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第4回 | Jeepの最新車デザイン・性能情報をお届け

Jeepグランドチェロキー トラックホーク──707馬力のアメリカンモンスター

クロスカントリー4WD の老舗「Jeep(ジープ)」は、SUVの本場アメリカを代表するブランドのひとつ。このジープの最上級SUVとなるのが、フラッグシップモデルの『グランドチェロキー』だ。ラインナップには、廉価な「ラレード」やプレミアムモデルの「サミット」、さらには最強オフロード仕様の「トレイルホーク」、ハイパフォーマンスモデルの「SRT 8」にいたるまで、多彩なグレードが設定されている。そして、2017年4月、ジープはこの『グランドチェロキー』に途轍もないモデルを追加した。その名は「トラックホーク」。従来のオンロード最強モデルだった「SRT 8」のさらに上をいく、まさに“アメリカンモンスター”というべき最強・最速の『グランドチェロキー』である。

最高速度290km/h、0-100m加速は3.5秒、驚くべきの速さを誇る「トレイルホーク」

『グランドチェロキー』には、日本にも導入されている「SRT 8」というサーキット向けのハイパフォーマンスモデルが存在する。心臓部に468psを発生する4L V型8気筒自然吸気エンジンを搭載したオンロード最強モデルだ。

しかし、2017年4月のニューヨークモーターショーで公開された「トラックホーク」のパワーは、この「SRT 8」をはるかに凌駕する。搭載されるのは、マッスルカーのダッジ『チャレンジャーSRTヘルキャット』と同じスーパーチャージャー付きの6.2L V型8気筒エンジン。最大出力707hp(717ps)、最大トルク89.2kgmを発生し、トランスミッションには8速ATを採用。この強力なパワーユニットにより、約2.5トンの巨体にもかかわらず、驚くべきことに0-100mをわずか3.5秒で加速する。最高速度は290km/hをマークし、0-400m加速は11.6秒だ。

駆動方式は4WDで、高出力・高トルクに対応する「クォドラトラフィックオンデマンド4×4システム」を搭載。これに電子式リミテッド・スリップ・デファレンシャルと強化したリア・アクスルの効果などにより、スポーツカーのような加速を実現した。もちろん、ただ速く走るだけではなく、フロント400mm、リア350mmのブレンボ製ブレーキには、約100km/hのスピードから停止までを約34.7mでこなすストッピングパワーが与えられている。

専用デザインが施された「トレイルホーク」のエクステリア、内装にも特別装備を満載

エクステリアには、従来のラグジュアリーなイメージから一転して「トレイルホーク」専用の精悍なデザインが施された。ひと目でわかる他のグレードとの違いは、厚くなったフロントバンパーからフォグランプを取り払い、大開口のロアグリルとリップスポイラーを備えていること。さらに、4本出しのエグゾースト、クーリングダクトが設けられたボンネットフード、縁取りがグロスブラック仕上げのヘッドランプユニット、ボディと同色のホイールフレアなどが専用ディテールとなっている。

足元には、295/45ZR20サイズのタイヤを組み合わせる20インチのチタンホイール。そこから覗くイエロー塗装のブレンボ製6ピストンブレーキキャリパーが目を惹く。

インテリアでは、シート素材にナッパレザーとスエードを採用。室内にはプレミアムメタルパッケージによるメタルアクセントが随所にあしらわれ、高級感のある仕上がりとなっている。メーター類はレーシングカーのように中央にレブカウンター、左に320km/hまで表示されるスピードメーターを配置。また、インパネ周辺には7インチのデジタルインストルメントクラスターと8インチのタッチスクリーンも装備し、馬力やトルクのほか、パフォーマンスタイマーやダイナモメーターなどが表示できるという。

ボディカラーは全9色。「ビレットシルバー」「グラナイトクリスタル」「ダイヤモンドブラック」「アイボリートライコート」「ブライトホワイト」「ベルベッドレッド」「ライノー」などから選択可能だ。

「トレイルホーク」のライバルはベントレー『ベンテイガ』? 激化する最速SUV競争

ジープがこのモンスターSUVを生み出した理由のひとつに、ベントレー『ベンテイガ』、ポルシェ『カイエン ターボS』、レンジローバー『スポーツSVR』といった他のプレミアムブランドのSUVに対抗する狙いがあるとされる。

これらのハイパフォーマンスSUVのうち、最も速いのは『ベンテイガ』で、最高出力は608ps、0-100km/h加速は4.0秒。しかし、「トラックホーク」の数値はいずれも『ベンテイガ』を上回っている。ただし、最高速度では301km/hの『ベンテイガ』が依然上である。

「グランドチェロキー トラックホーク」の登場により、“最もパワフルで速いSUV”の座をめぐるプレミアムブランドの開発競争が俄然激しくなりそうな気配だ。「トラックホーク」は2017年10月から本国アメリカでデリバリーが開始されるが、いまのところ日本への導入がアナウンスされていない。

Text by Kenzo Maya

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第11回 | Jeepの最新車デザイン・性能情報をお届け

Jeepウェイアウト──グラディエーターがキャンパーに!

4月にアメリカ・ユタ州グランド郡のモアブ国立公園で開催された「イースター・ジープ・サファリ」は、今年で53回目となるJeepファンに向けた恒例のイベントだ。Jeep各モデルの優れたオフロード性能を体験できるのと同時に、Jeepのコンセプトカーが発表される場としても注目を集める。今回もユニークな6台のコンセプトモデルが登場。ベースとなったのは、すべてピックアップトラックの『グラディエーター』である。

荷台上部に格納式テントとハシゴ。スタック脱出用ウインチも備える『ウェイアウト』

『グラディエーター』は、Jeepにとって数十年ぶりとなるピックアップトラックだ。見てわかるように、ベースは軍用車両の面影を色濃く残す本格クロスカントリーの『ラングラー』。しかし、フレームは専用設計で、全長もホイールベースもかなりストレッチされている。実車を目にすれば、その想像以上に巨大なボディに驚くことだろう。なにより軍用車にも似たルックスが男心を非常にくすぐるのだ。昨年11月にロサンゼルスでお披露目されると、各国の自動車メディアやジャーナリストがこぞって絶賛したくらいである。

今年の「イースター・ジープ・サファリ」では、この『グラディエーター』をベースにした6タイプのユニークなコンセプトモデルがファンに披露された。そのうちの一台の『ウェイアウト』は、なんとキャンピングカーにカスタマイズしたコンセプトモデルだ。

荷台上部に設けたフレームに格納式テントとハシゴを装備し、スタック(雪やぬかるみに車輪を取られて動けなくなる状態)した際の脱出用ウインチと川をわたるときに安定した吸気を可能にするシュノーケルも備える。カスタマイズのテーマは「冒険」だ。

モトクロスがテーマの『フラットビル』。レトロな雰囲気の『CJ8スクランブラー』

『フラットビル』のテーマはモトクロス。モトクロスバイクをイメージしたモデルで、荷台を取り囲んでいるあおりのうち、後部を取り除き大型モトクロスバイク2台の積載を可能にした。スキッドプレートを装着し、車両のオフロードの走破性も引き上げられている。

鮮やかなブルーメタリックのボディカラーが目を引く『J6』は、1970年代後半の2ドアのピックアップトラックをテーマにしている。4ドア・ダブルキャブの『グラディエーター』を2ドア・シングルキャブにカスタマイズすることで、往時の雰囲気を再現した。

『JTスクランブラー』もレトロな雰囲気だ。こちらは、1980年代のJeepのモデルのひとつ、『CJ8スクランブラー』を『グラディエーター』のボディを使って再現したもの。17インチのスロットホイールを装着し、リフトキットで車高を引き上げて大型の37インチタイヤの装着を可能にした。ボディのストライプと同色仕上げのホイールがクールだ。

6台のJeepコンセプトモデルを手がけたのはFCAのチューンナップ部門「Mopar」

6台のコンセプトモデルのカスタマイズを手がけたのは、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)のチューンナップパーツ部門であるMopar(モパー)。これらのカスタマイズには、すべてMoparブランドの「ジープパフォーマンスパーツ」を使用した。

Moparは、3月に『ラングラー』ベースの『Jeepラングラー ルビコン1941』というカスタムモデルを発表し、このクルマは今年夏ごろに正式リリースされる予定だ。もしかすると、このコンセプトモデルのなかから市販化されるモデルが登場するかもしれない。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Fiat Chrysler Automobiles
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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