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第40回 | メルセデス・ベンツの最新車デザイン・性能情報をお届け

Eクラス クーペ──これぞモテるメルセデス・ベンツ

「W124型」。1985年から1995年にかけて製造されたメルセデス・ベンツのミディアムクラス4ドアセダンのコード番号である。名車として名高く、いまだその人気は衰えていない。この直系モデルが、現在、5世代目となる『Eクラス』だ。デビューは2016年初頭で、最新のテクノロジーを搭載した先進的な車として大きな話題となった。それから約1年半。セダン、ステーションワゴンに続き、クーペモデルが待望のデビューを果たした。

車に詳しくない女性でもひと目で感じ入る流麗なデザインを持つ『Eクラス クーペ』

個人的な見解で恐縮だが、クーペは大人のカーガイにこそ似合うと考える。セダンほどオヤジ臭がせず、スポーツカーほどギラギラしていない。成熟した男性の余裕を感じさせながら、いざアクセルを踏み込んだときのスポーティな走りは、若々しさと現役感を醸し出す。「アラフォーでもモテる車」の代表ではないだろうか。

そのなかでも、『Eクラス クーペ』は別格だ。誰もが知る「メルセデス・ベンツ」のブランド力はもちろんだが、それだけではない。最大の魅力は、車に詳しくない女性でもひと目で感じ入る流麗なデザインだ。メルセデスクーペの伝統的プロポーションである、流れるように美しいルーフライン、そのラインが流れ着く大胆で力強いリアエンド…。

真横から眺めると、メルセデスクーペ伝統のプロポーションがより顕著だ。このプロポーションは、フロントから低く立ち上がるAピラーと高い位置を走るベルトライン(窓の下端を基準にしたライン)、窓枠のないサッシュレスドア、なだらかな曲面のみで表現されたリアのショルダー部から形成されている。これらの融合により、控えめでシンプルなラインと官能的な面が生み出され、光と影が紡ぎ出す陰影を活かした、美しく彫刻的な造形へと昇華させた。

リアはLEDリアコンビネーションランプが特長だ。トランク部まで水平に伸びるすっきりとした構造となっている。ちなみに、このランプはドアを開錠すると車体中央側から外側に向けて順に点灯し、施錠時には反対方向に点灯する。

ボディサイズの大型化によって、クーペながら長距離移動にも耐える快適な室内空間へ

室内は先代モデルに比べてボディサイズが大型化したことにより、快適性が向上した。特に、セパレートタイプの後席の足元空間はプラス74mm、肩幅空間はプラス34mm、そして頭部空間はプラス15mmをそれぞれ実現。運転席・助手席も含め、長距離ドライブでも疲れにくくなっている。もちろん、メルセデス・ベンツならではのラグジュアリーな雰囲気は健在だ。

インテリアカラーは、落ち着きのある「ブラック」、スポーティさを演出する「レッド/ブラック」、そして E クラス専用色としてクールで洗練されたヨットスタイルを演出する「ベージュ/ヨットブルー」の3つの組み合わせが準備されている。

車好きも納得、スポーティなドライビングが味わえる『Eクラス クーペ』の走行性能

スポーティなのは、エクステリア、インテリアといった見た目だけではない。モデルによって異なるパワートレインが、快適で心地よいドライブを実現する。『E200 クーペ』『E200 クーペ スポーツ』『E300 クーペ スポーツ』は、2L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載。最大出力と最大トルクは、『E200 クーペ』『E200 クーペ スポーツ』がそれぞれ35kW(184ps)と300N・m(30.6kgf・m)、『E300 クーペ スポーツ』は180kW(245ps)、370N・m(37.7kgf・m)を発揮する。

最上位グレードの『E400 4MATIC クーペ スポーツ』は3L V型6気筒直噴ツインターボエンジンを搭載。V6エンジンによる高い静粛性や滑らかなフィーリング、最高出力245kW(333ps)、最大トルク480N・m(48.9kgf・m)のパワフルさで、ドライビングプレジャーが堪能できる。

これらのエンジンの組み合わされるトランスミッションは、いずれも「9G TRONIC(ナインジートロニック)」。電子制御の9速ATで、ひとつのギアが受け持つ速度域が狭いことから、変速ショックとエンジン回転数を抑えることが可能となった。これにより、高速走行時には優れた静粛性と低燃費を実現している。

足回りには、『E200 クーペ』『E200 クーペ スポーツ』『E300 クーペ スポーツ』が「AGILITY CONTROL(アジリティコントロール) サスペンション」を採用。通常走行時にはしなやかで快適な乗り心地でありながら、ハードなコーナリング時など一定以上の負荷がかかった場合には、瞬時に減衰力が高まる。

また、『E400 4MATIC クーペ スポーツ』には「AIR BODY CONTROL(エアボディコントロール)」が採用された。路面状況、運転状況、乗車人数や積載状況、車速、走行条件に応じて、ダンピング特性や車高を自動的に調整、常に変わらないハンドリングを実現してくれる。また、荒れた路面などではスイッチ操作で最低地上高を15mmまで高めることが可能だ。

セダン同様に最先端テクノロジーを駆使した「インテリジェンスドライブ」を標準装備

もちろん、『Eクラス クーペ』にはセダンで注目された最先端テクノロジーが引き継がれている。メルセデス・ベンツの代名詞になりつつある「インテリジェンスドライブ」も当然採用。このシステムは、クルマの周囲をほぼ360度カバーするカメラとレーダーによる複合的なセンサーシステムによって、先行車両、横断車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、位置を特定。状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストしてくれる。

「インテリジェンスドライブ」の一例を挙げると、高速道路上で渋滞にはまって自動停止した場合、30 秒以内(一般道は3秒以内)なら自動再発進が可能となり、ドライバーの疲労を大幅に低減してくれる。他には、ドライバーがウインカーを点滅させた場合、行き先の車線に車両がいないことを確認して自動で車線を変更する「アクティブレーンチェンジングアシスト」や、走行中にドライバーが気を失うなど万が一の場合に自動で車線を維持しながら緩やかに減速・停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」なども搭載している。

また、安全運転面では、衝突時の衝撃音から乗員の耳を保護する「PRE-SAFEサウンド」などの新機能を採用したほか、歩行者や交差点での車両飛び出しに対応する「アクティブブレーキアシスト」も備える。

クーペでありながら乗員が快適に過ごせる室内空間とラゲッジスペースを確保しつつ、最新の安全技術を搭載することで利便性と安全性も兼ね備えた『Eクラス クーペ』。なにより、美しいスタイリングと自らステアリングを握りたくなる走りの愉しさを両立させたことで、大人のカーガイを満足させる仕上がりになった。

Text by Tsukasa Sasabayashi

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第75回 | メルセデス・ベンツの最新車デザイン・性能情報をお届け

メルセデス・ベンツGLCクーペ──流麗なSUVが進化した

プレミアムミッドサイズSUVの代表格であるメルセデス・ベンツ『GLC』。その改良新型が披露されたのは、3月のジュネーブモーターショーでのことである。それから、わずか数週間後。今度は『GLCクーペ』が発表された。極めて美しい外観をもつ、クーペのようなフォルムのスタイリッシュSUVだ。さて、どのような進化を遂げたのだろうか。

スタイリッシュなフォルムのミッドクラスSUVが内外装とエンジンをアップデート

『GLCクーペ』はメルセデス・ベンツにとって7番目のSUVモデルだ。ブランド初のSUVクーペとなったのは、発売直後から世界中で高い人気を集め、日本でも昨年8月にデリバリーが始まった『GLEクーペ』。弟分の『GLCクーペ』はその流れに乗るように、ミッドサイズSUV『GLC』の派生車種として登場した。クーペとしてのスタイリッシュなフォルムを加えつつ、『GLC』と同等の走行性能、快適性、利便性を実現したモデルだ。

今回の刷新は、デビューから3年が経過したことによるモデルライフ中盤でのマイナーチェンジ。基本的な変更内容は、ジュネーブモーターショーで披露された改良新型『GLC』に準じている。内外装のアップデートと新しいパワーユニットがおもな改良点だ。

エクステリアは現行を継承。しかしフロントマスクの迫力が増して室内の装備も刷新

SUVクーペである以上は、まず最大の魅力であるスタイリングに触れておかなければならないが、エクステリアの改良は最小限に抑えられている。目立つのは、シングルプレートを組み合わせたダイヤモンドパターンのフロントグリル周辺がややなめらかなになり、ヘッドライトが新意匠のデイタイムランニングライト付きのLEDハイパフォーマンスヘッドランプに変更されたことぐらいだ。しかし、グリル下のバンパーに採用されたAウイングとその左右のエアインテークが大型化されたことで、面構えの迫力がより増している。

リアでは、LEDリアコンビネーションランプやディフューザーの形状などが改良され、エグゾーストエンドを組み込んだリアバンパーやクロームスキッドプレートも新しい。

インテリアは、流麗な線を描くダッシュボードとセンターコンソールを採用した最新のメルセデス・ベンツのもの。メーターパネルのデザインは現行モデルと同じだが、12.3インチのLCDパネルに変更され、センターに配されたインフォテインメントシステムのタッチディスプレイも10.25インチに大型化されている(グレードによっては7インチ)。

2.0Lガソリンターボエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせたパワーユニット

心臓部には、ベーシック仕様の「GLC 200 4マチック」に、新開発の2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンと「BSG」と呼ばれる48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたパワーユニットが搭載される。「BSG」はベルトドリブン・スターター・ジェネレーターの略。簡単にいうと、48V(ボルト)電気システムとエンジンを組み合わせたものだ。

回生ブレーキなどによって発電した48Vの電気を、蓄電容量1kWhのリチウムイオンバッテリーに蓄え、必要なときにこの電力で最大出力14hp、最大トルク16.3kgmのモーターを回してエンジンをアシストするのだ。システム全体のスペックは、最高出力197hp、最大トルク32.6kgm。ローンチ時はこのパワーユニットのみが用意されるという。

この「GLC 200 4マチック」のほか、先に発表された『GLC』と同様に、やはりマイルドハイブリッドシステムを採用する「GLC 300 4マチック」、ディーゼルエンジンモデルの「GLC 200d 4マチック」「GLC 300d マチック」といったグレードも設定される。

「Hey メルセデス!」と呼びかけて操作する音声インターフェイス「MBUX」も搭載

インフォテイメントシステムには、メルセデス・ベンツの代名詞となりつつある「MBUX」の最新バージョンを搭載。「Hey メルセデス!」と呼びかけて操作する音声インターフェイスで、AI(人工知能)の学習機能によって特定のユーザーに適応する個別対応能力をもつ。さらに、12.3インチのメーターパネルと10.25インチのタッチパネルディスプレイで構成されるデジタルコックピットを装備するのも最新のメルセデス・ベンツならではだ。

価格についてはアナウンスがないが、ヨーロッパでは今年後半の販売開始が予定されている。想定するターゲットは、都市部に住む40前後の若い層といったところか。スタイリッシュでありながら利便性の高いSUVは、彼らのライフスタイルにぴったりだからだ。いずれ日本にも上陸するだろうから、大人の男の新たな選択肢になるのではないか。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Daimler AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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