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第9回 | LEXUSの最新車デザイン・性能情報をお届け

5代目レクサス『LS』デビュー、セルシオの伝説再び

1989年は、国産車の名車の当たり年だった。スカイラインGT-R、フェアレディZ、ロードスター、レガシィ、ランドクルーザー80、さしずめ、「花の89年組」といったところだろうか。そんなきら星のごとき名車たちなかで、COTY(カー・オブ・ザ・イヤー)の栄冠に輝いたのが、トヨタ『セルシオ』であった。もともと北米の高級車市場に向けて企画された究極の高級車は、「LEXUS(レクサス)」ブランド第1弾として輸出され、『LS400』の名でアメリカを席巻。後に、「ドイツ勢をはじめとする高級車メーカーの車作りの概念を変えた」とまで言われる1台となる。それから30年弱、いまだレクサスのフラッグシップであり続ける『LS』の第5世代『LS500』がデビューした。

初代のDNAを受け継ぎつつ、先端技術とデザイントレンドで変革を果たした新型『LS』

2017年1月のデトロイトモーターショーでお披露目された新型『LS500』は、初代モデル以来の滑らかでパワフルな走りや、圧倒的な静粛性・快適性などのDNAを継承しつつ、先端技術とデザイントレンドが盛り込むことで、レクサスの象徴でありながら、大きな変革を果たした。

まず目を奪われるのは、低く構えたスタイリングだろう。プラットフォームは間もなく発売予定の『LC』に続き、新世代レクサスのFR車に導入される「GA-L(Global Architecture-Luxury)」を採用。デザイン面では、車体側面にウインドウガラスが片側3枚ずつ、計6枚が配置された6ライトキャビンデザインが特徴的で、フロントからリヤまで抜けるシャープな立体からフェンダーがダイナミックに突き出す構成となった。結果として、他の4ドアセダンとは一線を画し、十分な居住性を確保しながら、斬新なクーペシルエットを実現している。

この優雅なデザインをさらに引き立たせるのが、深みと陰影のあるボディカラーだ。レクサスには、色を表現する塗装膜を2層構造に分けた塗装技術「ソニック」がある。これは、強い反射を実現することで陰影感を強調する独自の塗装技術だ。『LS500』では、この「ソニック」を進化させた新規開発色「マンガンラスター」が使われている。金属を削り出したような印象を与えてボディ造形の抑揚を強調することで、エクステリアの存在感を際立たせた。

ラグジュアリーカーのなかでもトップレベルの広さと快適性を誇る新型『LS』の後席

インテリアに目を移せば、目線上部にあたるインストルメントパネル・ドアトリムが水平基調により開放感を演出する。下部には厚みのあるソフトなコンソール・アームレストを設置し、心地よい安心感を創出。上下で異なる空間構成とすることで、広がり感と安心感を両立した空間を実現している。

シートに体を沈めると、その完成度の高さに、レクサスのフラッグシップである矜持を感じるだろう。運転席はドライバーの体格を問わず高いホールド性を確保。長時間座っていても快適であることを目指し、骨盤、大腿部、背中から肩、脇にかけて最適なサポート位置をきめ細かく設定できるシートを採用した。エアブラダ(空気袋)により背中から大腿部にかけて押圧するリフレッシュ機能も付与しているのは、さすがラグジュアリーカーといったところだろうか。

後席は人を包み込む連続性のある空間を目指し、ドアトリムやシートバックがシームレスにつながる構成となっている。シートは、タッチパネルでヒーターやリフレッシュ機能を設定できるオットマン付きパワーシート。足元はクラストップレベルの広さで、十二分にくつろぐことができる。

初代モデルから続く『LS』の圧倒的な静粛性、世界初の先進予防安全システムも搭載

心臓部には新開発のエンジンが採用された。V型6気筒3.5Lツインターボエンジンは、最高出力310kW(421ps)/5200〜6000rpm、最大トルク600N・m(61kgf・m)/1600〜4800rpmを発揮。フラットなトルク特性を活かした、爽快な加速フィーリングを実現した。もちろん、初代から脈々と続く圧倒的な静粛性はいうまでもないだろう。

操作性では、車両の挙動を安定させる先進の車両運転制御技術「VDIM(ビークル ダイナミクス インテグレーテッド マネジメント)」を搭載。アクセルやブレーキ、ステアリングなどを統合制御し、車両のロールや上下運動を軽減。フラットな車両姿勢と質感の高い乗り心地となっている。

特筆すべきは、安全性能の進化だ。世界で初めて自動操舵で衝突回避支援するプリクラッシュセーフティを採用し、歩行者が飛び出してきたら、車両前方のカメラが衝突の可能性を検知。情報がヘッドアップディスプレイに表示されて注意喚起する。さらに、カメラとミリ波レーダーの情報から自動でブレーキをかけ、それだけでは回避できないと判断した場合は、車線内の回避スペースを見つけて自動的に操舵制御し、歩行者との衝突回避を支援する。

トヨタの技術が惜しみなく投入されたフラッグシップ、新型『LS500』。レクサスのチーフエンジニアは、「日本の伝統と文化を具現化する新世代の高級車」と表現する。かつて『セルシオ』が新しい高級車の概念を打ち立てたように、『LS500』も新たな伝説になる1台かもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi
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第15回 | LEXUSの最新車デザイン・性能情報をお届け

ナイキとレクサスUX──最小SUVがエアフォース1を履く

北米レクサスは2月に『Sole of the UX』と名づけたワンオフモデルを公開した。といっても、クルマのことではない。じつは、これはタイヤの名称だ。モチーフはジョン・エリオットとナイキがコラボした『John Elliott ☓ Nike AF1』。この特別な白いスニーカーと同様に、ホワイトで仕上げられたレアでスタイリッシュなビスポークタイヤである。

レブロン・ジェームズが愛用するブランドとコラボしたワンオフモデルの白いタイヤ

北米レクサスが公開したこの真っ白なタイヤを見て、「なるほど」と唸った。タイヤというのは、クルマを構成するパーツとして絶対に欠かすことのできないものだ。しかし、求められるのは性能や機能ばかりで、そのデザインが注目されることは非常に少ない。

その点、北米レクサスが発表した『Sole of the UX』は、まさにデザインにこだわったタイヤである。レクサスとタッグを組んだのはジョン・エリオット。あのレブロン・ジェームズをはじめ、NBAのスター選手たちが愛用することで知られるストリートウエアブランドを率いるアメリカ人デザイナーで、彼がナイキとコラボレーションした『エアフォース1』のスペシャルモデル『John Elliott ☓ Nike AF1』が今回のデザインのモチーフだ。

『John Elliott ☓ Nike AF1』は、一見すると『エアフォース1』のオールホワイトモデルのようだが、ナイキのロゴマークである「スウッシュ」がくり抜かれたかのようなダイヤカット仕様となっていて、随所にジョン・エリオットらしい仕上げが施されている。

『Sole of the UX』にも同じ工夫が凝らされた。タイヤにはスウッシュを思わせるスリットが入り、サイドウォールには「AF1」のロゴが刻印されるなど高いデザイン性をもつ。

レクサス『UX』は、ブランドのSUVラインナップでボトムエンドを担う最小モデル

『Sole of the UX』の名称でわかるように、このタイヤを装着するのはコンパクトクロスオーバーの『UX』だ。全長4495mm×全幅1840mm×全高1520mmと、『NX』よりひと回り小さく、レクサスのSUVラインナップのボトムエンドを担うモデルである。

日本では昨年11月に発売されたばかりで、価格はガソリンエンジンの「UX200」が390万円から、ハイブリッドの「UX250h」が425万円から。都市部のパワーカップルなどをターゲットにしており、そういった意味でもジョン・エリオットとの相性はいい。

おそらく今回のタイヤは、ニューヨークやロサンゼルスに住む若者層にアピールするために企画されたのではないか。なお、ワンオフモデルなので当然販売はされない。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) LEXUS
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
LEXUS UX オフィシャル動画
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