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第35回 | メルセデス・ベンツの最新車デザイン・性能情報をお届け

これがマイバッハの最高峰オープン『S650カブリオレ』

メルセデス・マイバッハは、『Sクラス』を構成するブランドのひとつとして、メルセデス・ベンツの頂きの一角を担う超高級車ブランドだ。元来、メルセデス・ベンツからは独立したブランドだったマイバッハは、考えられる最高の技術と厳選した素材が使用され、ロールスロイスやベントレーに勝るとも劣らない超高級車として名を馳せた。その出自から、いまでも高級セダンやリムジンにおいて存在感を発揮しているが、2015年のLAモーターショーではオープンカーが発表され、大きな話題となった。それが、『メルセデス・マイバッハ S 650 カブリオレ』である。そして2017年、ついに日本での注文受け付けが始まった。

メルセデス・マイバッハ『S650カブリオレ』は日本限定4台の超プレミアムオープン

メルセデス・マイバッハ『S 650 カブリオレ』は、最上級のラグジュアリー4シーターオープンモデル。全世界300台の限定生産で、そのうち日本には4台のみがデリバリーされる、超がつくプレミアムな1台だ。

ベースは『メルセデスAMG S65カブリオレ』。パフォーマンスや安全性、快適性に大きな変更はなく、最高出力463kW/630ps、最大トルク1000Nmを発生する同型の6.0L V型12気筒ツインターボエンジンを搭載。もちろん、レーダーやカメラによって安全性と快適性を高める「インテリジェンスドライブ」も装備している。

「マイバッハ」の名を冠することで大きく進化したのは、内外装だ。「究極のエクスクルーシブ性」を追求する威厳と風格を備えたブランドだけに、マイバッハ『S650カブリオレ』も、メルセデス・ベンツによる最新鋭のテクノロジーを備え、プレステージ感あふれるデザイン、クラフトマンシップによって仕上げられた高級素材を随所に採用した別次元のオープンカーに仕上がっている。

威風堂々かつラグジュアリーな佇まいを漂わせる『S650カブリオレ』のエクステリア

エクステリアは、フロント、サイド、リアの随所にクロームを採用し、威風堂々とした佇まいを強調。デザイン面では、低く構えたウインドウフレームや完全に格納されるサイドウインドウによって、オープン状態が美しく映える。ソフトトップを閉じたサイドビューは、リアに向けて下降する側面のラインが、秀逸なクーペスタイルを実現した。

ソフトトップについて付記しておくと、3 層構造でクーペのような静粛性の高い室内空間を実現しており、時速50km/h 以下であれば、走行中でも約20秒で開閉が可能だ。

表情を左右するヘッドライトは、片側47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用LEDハイパフォーマンスヘッドライトを採用。ウインカーには丸みを持つ円柱状の30 個のクリスタル、ポジショニングライトには17個のカットクリスタルを配置することで、揺らめく炎状の輝きを想起させるラグジュアリーなフロントマスクとなった。

そのフロントマスクには、丸みのある三角形のなかにふたつの「M」、いわゆる「Maybach Manufaktur(マイバッハ マヌファクトゥーア)」を意味するエンブレムが装着され、ラグジュアリーブランドとして名を馳せた歴史に裏付けられた存在感を発揮している。

ボディカラーは、日本国内でデリバリーされる4台のうち1台がメイン写真と同じ「シリコンレッド」。合わせられる内装色は「ポーセレン/サドルブラウン」。ソフトトップはベージュとなっている。残り3台は、外装16色、内装10色、4種のインテリアトリム、5色のソフトトップから希望に合わせて3000以上の組み合わせから選ぶオーダーメイドとなる。

マイバッハ『S 650 カブリオレ』は価格4420万円、しかし財力だけでは手に入らない

インテリアには、2013年のフランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカー『コンセプトSクラスクーペ』のアイデアが部分的に取り入れられている。そのひとつが、流れる滝のようにシートを飾る「フローイングライン」だ。これは、次第に密になるパーフォレーション(穿孔)によって実現した。

また、シートの左右にある張り出し部位にあたるサイドボルスターには、ダイヤモンドキルティングとブダペストスタイルのパイピング(二つ折りにした皮や布を、切り替えの縫い目に挟んでとめる装飾)を施している。

センターコンソール、フロントシート前面およびヘッドレスト後部、車両後部インテリアトリム、後席エアコンディショナーには「MAYBACH(マイバッハ)」のエンブレムが施された。ちなみに、マイバッハのエンブレムがあるのは車内だけではない。乗降時にはブランドロゴプロジェクターライトにより、フロアにエンブレムが映し出される。こういった演出も、さすがは世界に名だたるラグジュアリーブランドといったところだろう。

また、ステアリング、カップホルダー上部、イルミネーテッドステップカバーには「MAYBACH」のレタリング、カップホルダーカバーにはクロームで仕上げた「1 of 300」のレタリングが施された。

アクセサリー類にも、ラグジュアリーカーのオーナーを満足させる仕掛けがある。それが、トラベルバッグ2個とライフスタイルバッグ2個からなるトラベルラゲッジセットだ。トラベルバッグ本体の色は内装のメインカラーと同色仕上げで、バッグの持ち手は内装のサブカラーと同色となるこだわりがうれしい。

メルセデス・マイバッハ『S 650 カブリオレ』の価格は4420万円。しかし、もし購入できるだけの財力があっても、全国限定4台を手に入れるのは容易ではないだろう。お金だけでは買うことができない、超ラグジュアリーな1台である。

Text by Tsukasa Sasabayashi
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第74回 | メルセデス・ベンツの最新車デザイン・性能情報をお届け

メルセデスAMG A35サルーン──今度の入門機はセダン

メルセデスAMG『A35 4マチック』は、昨年10月にAMGのボトムレンジに加わったホットハッチだ。その上位には、やはりハッチバックの『A45 4マチック』、そしてセダンやクーペの『C43』がある。しかし、メルセデス・ベンツはAMGのエントリーモデルにもっと多くの選択肢を用意すべきと考えたのだろう。3月に発表されたのは、『A35 4マチック サルーン』という名のニューモデル。そう、スポーツセダンの『A35』である。

セダン仕様の『A35』のライバル車はBMW『M240i』やアウディ『S3サルーン』

『Aクラス セダン』は、昨年9月に歴代の『Aクラス』で初となる4ドアセダンとしてデビューした。『A35 4マチック サルーン』は、ひと言でいうと、その高性能バージョンである。ライバルはBMW『M240i』やアウディ『S3サルーン』といったところだろう。

パワーユニットはハッチバックの『A35 4マチック』と同じ2.0L直列4気筒直噴ガソリンターボエンジン。最高出力306ps、最大トルク400Nm、最高速度250km/h(リミッター作動)のスペックはハッチバックと変わらないが、0-100km/hの加速タイムは4.8秒とハッチバックにわずかに遅れをとる。とはいえ、その差は0.1秒なので、ほとんど同等の動力性能といっていい。トランスミッションは7速DCTの「AMGスピードシフトDCT 7G」。駆動方式は車名にあるとおり、AMGパフォーマンス4マチックによる四輪駆動だ。

むろん、サスペンションやブレーキはAMGがチューンした専用のもの。AMGダイナミックセレクトにより、シーンに合わせて「コンフォート」「スポーツ」「スポーツプラス」「インディビジュアル」「スリッパリー」の5つのドライビングモードが選択できる。「スポーツ」「スポーツプラス」では、奏でるエンジンサウンドもより迫力を増すという。

ハッチバックの『A35 4マチック』と同じように見えて微妙に異なるエクステリア

エクステリアは、フロントマスクだけを見るとハッチバックと共通のものと感じる。ひと目でAMGモデルとわかるフロントグリルのツインルーバー、バンパーのフラップ付きエアインテークなどは同じデザインだ。しかし、よく観察すれば、ハッチバックに採用されている特徴的なバンパー横のカナードがセダンでは取り除かれていることがわかる。

なによりも、ハッチバックとの大きな違いは、セダンボディを得たことによってトランクルームを設けたことだ。リアセクションは、トヨタで言うところの「リフトバック」スタイルで、トランク内には幅950mm、奥行462mm、最大容量420Lのラゲッジスペースを確保した。リアディフューザーはハッチバックに比べるとやや落ち着いたデザインとなり、その左右の下からは、AMGモデルらしく2本のエグゾーストパイプが顔を覗かせる。

コクピットも、写真を見るかぎりハッチバックと共通だ。ブラックを基調とし、そこへボディと同色のラインがアクセントカラーとして添えられる。アルティコの人工革張りシート、AMGスポーツステアリングを装備し、当然ながら、AIを用いたデジタル・パーソナル・アシスタントを備える最新のインフォテインメントシステム「MBUX」も搭載する。

サルーン仕様の『A35』はAMG世界への入口。新たな顧客にアピールできるモデル

『A35 4マチック サルーン』の日本導入時期は未定。なにしろ、今年1月からハッチバックのヨーロッパ販売が始まったばかりなのである。そのヨーロッパでは、今年後半からセダンが販売される予定で、日本国内へはその後に上陸することになるのではないか。

「スポーツサルーンは、メルセデスAMGの原点であり、コンパクトセダンのA35はAMGの世界への入口となり、新たな顧客にアピールできる魅力的なモデルとなることでしょう」とは、メルセデスAMGのトビアス・ムアースCEOのコメントだ。先行するライバルのBMW『M240i』やアウディ『S3サルーン』にどこまで迫れるか、要注目である。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Daimler AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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