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甘やかされ体質の俺は、今日もお母さん勇者にめちゃくちゃ世話を焼かれ、猫耳のお姉ちゃん獣王にも死ぬほど溺愛されています。 作者:猫正宗

第5章 現地の世話焼き妹編

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37 雌犬捕獲作戦・失敗編

「それでマリちゃん。

 具体的には、どうやってシエルちゃんの雌犬っぷりを証明するのかしら?」


「そんなの簡単。

 あたしとお母さんが留守にするって言えば、あの雌犬は必ずユウを襲う。

 だからあたしたちは、ユウの部屋に隠れて、夜這いの現場を押さえればいい」


「なるほど、簡単ね!」


「ユウもお姉ちゃんたちに協力しなさい」


「わ、わかった。

 でもきっとシエルは無実だと思うんだ。

 だから俺は、彼女の疑いを晴らすために協力する」


「ん。

 それでいい」


 3人で頷きあう。


 作戦はさっそく今晩、決行される運びとなった。


 ◇


 夕食後。


 シエルがお茶を淹れて、俺のもとまで持って来てくれた。


 彼女にはすでに、ライラさんたちが今晩不在にするという嘘の情報を流してある。


「ユウお兄ちゃん。

 お茶が入ったよ。

 ……はい、どうぞ」


「あ、ああ。

 ありがとう」


「それにしても、ライラさんもマリエラさんも多忙なんだね。

 昨日の今日で、今晩もまた帰ってこないって。

 一体なにをしてるんだろうね。

 お兄ちゃんはなにか聞いてる?」


「い、いや……。

 特には聞いて、ない、かな?

 あは。

 あははは……」


 笑って誤魔化す。


 じつはもう、ライラさんもマリエラも、俺の部屋に隠れて待機しているのだ。


「ま、いっかぁ。

 あのひとたちがいないのなら、こうしてわたしがお兄ちゃんのこと、独り占めできるんだもんね。

 だからほんと言うと、ちょっと嬉しいんだぁ。

 よいしょ、っと。

 ……えいっ」


 俺の隣に腰を下ろしたシエルが、腕を絡めてきた。


 彼女のおっぱいは、ライラさんほどではないにせよそれなりの大きさだ。


 ふにゅっとした柔らかな感触が二の腕に伝わってきて、ちょっと焦ってしまう。


「お、おいシエル⁉︎

 な、なにしてんだよ。

 腕にその……、あ、あれがあたってるぞ?」


「ふふ。

 あれってなぁに、お兄ちゃん。

 もしかして、おっぱいのことかなぁ?

 うりうり。

 どう?

 この2年の間に、わたしの胸も大きくなってるでしょう?」


「こ、こらシエル……!

 はしたないぞ」


「あはは。

 冗談だよ。

 さ、お兄ちゃん。

 冷めないうちに、お茶をどうぞ」


「あ、ああ……」


 お茶のカップを手にする。


 ごくりと喉がなった。


 もしかするとこのお茶には、睡眠薬なりの薬が入っているのかもしれない。


 そう思うと自然と飲むのを躊躇ってしまう。


 ……いや、そんなはずがない。


 俺はシエルを、今よりずっと小さい頃から知っている。


 こいつはまだまだ無垢な子どもだ。


 エッチな悪戯なんて仕掛けてくるわけがない。


「どうしたの?

 冷めちゃうよ」


「……なんでもない。

 それじゃあいただくよ。

 んく、んく、んく……、ぷはぁ!」


 覚悟を決めて、ひと息に飲み干した。


 空になったカップを、テーブルにタンっと叩きつけるようにしておく。


 一拍の後、頭がくらっとしてきた。


「おっと……。

 あ、あれ?

 身体が重たくなってきた……」


「お兄ちゃん、大丈夫?

 きっとまだ、疲れてるんだよ。

 だから今日も早めに寝たほうがいいよ。

 明日になったら、また元気になっているから。

 ……ね?」


 シエルがふらふらになった俺を眺めながら、舌舐めずりをする。


 彼女は赤い舌先で、ゆっくりと唇を舐めた。


 濡れた下唇が、妖しく光っている。


「さ、はやく寝ちゃお?

 わたし、ベッドまで肩を貸してあげるね」


 お茶を飲んだら、いきなり眠くなった。


 状況的には、たしかに怪しい。


 これは本当に、マリエラが推理した通りなんだろうか。


 だがもう眠たくて、何も考えられない。


 俺はシエルに身体を支えられながら、自室へ向かった。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 隠れたマリエラが室内を見回す。


 自室に運ばれてきたユウクスは、ベッドに身を横たえてすぅすぅと寝息を立てている。


 シエルは彼を寝かしつけたあと、いったん退室していった。


 ここまでは計画通り。


 しばらく待っていれば、あの雌犬はのこのこと夜這いをかけに戻ってくるだろう。


 そこをふん縛ればお終いだ。


 クローゼットに身を潜めたマリエラは、そう考えながら、わずかな隙間から室内を窺った。


 今のところ特に異常はない。


 ベッドの下に隠れているライラも、息を殺してじっとしている。


(ユウ……。

 かわいい……)


 マリエラの目に無防備を晒したユウクスが映った。


 愛しい弟が呼吸をするたびに、胸板がゆっくりと上下している。


(ごくり……)


 マリエラは無意識のうちに喉を鳴らした。


 襲いたい。


 あの上着の前をはだけさせて、敏感な場所に思い切り吸い付きたい。


 そんな桃色の欲望が、彼女の内側を占め始める。


(……だめ。

 いまはまだ、我慢する)


 マリエラは、二度三度と頭を振って、湧き上がる欲望を振り払った。


 ここが堪えどきだ。


 シエルを捕らえるまでの辛抱なのである。


 あの雌犬さえ捕まえてしまえば、あとは思う存分ユウクスを味わえる。


 マリエラは奥歯をぎゅっ噛み締めて、欲求に耐えた。


 ◇


 いくらかの時間が過ぎた。


 おそらく、もう間もなくシエルが戻ってくる頃合いだろう。


 だがここにきて、室内に異変が生じた。


(……なっ⁉︎)


 ベッドの下から、ゆっくりと、ゆっくりと、ライラが這い出してきたのだ。


 緩慢なその動作は、さながら夢遊病患者のようである。


(お、お母さん⁉︎

 なにをしている?

 ちゃんと隠れてないとだめなのに……!)


 完全にベッドから姿を露わにした彼女は、荒い息を吐きながらユウクスへと覆い被さってく。


「はぁ……、はぁ……。

 ユウくぅん。

 お、お母さんもう、我慢できなぁい」


 ライラの表情は、完全に色欲に溺れていた。


(ちっ……。

 お母さんめ!

 目が逝ってしまっている。

 あれはもうダメだ)


 このまま放っておけばユウクスが、ライラに食べられてしまう。


 もはや隠れ潜んでいる場合ではない。


「うふ……。

 うふふふ。

 ユウくんってば、よく寝てる。

 ちゅ。

 ちゅっ、ちゅっ。

 あは♡

 ユウくんの唇、柔らかいんだからぁ。

 さ、上着を脱ぎ脱ぎしましょうねぇ」


「待った!

 なにをしている、お母さん。

 早くベッドの下にもどる。

 さっさとしないとシエルがやってきてしまう」


「脱ぎ脱ぎ……。

 んー。

 ユウくんの胸板、あったかぁい。

 心臓の音が、どくんどくんしてる……。

 はぁ、はぁ。

 なんだか熱いわね。

 わ、私もおっぱい出しちゃおうかしら……」


 ライラが胸をポロンした。


 はだけさせたユウクスの胸に、自らの胸を重ね合わせる。


 素肌と素肌が擦れ合い、敏感な部分がこりこりと押し合わされた。


「……んっ!」


 眠りについたユウクスが、悩ましげに眉根を寄せて喘いだ。


 ライラも身体を緊張させて、小刻みに震わせている。


「あ、あ、あ……。

 んんん!

 ……はぁぁ。

 お母さん、すこし、気持ちよくなっちゃった。

 んふふ。

 我慢できないわぁ。

 あーん。

 ぱくっ、……ちゅー。

 れろ」


「んっ。

 ああっ。

 ライラ……さ……」


「ぐぬぬ……。

 なにをしている、お母さん!」


 マリエラがクローゼットから躍り出た。


 まったく話を聞かないライラを、ユウクスから引き剥がそうとして、ふたりに駆け寄る。


「さっさとユウから離れる!

 ベッドの下に戻れ」


 そのときマリエラの視界に、さらけ出されたユウクスの胸板が映った。


 美味しそうなぽっちから目が離せない。


「ちゅー。

 ……はっ⁉︎」


 いつの間にかマリエラも、ライラにならんでユウクスの胸に吸い付いていた。


「こら、マリちゃん!

 だめでしょう。

 ユウくんから離れなさい!」


「む!

 それはあたしのセリフ。

 お母さんこそ、ユウから離れる」


 母と娘はユウクスを奪い合って、互いを押し退けあう。


「あぁら、マリちゃん。

 どうしてお母さんが離れないといけないのかしら?

 ユウくんは私のものよ?

 れろ、れろれろれろれろ……」


「んっ。

 んはぁっ……。

 おかぁ……さぁん……」


「ほら!

 ユウも苦しがってる。

 いいから離れる。

 こいつめ!」


 マリエラが、ライラの頭に肘を落とした。


「あ、あいたぁ⁉︎

 マリちゃん、あなた!

 いまお母さんを叩いたわね。

 なんて酷い真似をするの!

 私はマリちゃんを、お母さんに手をあげるような娘に育てた覚えはありませんよ!

 あいたたたぁ……」


「……ふん、うるさい乳女!

 自業自得。

 この隙に。

 ユウ……、いただきます。

 えろえろえろ。

 ……ちゅー、ぱっ!」


「んんっ!

 んはぁぁ……。

 おねぇ……ちゃぁん……」


「まぁ⁉︎

 弟相手になんて破廉恥な真似を!

 離れなさいマリちゃん!

 ユウくんが苦しそうでしょ」


 ライラが、マリエラの猫耳を引っ張り上げる。


「あた!

 あたたた……。

 お母さんこそ、息子相手に盛るな!

 この変態」


「マリちゃんってば、言っていいことと悪いことがありますよ!

 第一、母が息子を可愛がるなんて当たり前のことです。

 マリちゃんこそ、お姉ちゃんなんだから弁えなさい!」


「うるさい。

 姉が弟を好きにして、なにが悪い!」


 もはや、しっちゃかめっちゃかである。


 ふたりはユウクスを奪い合って、醜く争い、取っ組み合いを始めた。


 ちょうどそのとき――


 カタン。


 ドアの向こうから、小さな物音がした。


 部屋を覗いていた誰かが、慌てて逃げだす気配がする。


「あ!

 いまのはシエル。

 お母さん、尻尾離して。

 追って取っ捕まえなきゃ」


 マリエラがユウクスから身を離した。


「チャンス!

 いってらっしゃいマリちゃん。

 ユウくんのことは、お母さんに任せなさい。

 ゴー!

 さぁ、はやく行くのよ!

 ちゅー……」


「く……!

 なんて卑怯な……。

 あたしがシエルを追いかけた隙に、ユウを食べるつもりだな。

 そうはさせない。

 ユウはあたしのもの!

 ちゅー……」


 足音がどんどん遠ざかっていく。


 だが互いを牽制しあうライラとマリエラは、シエルを追うことが出来ない。


 こうして第1回、シエル捕獲作戦は失敗に終わったのであった。

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三分で読める短編です。
三十代後半からの独身読者さんの心を抉る!
転生前夜。孤独死。

他にもこんなのも書いてます。
どれも文庫本1冊くらいの完結作品です。

心が温まるラブコメ。
読後、きっと幸せな気持ちになれます(*´ω`*)
猫の恩返し ―めちゃめちゃ可愛い女子転入生に、何故か転入初日の朝の教室で、皆の前で告白された根暗な僕―

お手軽転移ファンタジー。
軽く読めてなかなか楽しい。
異世界で伝説の白竜になった。気の強い金髪女騎士を拾ったので、世話をしながら魔物の森でスローライフを楽しむ。

ちょいとシリアスなのも。
狂った勇者の復讐劇。
復讐の魔王と、神剣の奴隷勇者
+注意+
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