【競馬・ボート・競輪】[競馬]安田記念 アーモンド差し届かず3着… 消えたGI6連勝2019年6月3日 紙面から 不運に不運が重なった。スタート直後にアーモンドアイをはじめ外枠の数頭が内に押しつぶされる不利。さらに直線でも坂の半ばまで詰まったままだった。それでも外から猛然と追い込んで上がり3F32秒4。もちろんメンバー最速。3着まで詰め寄ったのは、まさに負けて強しだった。 ルメールは沈んだ表情ながらも「いい競馬はしてくれた」と話しだした。「残念ながらスタートで問題があった。あれで5馬身くらい。GIのマイルで…。スタートは大事ですね。最後まで頑張っていたんですが、これも競馬です」。直線で外によれたモズアスコットがインに修正するのを見越して一手早く、開くべき外を突いたのは称賛されるべき好判断だろう。 国枝師は開口一番、「敗軍の将、兵を語らず。沈黙は金」。冗談めかしたが、本音だろう。それでも人格者はつぶさに戦後感を話した。「スタートがすべて。あり得ることかなと思っていたパターンだよね。ただ、あそこまでになるとは。うちだけじゃなく4頭ぐらい。外枠不利なのに、もっと不利だったよ」。幸い、馬に目に見えたダメージはないという。 ひとまずこれで夏休み。シルクレーシングの米本昌史代表は「これで少しお休みする。あとは先生とゆっくり相談して決めます」と話した。トレーナーも「ひと息入れて秋GIかな? 盾直行? 暑い時季に使いたくないからそれもあるとは思う」と見通した。 ルメールがベストレンジという2000メートルは、まだ同世代牝馬を相手にした秋華賞しか走っていない。凱旋門賞は回避して、連勝記録も止まったが、この馬の繁殖価値を上げるためのミッションは、まだ残っている。 (若原隆宏)
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