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【社会】映画・主戦場「出演者と合意書」 監督側、対立の保守派に反論
旧日本軍の慰安婦問題に迫るドキュメンタリー映画「主戦場」をめぐり、出演した保守系論客らが「商業映画への出演には協力していない」と抗議していることを受け、ミキ・デザキ監督(36)と配給会社が三日、都内で会見し、「取材前に合意書を交わし、映画化の可能性もあることを伝えている」と反論した。 (小倉貞俊) 映画は、日系米国人のデザキ監督が上智大学大学院生時代に主張が対立する約三十人にインタビューして製作。この作品に対して先月三十日、出演者のうち、慰安婦問題に否定的な立場の七人が連名で抗議声明を出し、「保守をたたくプロパガンダ映画」などと批判し、上映中止を求めていた。 デザキ監督は出演者全員と交わした合意書で、一般公開の可能性を伝えていたと指摘。「要請のあった出演者二人には出演部分の映像を送り、試写会にも全員を招待した。一般公開までに異議申し立ての連絡はなかった」と説明した。「彼らの声をねじ曲げたり切り取ったりしていない。(抗議は)自分たちの主張が大きく取り上げられると思っていたのに、内容が気に入らなかったからではないか」と話し、製作過程や内容に問題はないと強調した。
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