戦車の前に人...天安門事件 きょう北京厳戒 言論統制も
中国で学生らの民主化運動が武力弾圧された天安門事件から、4日で30年を迎え、北京では、当局が厳戒態勢で臨んでいる。
1989年に起きた天安門事件では、民主化を求めた学生らに対して軍が戦車などで鎮圧し、多くの死傷者が出た。
しかし中国では、今も事件を公に語ることは許されず、タブーとなっている。
4日朝の天安門広場は、普段よりも多くの警察官が配置され、追悼などの動きに目を光らせていた。
また、ネットでは、事件の日付を意味する「8964」という数字や、学生らを弾圧した戦車を想起させる「タンクマン」を意味する中国語などを入力しても、検索ができなくなっている。
こうした中、中国当局は、社会運動の中心となりうる若者への警戒を強めている。
2018年末には、名門・北京大学のキャンパスで、格差社会を批判していた学生サークルの代表らが警察などに拘束された。
学生や労働者が連携して政権への不満を訴える動きが相次いだことから、当局による締め付けが厳しくなっているという。
北京の大学関係者は「SNSで文章を発表する際、まず党の青年部関係者が目を通さなければならなくなった」と話した。
「安定」を大義名分に、言論統制が強化されている。