行している手口。海の上で海外の密輸組織から覚せい剤などを受け取って、日本に持ち込む」と話した。
ここ数年、日本に密輸される覚せい剤は増加しており、2017年には茨城県沖で覚せい剤480kgを密輸しようとした暴力団員の男らが逮捕されるなど、一度に大量の覚せい剤を密輸する手口が相次いでいるという。
フジテレビ社会部・平松秀敏デスクは、「海外と比べて日本で取引される額が高い。売りさばくことができる日本が狙われていると言っていい」と話した。
逮捕された中国人の男7人は、いずれも容疑を否認している。
(テレビ静岡)