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第79回 | 大人のための最新自動車事情

370Zヘリテージ──ダットサンZに捧げる記念モデル

日本を代表するスポーツカーは枚挙に暇がない。『フェアレディZ』もそのなかの一台だろう。その源流となった車が戦後間もない1952年に誕生したダットサン『スポーツ DC-3』だ。2年間のみの生産で、台数はわずか50台だった。しかし、「ダットサン」の名前は脈々と受け継がれていく。1959年にはダットサン『スポーツ1000』が登場。そして、翌年にはダットサン『フェアレディ1200』が発売された。これが、『フェアレディZ』へとつながり、50年を超える時を紡いでいくこととなる。この長い「ダットサン」の歴史に敬意を表したモデルが『370Z ヘリテージ エディション』だ。

北米で大ヒットを記録した『240Z』から始まる「Z」の歴史に敬意を表した記念モデル

『370Z』とは『フェアレディZ』の北米名だ。ニューヨークモーターショーで発表された『370Z ヘリテージ エディション』は、日本での販売は未定。現時点では北米仕様車となる。

『フェアレディZ』と北米との関係は古く、1969年にデビューした初代『フェアレディZ』、いわゆる『240Z』まで遡る。当時、『240Z』は『DATSUN Z(ダッツン ズィー)』の名で市場を席巻。1978年までの10年間で、世界総販売台数55万台という空前の大ヒットとなった車だ。

ここから始まる『Z』の歴史に敬意を払い、「ヘリテージ(遺産)」の名を冠した『370Z ヘリテージ エディション』。ベースは、これから発売される『370Z』の2018年モデルだ。ヘッドライトとリアコンビネーションやクロームメッキドアハンドルなどのエクステリアの変更、マニュアルトランスミッション車ではハイパフォーマンスクラッチの採用が主な進化点となっている。

2017年秋に開催される東京モーターショーで新型『フェアレディZ』がデビューする!?

ボディカラーは目が覚めるようなイエローと引き締まったブラックの2色。イエローは「シケインイエロー」を採用し、ボディ各所に光沢のあるブラックのグラフィックを施した。ブラックは「マグネッティブラック」。こちらはシルバーのグラフィックが施されている。インテリアには、ステアリングやシフトノブなど、各所にイエローがアクセントとして散りばめられた。

パワートレインは、VVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)を備えた3.7L V6エンジンで、332馬力を発揮する。組み合わされるクラッチは、パーツメーカー「Exedy」のハイパフォーマンスクラッチで、シフトダウン時にエンジンの回転数を合わせるDRM(ダウンシフトレブマッチング)を備えた6速マニュアル、または7速ATの選択が可能だ。

『240Z』が北米で発売されてからまもなく50年。『370Z ヘリテージ エディション』のベースとなった2018年モデルの次には、今年の東京モーターショーでのデビューも噂される新型も控えている。これからも『フェアレディZ』は、歴史を紡ぎつつ、常に日本を代表するスポーツカーとして注目を集めていきそうだ。

Text by Tsukasa Sasabayashi

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第130回 | 大人のための最新自動車事情

エモーションEV──バタフライドアの電動スポーツカー

ポルシェ初の量産EVスポーツカーとして話題の『タイカン』は今年生産を開始し、驚異的なスペックを誇るテスラのスーパースポーツカー『ロードスター』も2020年の発売を予定している。EVスポーツカーは、いま旬を迎えつつあるカテゴリだ。そうしたなか、アメリカのフィスカーがCES 2019で初公開した『エモーションEV』が予約受付を開始した。バタフライ4ドアが特徴の高級フルEVスポーツは、いったいどんなクルマなのか。

BMW『Z8』やアストンマーチン『DB9』のデザイナーが手がけた高級スポーツEV

フィスカー『エモーションEV』は、ヘンリック・フィスカー氏の手によるエレガントなデザインの高級EVスポーツカーだ。フィスカー氏はデンマーク出身の著名なカーデザイナー。BMWに在籍していた当時に『Z8』、EVコンセプトモデルの『E1』などを手がけ、アストンマーチンでは『DB9』『DBS』『ヴァンテージ』のデザインを担当した。

その後、独立してメルセデス・ベンツやBMWをベースにしたコンプリートカーやハイブリッドエンジン搭載のオリジナルモデルを製作するが、じつは、テスラで『ロードスター』『モデルS』の2モデルの開発に参加したこともあるようだ。そのせいというわけではないだろうが、『エモーションEV』のデザインはどこかテスラに似た雰囲気もある。

ともあれ、スタイリングは「美しい」のひと言に尽きる。とりわけ特徴的なのは、開くとドア側面が蝶の羽のような形に見える「バタフライ4ドア」だ。同じ上部に向かって開くドアでも、縦方向に開くシザースドアと違い、バタフライドアは外側が斜め前方に、内側が下向きに開く。駐車スペースに苦労する日本ではなかなかお目にかかれないドアだ。

バッテリーはリチウムイオンではなく炭素素材コンデンサ。多くの先端技術を搭載

面白いのは、バッテリーに多くのEVに採用されるリチウムイオンではなく、炭素素材コンデンサのグラフェンスーパーキャパシタを採用したことだ(全個体充電池搭載モデルもラインナップ)。1回の充電あたりの最大走行距離は約640km。急速充電の「UltraCharger」に対応しており、9分間の充電で約205km分の容量までチャージ可能という。

EVパワートレインは最高出力700psを発生し、最高速度は260km/h。このスペックを見ると、テスラ『ロードスター』のようなEVスーパースポーツではなく、あくまでスポーティカーという位置づけなのだろう。全長5085×全幅2015×全高1465mmのボディは軽量のカーボンファイバーとアルミニウムで構成され、駆動方式は四輪駆動だ。

このほか、ADAS(先進運転支援システム)としてクアナジー製LIDARセンサーを5個搭載し、コネクテッドなどのEVスポーツカーらしいさまざまな先端技術を装備する。

『エモーションEV』の価格は1440万円。予約も開始され今年中にデリバリー予定

前述の通り、『エモーションEV』はグラフェンスーパーキャパシタ搭載モデルと全個体充電池搭載モデルの2モデルを設定。価格はグラフェンスーパーキャパシタ搭載モデルが1440万円(税別)、全個体充電池搭載モデルの価格は未定だ。すでに日本でもデロリアン・モーター・カンパニーを正規代理店に予約受付を開始しており、グラフェンスーパーキャパシタは今年中の納車を予定している。ただし、予約金として約24万円が必要だ。

最近では東京都心部などでテスラをよく見かけるようになり、もはやEVは現実的な乗り物になりつつある。たしかに価格は1000万円オーバーと高価。しかし、この美しいルックスなら、他人と違うクルマに乗りたいという欲求を満たすことができるのではないか。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Fisker, Inc.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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