バイクの頂点に君臨するハーレーダビッドソン『ロードキング』を現代風にアレンジ
『ロードキング』とは、ハーレーダビッドソン伝統のクラシックツアラーを意味する。ノスタルジックなスタイルと高性能なツーリング機能を併せ持つ、ハーレーダビッドソンを象徴するモデルだ。ベースモデルのデビューは1949年。以来、時代に合わせて機能面は進化したものの、そのクラシカルなスタイルに大きな変更はなく、バイクの頂きを担う一台として君臨してきた。
その『ロードキング』を現代風にアレンジしたのが、『ロードキング スペシャル』だ。なによりも特徴的なのは、ヘッドライトナセル、フロントフォーク、新型のタービンホイール、そしてパワフルなMilwaukee-Eight(ミルウォーキーエイト)エンジン、マフラーにいたるまで、すべてブラックアウト仕上げとなっていること。そのうえ、『ロードキング』にあるはずのウインドスクリーンさえも取り払われている。
写真のモデルは「オリーブゴールド」というメタリック感のあるミリタリーカラーで、このカラーリングがなんとも『ロードキング スペシャル』の迫力を際立たせ、圧倒的なパワーを感じさせてくれる。
高さ約25 cm (10インチ)、太さ約3 cm(1.25インチ)の新型ミニエイプハンドルバーの採用も、ライダーの気持ちを汲み取ってくれたかのようだ。このハンドルによって、腕を前方に上げるアップライトポジションとなり、従来の『ロードキング』にはなかったアグレッシブなライディングを愉しめる予感が膨らむ。おそらく、ミニエイプハンドルバーをパーツ注文し、自分のハーレーに取り付けるライダーも多いことだろう。
ハーレーダビッドソン『ロードキング スペシャル』は久々に現れた乗り手を選ぶ一台
『ロードキング スペシャル』が搭載する排気量1745ccのミルウォーキーエイト107エンジンは、通常モデルの『ロードキング』と変わらず、ライダーの意志を忠実にパワーで再現してくれる。
ABS搭載の ブレンボブレーキを標準で装備しているので、クイックな走りも愉しめそうだ。これは、フロントとリアブレーキがデジタルでリンクされ、どんな路面であってもそれぞれのタイヤに適切な量の制動力を分配するブレーキシステム。これにより、ベテランライダーもビキナーライダーもライディングがさらに向上するだろう。もちろん、スマートセキュリティシステム、クルーズコントロールも標準装備する。
ボディカラーは4色が用意され、価格は「モノトーンカラー(オリーブゴールド、チャコールデニム)」が313万3900円、「ビビッドブラック」が308万7400円、「ハードキャンディーホットロッドレッドフレーク」が337万8400円(いずれもメーカー小売価格、税込み)。
『ロードキング スペシャル』は、「ハーレーに乗りたい」ではなく、「このモデルに乗りたい」という強い意志を持った人にしか似合わない、久しぶりに登場した乗り手を選ぶバイクだ。予約販売は、すでに2017年2月から始まっている。
Text by Katsutoshi Miyamoto
Photo by (C) Harley-Davidson Japan