メルセデス・マイバッハ『S650カブリオレ』は日本限定4台の超プレミアムオープン
メルセデス・マイバッハ『S 650 カブリオレ』は、最上級のラグジュアリー4シーターオープンモデル。全世界300台の限定生産で、そのうち日本には4台のみがデリバリーされる、超がつくプレミアムな1台だ。
ベースは『メルセデスAMG S65カブリオレ』。パフォーマンスや安全性、快適性に大きな変更はなく、最高出力463kW/630ps、最大トルク1000Nmを発生する同型の6.0L V型12気筒ツインターボエンジンを搭載。もちろん、レーダーやカメラによって安全性と快適性を高める「インテリジェンスドライブ」も装備している。
「マイバッハ」の名を冠することで大きく進化したのは、内外装だ。「究極のエクスクルーシブ性」を追求する威厳と風格を備えたブランドだけに、マイバッハ『S650カブリオレ』も、メルセデス・ベンツによる最新鋭のテクノロジーを備え、プレステージ感あふれるデザイン、クラフトマンシップによって仕上げられた高級素材を随所に採用した別次元のオープンカーに仕上がっている。
威風堂々かつラグジュアリーな佇まいを漂わせる『S650カブリオレ』のエクステリア
エクステリアは、フロント、サイド、リアの随所にクロームを採用し、威風堂々とした佇まいを強調。デザイン面では、低く構えたウインドウフレームや完全に格納されるサイドウインドウによって、オープン状態が美しく映える。ソフトトップを閉じたサイドビューは、リアに向けて下降する側面のラインが、秀逸なクーペスタイルを実現した。
ソフトトップについて付記しておくと、3 層構造でクーペのような静粛性の高い室内空間を実現しており、時速50km/h 以下であれば、走行中でも約20秒で開閉が可能だ。
表情を左右するヘッドライトは、片側47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用LEDハイパフォーマンスヘッドライトを採用。ウインカーには丸みを持つ円柱状の30 個のクリスタル、ポジショニングライトには17個のカットクリスタルを配置することで、揺らめく炎状の輝きを想起させるラグジュアリーなフロントマスクとなった。
そのフロントマスクには、丸みのある三角形のなかにふたつの「M」、いわゆる「Maybach Manufaktur(マイバッハ マヌファクトゥーア)」を意味するエンブレムが装着され、ラグジュアリーブランドとして名を馳せた歴史に裏付けられた存在感を発揮している。
ボディカラーは、日本国内でデリバリーされる4台のうち1台がメイン写真と同じ「シリコンレッド」。合わせられる内装色は「ポーセレン/サドルブラウン」。ソフトトップはベージュとなっている。残り3台は、外装16色、内装10色、4種のインテリアトリム、5色のソフトトップから希望に合わせて3000以上の組み合わせから選ぶオーダーメイドとなる。
マイバッハ『S 650 カブリオレ』は価格4420万円、しかし財力だけでは手に入らない
インテリアには、2013年のフランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカー『コンセプトSクラスクーペ』のアイデアが部分的に取り入れられている。そのひとつが、流れる滝のようにシートを飾る「フローイングライン」だ。これは、次第に密になるパーフォレーション(穿孔)によって実現した。
また、シートの左右にある張り出し部位にあたるサイドボルスターには、ダイヤモンドキルティングとブダペストスタイルのパイピング(二つ折りにした皮や布を、切り替えの縫い目に挟んでとめる装飾)を施している。
センターコンソール、フロントシート前面およびヘッドレスト後部、車両後部インテリアトリム、後席エアコンディショナーには「MAYBACH(マイバッハ)」のエンブレムが施された。ちなみに、マイバッハのエンブレムがあるのは車内だけではない。乗降時にはブランドロゴプロジェクターライトにより、フロアにエンブレムが映し出される。こういった演出も、さすがは世界に名だたるラグジュアリーブランドといったところだろう。
また、ステアリング、カップホルダー上部、イルミネーテッドステップカバーには「MAYBACH」のレタリング、カップホルダーカバーにはクロームで仕上げた「1 of 300」のレタリングが施された。
アクセサリー類にも、ラグジュアリーカーのオーナーを満足させる仕掛けがある。それが、トラベルバッグ2個とライフスタイルバッグ2個からなるトラベルラゲッジセットだ。トラベルバッグ本体の色は内装のメインカラーと同色仕上げで、バッグの持ち手は内装のサブカラーと同色となるこだわりがうれしい。
メルセデス・マイバッハ『S 650 カブリオレ』の価格は4420万円。しかし、もし購入できるだけの財力があっても、全国限定4台を手に入れるのは容易ではないだろう。お金だけでは買うことができない、超ラグジュアリーな1台である。