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第12回 | 大人ライダー向けのバイク

普通免許で乗れるハーレーダビッドソン純正トライク

大型バイクを代表するアイコンブランドであり、男なら誰でも一度は乗ってみたいと憧れるハーレーダビッドソン。しかし、排気量400ccを超えるバイクだけに、車重は200Kg以上が当たり前で、取り回しにはある程度の体力がいる。さらに、大型自動二輪免許を取得する必要もあり、自動車教習所で大型二輪の技能教習があるとしても、時間的な制約から二の足を踏んでいる40〜50代も多いだろう。そんな大人の男性にうってつけなのが、ハーレーダビッドソンの純正トライク、『FLHTCUTG TRI GLIDE ULTRA(トライグライド ウルトラ)』である。

ハーレーダビッドソン『トライグライド ウルトラ』はメーカーによる唯一の純正トライク

街中や高速道路で、一見するとバイクのようでありながら、フロント一輪リア二輪という変わったスタイルのモーターサイクルを見たことがないだろうか。あれが“三輪バイク”のトライクだ。

スタイルとともに、トライクの大きな特徴といえるのが、大型自動二輪免許を持っていなくても乗れるということ。もっといえば自動二輪の免許も必要なく、普通自動車免許(AT限定は不可)さえあれば大手を振って乗ることができ、タンデム(2人乗り)ツーリングも可能なのだ。

しかも、トライクの車両区分は大型バイクと同じ小型自動車(二輪)なので、クルマに必要な車庫証明がいらない。それでいて、有料道路の料金区分はバイクと同様の扱いとなるため、経済的にもお得だ。ただし、免許区分は「自動車」扱いなので、交通違反(速度超過や駐車違反など)をした場合は、クルマと同等の「罰金等」を受けることになる。

トライクの多くは市販のバイクをベースにカスタムショップなどで製作され、ユーザーに販売されている。大手バイクメーカーが純正トライクを生産するケースはほとんどない。ただし、唯一の例外がハーレーダビッドソンだ。ハーレーダビッドソン『トライグライド ウルトラ』は、新車カタログにも載っている正真正銘の純正トライクで、日本国内でも2014年からハーレーダビッドソン ジャパン正規ディーラーで販売されている。

男の休日を変える『トライグライド ウルトラ』、40〜50代のハーレー初心者に最適

2017年モデルの『トライグライド ウルトラ』は、ハーレーの最上級ツーリングモデル『ウルトラ リミテッド』をベースにした高次元かつ高機能の純正トライクだ。

ベースモデルと同等の大型カウルや、ライダーがコントロール類に2.5cm近づくように設計されているシートを備え、6.5インチのカラータッチディスプレイを採用するオーディオシステムも搭載する。また、後ろのトップケースにプラスして、後輪と後輪の間には190L(!)のトランクを装備。ハーレーの古き良きクラシックテイストが満喫できるスタイルとなっている。

ハーレーを象徴するV型ツインエンジンは、2016年秋に18年ぶりに刷新された9代目ビッグツインのMilwaukee-Eight(ミルウォーキーエイト)エンジン。排気量は107キュービックインチ(1753cc)、最大トルク(rpm) は151Nm/3250rpmを発揮。このエンジンの造形もじつにカッコよく、いつまでも見飽きることはないだろう。洗車やオイル交換など、週末のメンテナンスさえ楽しみになるに違いない。

その走りだが、一番の特徴は前輪のブレーキキャリパーが6ポットになり、車重560Kgを支えるブレーキング性能がアップしていること。また、フロントフォークもトライク専用設計となり、新型エンジンとともに、信頼できる動力性能となっているのだ。そして一番うれしい装備は、ハーレーで唯一、電動のリバースギアを搭載していることだろう。リバースギアは高速道路のパーキングで大活躍するに違いない。

このハーレーダビッドソンの純正トライクを手に入れたら、休日は必ず出かけたくなる。休日の過ごし方を大きく変えたいなら、ハーレー初心者の40〜50代にうってつけの『トライグライド ウルトラ』を選択すべきだ。

Text by Katsutoshi Miyamoto
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第69回 | 大人ライダー向けのバイク

ドゥカティ ディアベル1260──悪役感溢れるクルーザー

クルーザーとは、平坦で長い直線道路を巡航(クルーズ)することに重点をおいたオートバイのスタイルのことだ。ハーレーダビッドソンやインディアンをイメージするとわかりやすいだろう。広大な北米大陸で発達したことから、日本ではアメリカンバイクとも呼ばれている。それをイタリア流のセンスによって味つけしたのが、ドゥカティ『ディアベル』である。従来のクルーザーと一線を画す独創的なデザインをもつ『ディアベル』は、2011年にデビューするや世界中で大ヒット。そして今回、第二世代へと進化した。

クルーザーでも「走りはやっぱりドゥカティ」。ファンの期待に応えるキャラクター

2010年にEICMA(ミラノモーターサイクルショー)で発表された初代『Diavel(ディアベル)』は、斬新なデザインだけではなく、従来のドゥカティのイメージと異なるクルーザージャンルに挑戦したモデルとして話題を集めた。じつは、ドゥカティは2014年にフォルクスワーゲングループに属するアウディに買収され、その傘下となっている。レース由来のスポーツモデルというブランドのアイデンティティを脇に置き、経営戦略を優先した結果の新型車と見る者が多かったことも、注目された理由のひとつだったのだろう。

しかし、初代『ディアベル』は見た目以上にスポーティで、実際にライディングを味わった人々からは「やっぱり走りはドゥカティ」との評価を得ることが多い。そうしたユーザーの声は、期待どおりのキャラクターに仕上げられていることを証明するものだ。

その『ディアベル』が第二世代へと進化した。ドゥカティは3月に開催されたジュネーブモーターショーで2019年モデルの発表を行ったが、そこで専用スペースを与えられ、ショーのアイコンモデルとしてお披露目されたのが『ディアベル1260』だ。しかも、2014年のようなマイナーチェンジではなく、すべてを見直した2代目としての登場である。

低回転域でもパワフルな排気量1262ccの「テスタストレッタDVT」エンジンを搭載

アイコニックな外観は、シルエット自体に大きな変化はない。しかし、全体にボリュームアップしており、重量感も増していると感じる。トレリス(格子状)フレームもまったく新しくなり、ぱっと見た印象としては、よりヒール(悪役)感が演出されているようだ。短いシートエンドとスラッシュカットで跳ね上がるサイレンサーエンドは、リアまわりをすっきりとさせた。同時にマスが凝縮されているようで、鍛えられた筋肉を連想させる。

その細部への作り込みによる質感の高さが評価されたのか、『ディアベル1260』は第二世代であるにもかかわらず、ドイツの権威あるプロダクトデザイン賞「Red Dot Award 2019:Best of the Best(レッド・ドット・デザイン賞)」にも輝いているくらいだ。

エンジンは、初代から継承されてきた排気量1198ccの水冷L型ツインからスープアップされ、1262ccの強力な「テスタストレッタDVT」エンジンを搭載。それにより、最高出力は従来の152hp/9000rpmから159hp/9000rpmへ、最大トルクは12.5kgm/8000rpmから13.2kgm/7500rpmへとそれぞれ高められている。車体重量はドライウエイトで218kgもあるが、これだけのトルクがあれば低速域でも軽快に扱えるはずだ。

ドゥカティ自身も新エンジンについて、「息を呑む加速とスムーズな低回転域のパワー特性を備え、日常ユースにも長距離ツアーにも対応する」としている。そのパワーを受け止めるのは、『ディアベル』のトレードマークである極太のリアタイヤだ。クルマ並の240mmという超ワイドタイヤを装着し、ボッシュ製のコーナリングABSも標準装備された。

特別なコンポーネントを与えられたスポーティ仕様車『ディアベル1260 S』も設定

新型には標準仕様に加えてスポーティな「S」バージョンも設定された。こちらには、専用のシートとホイールが与えられるほか、ブレンボ製M50ラジアルマウント・モノブロック・ブレーキ・キャリパー、オーリンズ製サスペンションなどを装備。さらに、クラッチ操作をせずに変速できる「クイックシフトアップ&ダウンエボ」も標準装備される。

『ディアベル1260』は、すでに1月半ばからボローニャにあるドゥカティの本社工場で生産が始まっており、ヨーロッパでは3月から販売が開始された。日本での発売は7月ごろを予定している。4月13日には大阪で「Ducati Diavel Meeting」が開催されたが、なんとこのミーティングの参加者は現行『ディアベル』のオーナー限定だった。新型のオーナーになれば、こうした特別なイベントへの招待状がドゥカティから届くかもしれない。

Text by Koji Okamura
Photo by (C) Ducati Motor Holding S.p.A
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Ducati Diavel 1260 オフィシャル動画
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