モノトーンにレッドの差し色が映える「トレイルホーク」のアメ車らしいエクステリア
2017年にマイナーチェンジを受け、さらにアメリカンSUVとしての魅力を高めた『グランドチェロキー』は、ヨーロッパのライバルたちとはひと味異なるテイストにより多くのファンを獲得しているモデルだ。この『グランドチェロキー』のオフロード性能を高めた100台限定のバリエーションモデルが「トレイルホーク」である。
エクステリアでは、フォグランプベゼル、フロントグリル、ドアミラーカバー、ルーフレールにアクセントカラーとしてナチュラルグレーを採用。ボンネットにはマットブラックのデカールが施され、ウインドウ周りのベルトモールがピアノブラックとなるなど、全体的に男っぽい雰囲気にまとめられている。
ここに加味されるのがジープでおなじみとなっている赤の差し色だ。フロントの牽引フック、「Jeep」「GRAND CHEROKEE」「Trail Rated」の各バッジをレッド仕上げにすることにより、いかにもワイルドでアメ車的なテイストが横溢。FCAは、このスタイリングを「マスキュリン(=男性的)」と表現する。
プレミアムSUVでありながら高いオフロード性能を追求した「トレイルホーク」の装備
専用デザインの18インチアルミホイールに組み合われる「265/60R18オールテレインタイヤ」も、ワイルドな雰囲気を醸成するのにひと役買っている。とはいえ、オールテレインタイヤ(全地形)を装備する本来の目的は、もちろんオフロードにおける走破性の向上だ。
オフロード性能に関しては、ほかにも、オフロード走行時にシャシーの下回りを損傷しないように、フューエルタンク、トランスファーケース、フロントサスペンション、アンダーボディの4カ所にスキッドプレートを装着。機能面では、“オフロードのクルーズコントロール”と称される「セレクスピードコントロール(ヒルディセントコントロール、ヒルアセントコントロール)」を搭載し、さらに先進の4×4システム「クォドラドライブⅡ」を採用することで、卓越したオフロード走破性を発揮する。
プレミアムSUVでありながら、こうした装備によって本格的なオフロード性能を追求する姿勢は、いかにもジープらしい。
価格は約600万円、どこか『コルベット』を思わせる「トレイルホーク」のインテリア
インテリアは、基本的に「ラレード」「リミテッド」などのグレードと変わらない。ただし、室内は黒で統一され、ブラックレザーにはレッドステッチのアクセントが施された。さらに、ステアリング下部の専用レザーシートには「TRAIL HAWK」のロゴとスウェードのインサートが入り、特別感を演出する。
それらによって、室内にどこかシボレー『コルベット』のような、レーシーな雰囲気も漂わせているから不思議だ。これぞ“アメ車”というべきインテリアである。
ボディカラーは「ビレットシルバーメタリック」(60台)「ダイヤモンドブラッククリスタル」(40台)の2色が用意された。
限定モデルながらオフロード性能を高めた「トレイルホーク」が登場したことにより、これで『グランドチェロキー』は、エントリーモデルの「ラレード」「リミテッド」、プレミアムモデルの「サミット」、ハイパフォーマンスモデルの「SRT8」と、すべての分野をカバーする稀有なラージSUVとなった。なお、「トレイルホーク」の価格は「リミテッド」と同じ599.4万円(税込み)。オフロードとアメ車が好きな人にとっては、じつに魅力的な一台となりそうだ。
Text by Muneyoshi Kitani