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第6回 | ベントレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

世界最速4シーター、ベントレー“スーパースポーツ”

1919年にロンドンのクリックルウッドで設立されたラグジュアリーカーブランドのベントレーには、歴史上、「スーパースポーツ」の名を冠したモデルが3台存在する。初代スーパースポーツが生まれたのは1925年。ル・マン24時間レースなどで活躍した『3L』をベースに出力を向上させ、わずか18台のみが作られた(16台という説もある)。この伝説のモデルの名を受け継ぎ、『コンチネンタル』シリーズに2代目スーパースポーツがラインナップされたのが2009年。そして、2代目の登場から8年後、ベントレーが2017年1月に発表したのが、同社のプロダクションモデル史上最高・最速となる『コンチネンタル スーパースポーツ』だ。最高出力710ps、最高速度336km/hを誇る「世界最速の4シーター」である。

最高速度336km/h、スーパーカー並の性能の『コンチネンタル スーパースポーツ』

『コンチネンタル スーパースポーツ』のパワートレインは、これまでベントレーの最速モデルだった『コンチネンタルGTスピード』と同じ6.0L W型12気筒ツインターボエンジン。トランスミッションはZF社製の8段ATである。

しかし、『コンチネンタルGTスピード』と同型エンジンといっても、ターボチャージャーは『コンチネンタル スーパースポーツ』用に新設計されたもので、インタークーラー、ブーストプレッシャーなどにも改良が加えられた。それらにより、最高出力710ps、最大トルク103.7kgmと、まさに驚異的なパワーを発揮。最高速度はベントレー史上最速となる336km/h、0-100km/h加速は3.5秒を記録する。

スペックだけを見ればもはやスーパーカーといってよく、ベントレーが「世界最速の4シーター」を主張するのも当然だ。なかでも、その速さとともに印象的なのが、レーシングカーのように野太くワイルドな『コンチネンタル スーパースポーツ』のエキゾーストノート。下のリンクにあるベントレーのオフィシャル動画を観れば、その迫力のあるエンジン音を堪能できるはずである。

もちろん、エアサスペンションにも専用チューニングが施されている。2tを超える車重を受け止めるために、ブレーキは世界最大サイズとなるフロント420mm、リヤ356mmのカーボンセラミックブレーキだ。

カーボンファイバー素材を随所に使った『コンチネンタル スーパースポーツ』の外装

エクステリアでは、フロントのスプリッターとリヤのディフューザーにカーボンファイバーが使用され、サイドエクステンションとボンネットベントもカーボンファイバー製。前後のバンパーも新たにデザインされた。

また、フロントウィングベントはグロスブラック仕上げとなり、螺旋状の溝が刻まれたエキゾースト・テールパイプも新意匠。オプションでウイングタイプのリヤスポイラーなどを取り付けることも可能である。

軽量タイプの21インチ・アロイホイールは『コンチネンタル スーパースポーツ』の専用装備で、これは通常モデルの『コンチネンタルGT』のアロイホイールよりも1本あたり5kg軽いという。

さらに、これもオプションとなるが、「Xスペシフィケーション」というパッケージを選択すれば、ボンネットやドアミラーがカーボンファイバー製になり、エグゾーストは軽量のチタン製となる。

贅を尽くした『コンチネンタル スーパースポーツ』の内装、価格は3400〜3600万円?

スーパーカー並の性能を持つモデルとはいえ、ベントレーはロールスロイスとともに英国を代表するラグジュアリーカーブランド。インテリアには、最上級のレザーやアルカンターラ、カーボンファイバーをふんだんに用いて贅を尽くした仕様が施されている。

3色のレザーが組み合わされたシートは、ダイヤモンドキルティングタイプ。格子柄のカーボンファイバーフェイシアパネルとのコーディネートがなんとも美しく特徴的だ。レザーとアルカンターラで巻かれたステアリングホイールの12時の位置には、マーキングが施された。

また、ほかのベントレーのモデルと同様に、『コンチネンタル スーパースポーツ』もコーチビルド部門の「ミュリナー」でビスポークすることができる。標準のラインナップにないボディカラーやインテリアをオーダーすることも可能だ。

『コンチネンタル スーパースポーツ』の価格や日本への導入時期は発表されていないが、先代の「スーパースポーツ」が『コンチネンタルGTスピード』より550万円高い3150万円だったことを考えると、おそらく日本上陸時の価格はクーペが3400万円前後、コンバーチブルが3600万円前後。すでに、本国では受注が開始されており、4月からデリバリーされるという。

ベントレーの黎明期に登場したモデルの名を受け継ぎ、史上最高・最速を謳う『コンチネンタル スーパースポーツ』。まさに歴史的な1台といえるだろう。

Text by Muneyoshi Kitani
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第16回 | ベントレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

ウルス超えの最速SUV──Bentleyベンテイガ スピード

ベントレーの創業者であるウォルター・オーウェン・ベントレーは、1888年生まれだ。「ベントレー・モーターズ」を設立したのは31歳のとき。1919年のことである。今年は、それから100周年のメモリアルイヤー。その記念すべき年に、世界最速、最強の一台が発売される。『ベンテイガ スピード』。「スピード」は、ベントレーのなかでも高性能モデルが冠する名称で、『ベンテイガ スピード』はその名の通り、SUVである『ベンテイガ』の高性能モデルだ。ベントレーいわく「世界最速のSUV」である。

最高速度306km/h。ランボルギーニ『ウルス』を上回る世界屈指のパフォーマンス

燃費や利便性が話題になりがちな、昨今の新車発表。しかし、カーガイにとっての興味は、そこだけに留まらない。世界最速をうたう雲上の一台は、手に入らずとも憧れの的だ。そういった意味で、ベントレーが「ラグジュアリーを極めた世界最速SUV」と自称する『ベンテイガ スピード』は非常に気になるクルマだろう。

『ベンテイガ』は、“超”高級SUVという新しいセグメントを切り拓いた一台。ラグジュアリー性だけでなく、スピードやパワーにも究極的にこだわった。すでに頂きにあるモデルのさらなる高性能モデルとは、どういったポテンシャルを秘めているのか。

その実力を客観的に示すために、パワートレインの数字を述べよう。定評ある6.0L W12ターボエンジンのハイパワーバージョンを搭載し、最高出力635ps、最大トルク900Nm、最高速度306km/h、0–100 km/h加速3.9秒。これらは、標準の『ベンテイガ』よりも最高出力で27ps、最高速度で5km/hのパワーアップ、0-100kmの加速で0.2秒短縮している。いわずもがな、SUVとしては世界屈指のパフォーマンスだ。最高速度にいたっては、世界最速のSUVである、あのランボルギーニ『ウルス』を上回っている。

世界最高速のスピードで走る約2.4トンの車体。そのエネルギーを受け止めるのが、ベントレーのなかで最大・最強、6000 Nmの制動力を発揮するカーボン・セラミック・ブレーキだ。足回りに関しては、『ベンテイガ』と同じく全輪駆動で、エレクトロニック・デファレンシャルロック(左右のタイヤの回転差を固定する機構)を採用している。

オンロードとオフロードを合わせて計8種類のドライブモードを搭載する充実ぶり

走りの性能については、状況に応じて4種類から選択できるオンロード用走行モードも重要な役割をはたす。乗り心地を最優先させた「コンフォート」、走りを重視した「ベントレー」と「スポーツ」、そしてドライバーが好みに応じて設定できる「カスタム」だ。

特に「スポーツ」モードは専用にチューニングされており、W12エンジンと8速ATのレスポンスに加え、サスペンションと電動アクティブスタビライザー「ベントレーダイナミックライド」の応答性も向上。これまで以上にダイナミックで一体感のある走りを実現した。コーナリング時のロールを即座に抑え込み、タイヤの接地性を最大限に高め、クラストップのキャビン安定性と快適な乗り心地、優れた操縦性を実感することができるだろう。

SUVであるだけに、オフロード用の走行モードも準備されており、その場合は「雪道・草道」「土道・砂砂利」「泥道・小道」「砂道」の4種類が選択可能。合わせて計8種類の走行モードは『ベンテイガ』と同じで、ほかのラグジュアリーSUVを圧倒する充実ぶりだ。

専用スティッチングや「Speed」があしらわれたスポーティでラグジュアリーな室内

エクステリアは『ベンテイガ』を踏襲しつつ、専用装備が与えられた。フロントマスクでは、深い色調のダークティントヘッドライトが質の高さを物語る。また、サイドスカートや前後バンパーのスプリッター、テールゲートスポイラーなどをボディと同色でまとめることで統一感を演出。また、新設計の22インチ10本スポークホイール、ダークティントで統一されたラジエターグリルとバンパーグリル、3種類の仕上げに対応する22インチ専用ホイール、ボディにあしらわれた専用バッジもスポーティなデザインを引き立ててくれる。

キャビンは職人の技が光るハンドクラフト。英国モダンデザインが濃縮された空間に仕上がっている。注目のひとつが、『ベンテイガ』シリーズ初となるアルカンターラの採用だ。後席が2人乗りの4シートモデルでは、クッションボルスターやバックレスト上部、ドアパッド、バックボードのダイヤモンドキルトにもコントラストステッチを施すことができる。

専用の意匠では、「Speed」のロゴをブラインド/コントラストステッチのいずれかで入れることが可能だ。コクピットには、イルミネーション付き「Speed」トレッドプレートが、助手席側フェイシアにはメタル製「Speed」バッジが輝きを添える。

発売は2019年後半。価格や日本導入時期は発表されていない。ちなみに、『ミュルザンヌ スピード』は、『ミュルザンヌ』と比較すると約10%高い。『ベンテイガ』は2786万円なので、3000万円程度になるのだろうか。世界最強のSUVにふさわしい価値である。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) Bentley Motors
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Bentley Bentayga Speed オフィシャル動画
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