故郷・宮崎から駆けつけた両親に白星を届けたかった。先発・阿知羅はソロ本塁打を4本浴びるなど5イニングを6安打5失点。「外一辺倒になってしまった。自分の投球に工夫が足りなかった」と悔しさをにじませた。
何としても勝ちたかった理由があった。試合前、今から己が向かうマウンドには父・治朗さんの姿があった。普段、宮崎市内の生目の杜運動公園でグラウンドキーパーを務めている父。同公園はソフトバンクが毎年キャンプを張る場所という縁もあり、ソフトバンク側の計らいで試合前の整備を治朗さんが担当した。いつもの作業着を身にまとい父が丁寧に整えたマウンドでの登板。結果で示したかったが、タカの一発攻勢に泣いた。
「自分の中でまだ整理できていない。映像を見てしっかり反省したい」と阿知羅。悔しさが詰まった2敗目を今後の糧にする。 (長森謙介)