トップ > 中日スポーツ > 中部スポ > 羽ばたけ中部勢 > 記事

ここから本文

【羽ばたけ中部勢】

舞蹴、目指すは角界の「MJ」 「舞って蹴る」足技でも魅せるぞ

2019年6月5日 紙面から

名古屋場所で飛躍を誓う舞蹴

写真

 大相撲東幕下59枚目の舞蹴(まいける、20)=二子山=が、新幕下で迎えた夏場所で5勝2敗と勝ち越した。目標は、師匠の二子山親方(元大関雅山)が興した部屋の関取第一号。準ご当地力士として臨む名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ=愛知県体育館、中日新聞社共催)は、さらなる飛躍の舞台となる。

 「まい~ける~」。耳を疑うような異国情緒あふれるしこ名への反応は、白星を重ねるごとに、戸惑いのざわめきから拍手へと変わっていった。十両経験者との対戦も経験した舞蹴にとって、夏場所は「出足で勝って先手を取れれば、結果を出せる」と収穫いっぱいの7番だった。

 しこ名は、本名からとった。学生相撲を経験した父・修二さんとフィリピン出身の母・アビゲールさんから「マイケル・ジャクソンやマイケル・ジョーダンのように、有名になってほしい」と名付けられた名前だ。

 大きな願いを受けてすくすくと育ち、小学校入学時点で140センチ、50キロと体格に恵まれ、運動神経抜群。大相撲のテレビ観戦を日課にしている家族の勧めで、福井県立武道館の相撲教室へ通うようになった。

 「やらされてる感じだった」という相撲だったが、福井農林高に入って向き合い方が変わった。きっかけは、憧れていた元大関雅山の二子山親方に、角界入りを誘われたことだった。

 高校卒業後の就職も視野に、面接の準備もしていたが「すごい人に声を掛けてもらったからには、ちゃんとした実績を残したい」と奮起。3年で全国の強豪が集う金沢大会で3位に入り、迷いなく角界に飛び込んだ。

 親方の「勝っても負けても前に出ろ」という言葉を胸に、序ノ口デビューから10場所中9場所で勝ち越し。師匠が育てた最初の関取となって「雅」の1文字を継ぐことが目標だが、本名のしこ名にちなんだ夢もある。

 「舞って蹴る。足技で勝ったら絶対、盛り上がると思うんです。もちろん、もっと相撲が安定してからですけど…」

 福井県出身の力士として、準ご当所の名古屋は大切な土俵となる。同県出身の関取は、1980年初場所が新十両で90年秋場所まで十両で現役だった元小結大徹(湊川親方)が最後。十両昇進に向けた足固めへ、自己最高位で臨む名古屋場所で華麗な足技が飛び出せば、勢いづくことは間違いない。 (志村拓)

 ▼舞蹴修樹(まいける・しゅうき) 本名は林舞蹴。1998(平成10)年7月15日生まれ、福井市出身の20歳。176センチ、138キロ。2017年秋場所、林のしこ名で初土俵。昨年の名古屋場所から舞蹴に改めた。最高位は東幕下59枚目。得意は右四つ、寄り。

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ