【ゴルフ】原英莉花がPO制し、ツアー初V 「泣いちゃいました」2019年6月3日 紙面から
◇リゾートトラスト・レディス<最終日>▽2日、浜松市・グランディ浜名湖GC(6560ヤード、パー72)▽曇り、23・4度、南東4・5メートル▽賞金総額8000万円、優勝1440万円▽59選手(うちアマ3人)▽観衆5835人 首位と2打差の3位から出た原英莉花(20)=日本通運=が66とスコアを伸ばし、通算14アンダーで並んだペ・ソンウ(韓国)とのプレーオフを2ホール目で制し、念願のツアー初優勝を飾った。1998年度生まれの「黄金世代」では7人目の優勝。首位発進したアマチュアの古江彩佳(あやか、19)=兵庫・滝川二高卒=は70で回り、通算12アンダーで3位だった。 勝負色の「白&紺」ウエアに身を包んだ原が、長い右腕を高らかに突き上げた。プレーオフ2ホール目の15番パー3、ペ・ソンウが先に4メートルを外した後、2メートルのウイニングバーディーパットがカップに消えた瞬間だった。 「負ける気はしませんでした。ボールを拾い上げて、ギャラリーの皆さんの歓声と祝福の声に包まれたら…。鳥肌も立ったけど、泣いちゃいました」。プロ2年目の今季、強く心に決めた目標だった「ツアー初優勝」が実現した。 2打差スタートから、自身が思い描いていたようなロケット発進の3連続バーディー。10番のボギーで少しよろけたが、14番からの4連続バーディーで66をマークし、プレーオフも制した。意義ある1勝目に「絶対に勝ちたいと強く思っていた。すごくいい自信になります」と充実感にあふれる笑みを浮かべた。 優勝会見中、師と仰ぐジャンボ尾崎からメッセージが届いた。 「誰でもラッキーで勝つ事はある。大事なのは2つ目の勝利をとらえにいかなくてはならない! それが一番大事!」(原文のまま) 短い文を、じっくりとかみしめるように読むと「いつも言われているような気もするし、そうかもしれないと思う」と引き締まった表情を見せた。 ビジュアル、飛距離、愛嬌(あいきょう)。どれをとってもスター性あふれた逸材だ。「賞金女王、そしていずれは海外ツアーに挑戦して、世界一を目指したい。皆さんに応援し続けていただけるゴルファーになります」。そんな大きな夢への第一歩を、浜名湖のほとりで刻んだ。 (月橋文美) <原英莉花(はら・えりか)> 1999(平成11)年2月15日生まれ、横浜市出身の20歳。173センチ、58キロ。10歳からクラブを握り、神奈川・湘南学院高2年時の2015年、元お笑いタレントで現俳優の芹沢名人を介してジャンボ尾崎門下入り。17年のプロテストは落選もQT経由でツアー登録し、18年にLPGA下部のステップアップツアーで2勝。同7月、2度目でプロテストに合格。同年は賞金ランク38位でシード権を獲得し、12月の新人戦加賀電子カップで優勝した。今季の賞金ランクは12位。
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