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坂井でもひな誕生 コウノトリ野外ペア

電柱の上でふ化し、親鳥にエサを求めるコウノトリのひな=坂井市内で

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 県と坂井市は三日、国の特別天然記念物コウノトリのペアが同市内で温めていた卵がふ化したと発表した。本紙の取材では、少なくとも三羽がかえったとみられる。県内では先月、五十五年ぶりに自然繁殖でのひな誕生が越前市内で確認され、今年二例目。越前市ではふ化後一週間でひなが死んだことが分かっており、無事に巣立てば五十八年ぶりとなる。

 親鳥は兵庫県豊岡市生まれの四歳の雄と六歳の雌。県自然環境課によると、坂井市教委が取り付けたビデオカメラの映像で、五月二十七日に親鳥が未消化の餌を吐き戻してひなに与えるしぐさが見られた。二十九日にはひならしき姿を確認し、三十日には巣の下で卵殻も見つかった。

 順調に成長すれば、巣立ちは七月下旬となる見込み。二カ月で親鳥と同じ四、五キロまで育つという。県内の自然繁殖では一九六一(昭和三十六)年、小浜市羽賀で自然繁殖のひな二羽が巣立ったのが最後。

 ペアは二月下旬から、あわら市の北潟湖や坂井市のテクノポート福井周辺、福井市川西地区などを転々とした。鉄塔や電柱に巣を作ったが、コウノトリの感電や広域停電の恐れがあり、北陸電力が撤去していた。

 四十回以上の「攻防」を繰り広げた末、四月に現在地へ飛来。地元住民や北電の協力もあって、集落内にある高さ十四メートルの電柱の上で営巣し、四月下旬に産卵した。

 (北原愛)

 

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