メルセデス・ベンツをチューニングしてきたメーカーが手がける『smartブラバス』
ブラバスは、メルセデス・ベンツ各モデルのエンジン、足回り、ブレーキ、内外装などのチューンナップを手がけるドイツのチューニングメーカー。2002年にはメルセデス・ベンツと合弁会社のSmart-BRABUS(スマート ブラバス)社を立ち上げ、スマートのハイパフォーマンスモデルを生み出してきた。それだけに、新型スマート ブラバスも、よりスポーティさを追求したモデルとなっている。
搭載されるエンジンは成り立ちこそノーマルと同じ3気筒0.9Lターボだが、ノーマルのターボモデルよりも14kW(19ps)高い80kW(109ps)の最高出力と、35Nmアップとなる170Nmの最大トルクを実現している。「たったの109ps?」と思われるかもしれないが、スマートの車重は1000kg前後と軽量なため、想像よりもはるかに力強い。0-100km/h加速は、2人乗りの『フォーツー』で9.5秒だ。
もちろん、エンジンに合わせて足回りもリセッティングされた。サスペンションはノーマルのターボモデルに比べて20%ほど硬くなり、フロントアクスルに装備されたアンチロールバーによってロールを9%減少。さらに、路面状況がよりダイレクトに伝わるように専用チューニングが施された車速感応型可変ギアレシオステアリング「ダイレクトステアリングシステム」を採用し、スポーティな走りを約束する。
ワントーンの専用カラーを持つ『フォーフォー エクスクルーシブ リミテッド』
新型スマート ブラバスには、1種類のカタログモデルと3種類の期間限定モデルが用意された。
カタログモデルとなるのは4ドアボディを持つ『フォーフォー エクスクルーシブ』(312万円、消費税込み)で、5月以降の発売予定。スマートの特徴的なボディ骨格であり、エクステリアの一部となる“トリディオンセーフティセル”のカラーは「グラファイト(グレー)」で、そこに「ヘーゼルブラウン」、トリディオンセーフティセルと同色の「グラファイト」など、9色のボディカラーを組み合わせる。
3月までの期間限定となっている『エクスクルーシブ リミテッド』には、2人乗りの『フォーツー』と『カブリオ』、4人乗りの『フォーフォー』の3タイプが設定された。3モデルは、それぞれがトリディオンセーフティセルとボディをワントーンでコーディネートした専用のボディカラーを持つ。
ボディカラー×トリディオンセーフティセルの具体的な組み合わせは、2人乗りの『フォーツー エクスクルーシブ リミテッド』が「クリスタルホワイト×ホワイト」、『カブリオ エクスクルーシブ リミテッド』が「チタニアグレーマット×グラファイトグレーマット」、そして4人乗りの『フォーフォー エクスクルーシブ レッドリミテッド』が「サファイアレッド×レッド」。価格は、フォーツーが297万円、カブリオが327万円、フォーフォーは317万円となっている(いずれも消費税込み)。
“フルカスタム”のテーラーメイドによって世界に1台だけの『smartブラバス』も可能
新型スマート ブラバスの導入と同時に、新たにカスタムオーダープログラムも用意された。
「テーラーメイド」は全モデルをベースに、ボディカラー、トリディオンセーフティセル、フロントグリルを自由にカスタマイズできるサービス。『フォーツー』は96通り、『フォーフォー』は116通り、『カブリオ』はソフトトップのカラーも選べるため、480通りの組み合わせが可能となっている。
「スマート ブラバス テーラーメイド」では、上記に加えてアルミホイールなどのカラーも設定でき、ブラバスカラーのバンパーやサイドスカートも用意された。さらに、インテリアはシートやステアリングをはじめ、ステッチの色やパターンも自由に選択可能。まさにフルカスタムオーダーに限りなく近いプログラムといってよく、世界に1台だけのスマートに仕上げることができる。
新型ブラバスモデルに加え、テーラーメイドを利用した自分好みの個性的なモデルと、バリエーションが豊富となったスマート ブラバス。粋な大人にこそ似合いそうなこのクルマで街中を流せば、注目を浴びるのは間違いないだろう。
Text by Muneyoshi Kitani