穏やかなるかなカルネ村 作:ドロップ&キック
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そして始まりは軽いんですけど、ちょっと内容がサイコ入ってる?
軽く閲覧注意です。
さて、尋問のお時間です♪
ポップな書き出しだが、あながちそう的外れでもない。
ここは薄暗い地下室でもなければ三角木馬なんて趣味の小道具……いや、失礼。普通は拷問具の類か?が置いてあるような部屋では断じてない。
というか愛用している大抵の魔法鎧より頑強で無効化/高強度耐性の防御魔法付与てんこ盛りの神官服、”動く修道院”をひん剥いたとしても
某お骨様にその体制で蝋燭垂らされたり股間に食い込む木馬を蹴られたりしたら、色々良すぎてすぐに失神してついでに即座に失禁するかもしれない。しれないじゃない、絶対する。おもらしキャラは何もラナーに限った話、ラナーの特権という訳じゃないのだから。
というかモモンガに躾けられた娘というのは激しい調教された結果ではなく、徹底的な快楽と心身ともに甘美な弛緩を味わう……比喩的に言えば、徹底的に甘やかされて強制的に自我があやふやになるくらい蕩けさせられてしまうので、多かれ少なかれその傾向が出てしまう。
可愛さを優先するあまり、社会通念やら倫理観やら道徳心やらが肉体以上に緩くなるのだから仕方ない。
モモンガの愛で方はむしろ甘い毒薬や麻薬に例えられていいのかもしれない。
普段はどれだけ凛々しく
一緒に過ごす時間が長くなるほど甘美な毒は内面を腐らせ、侵食し、ますます依存心を強める……心の奥底での幼児退行を容易く誘発する。
別におかしな話ではない。「無条件な安寧の中でいられた時代への憧憬」である”幼児回帰願望”は誰もが持っているものだ。
だが、モモンガは色々と未熟な愛らしい少女たちの、未熟がゆえに不安定な部分を無意識/無自覚のうちに幼児化したゆえに純粋な、より根源的な依存へと書き換えてしまうのだ。
ラナーみたいに『いつかこの一番狭い穴にも先生の愛を
肉体的に弄られたよりも、正直重篤であり危険である。
要するに「年頃の娘さんが、幼子のようにお漏らしし、そこに忌避感を感じずむしろ性的快感に身を捩じらせる」のだから。
ネムは微妙だとしても、それ以外の面子は必ず一度は「粗相をしないように躾けられてる」にも関わらず、だ。
例え世界線がどれほど変ろうが、力を行使するベクトルが変ろうが、人であろうが骨であろうが、恐ろしかろうが優しかろうが、その支配力やら本質やらにおいては、やはりモモンガは魔王なのかもしれない。
☆☆☆
ん? エンリ姐さんは女神官じゃないのかと?
一体、いつからエンリが
古今東西を問わず、女神官やら修道女やらが一際”
なら、その神様が実存する上に受肉し、おまけに御立派なマーラ様まで保有してたらどうなるか?……って考えるまでも無い。
端的に言えば、聖職者としての幸せも狂信者としての幸せも女としての幸せも一匹の牝としての幸せも、一石四鳥でやってくるお得なプランだ。
ついでに言えば、エンリが「
それでも胸が必要以上に膨らまないように気をつけながら、モモンガの好みの境界線上ギリギリの攻めたライン……小柄なリアルJK1年程度まで成長したのは、やはり彼女も未だ人間らしく野心があったからだ。
なんのことはない。スレイン法国最深部にいる白黒頭っ娘と同じく、彼女もまた”孕みたガール”……要するにモモンガとの子供が欲しいのだ。
ダークウォリアーにせよアインズにせよ、受肉してる以上は受精する可能性は0ではない。そこに賭けて、モモンガの好みから逸脱しないように細心の注意を払いながら、妊娠し安全に出産できるギリの綱渡りしてるのがエンリ・エモットという少女だ。
前に何度か出てきたかもしれないが、エンリはキーノが座る
仕える身の方がエンリにとり喜ばしいのだ。だが、同時に吸血姫……アンデッドであるキーノが「出来ないこと」も理解していた。
だからこそ、母になりたいのだと。
なんだかんだとモモンガのみならずキーノも慕っているのも、またエンリなのだ。
それに何より、性質的に難しいキーノはともかく
二人の共通見解は、「自分が一番可愛い。娘に愛されポジを取られたくない」だそうな……なぜ娘が生まれることを前提としてるのかは謎だが、とにかく掻い摘めばそういうことらしい。
某竜王国の女王はもっと期待するだけ無駄だ。元々、竜人であるので交配的に厳しいものがあるのに、モモンガに愛でられたいばかりに魔法と言うより呪いを自分にかけて、長き生涯を幼いままで過ごすという覚悟も根性もあるのだから。
仮に生理が来てるとしても気合で止めてそうだ。
長々とエンリ・エモットの内面を語ってきたが……何が言いたいかといえば、
(正直、勘弁してください……)
そんな自分以上の
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クレマンティーヌの尋問自体は、とても尋問とは思えないぐらいに和やかな雰囲気で行われていた。
あちこち千切れかけていた冒険者プレートとそのレプリカ入りビキニアーマーは、脱がされた挙句に他の装備共々没収され、形ばかりの拘束具(だが人間じゃ決して外せない強度のそれ)とシンプルな貫頭衣姿となったクレマンティーヌは、村の教会の談話室で尋問という、なんとも珍奇な状況になっていた。
蘇生されてからしばらくは体も満足に動かないどころか声も満足に出せなかったが、よくわからない回復系魔法と魔法薬、そして田舎の開拓村にあるまじき美味な料理のせいか、クレマンティーはデスペナによるレベルダウンは間違いなくあれど順調に回復した。
そうなれば、当然尋問がはじまるのだが……ここで問題が一つ。
「死んで蘇ったのだから、覚悟はしてましたが……やっぱり、何故カルネ村に来たのかは覚えてませんか?」
”こくん”
そう復活したクレマンティーヌには原作の復活直後のシャルティア同様、ここ数日の記憶が綺麗に抜け落ちていたのだった。
読んでいただきありがとうございました。
本格的な”クレマンティーヌ懐柔√(?)”に入る前に、ちょっとエンリを(とラナー)を機転にモモンガ様を再定義してみたくなったんですよ。
このお骨様、確かに怖くは無いですし、一度懐に入れてしまえばとんでもなく甘くなるんですが……甘さや優しさってのは、時にはとんでもなく依存度が高い毒、黒粉よりずっと強い精神的麻薬になったりしますからね~。
絶望のオーラじゃなく、甘い毒を撒き散らすモモンガ様とかどうだろうと(^^