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第2回 | ミドル男がApple Watchを買うべき理由

40男が実体験。Apple Watchで運動不足は解消できるか?

ワークアウトに励んでいる人なら、近ごろ手首に『Apple Watch』を着けたトレーニーが増えていることに気づいているはずだ。とりわけランナーには『Apple Watch』のユーザーが目立ち始めている。しかし、使ってみたい気持ちはあっても、「本当に運動やダイエットに役立つのか?」と二の足を踏んでいる人は多いことだろう。はたして『Apple Watch』は運動に使えるのか。ガジェットに詳しい旅ライターの熊山准に検証してもらった。

デスクに座りっぱなしでいると、『Apple Watch』本体がブルっと震えて運動を提案

『Apple Watch』の魅力のひとつは、四六時中モニターしてくれる健康マネージメント機能にありますが、実際に使ってみればもうひとつの魅力があることに気づくでしょう。ダイエットやワークアウト、ランニング、アクティビティなどに役立つ機能がそれです。

『Apple Watch』シリーズにデフォルトで内蔵されている運動系のアプリには、「アクティビティ」と「ワークアウト」があります(筆者はNike+バージョンを購入し、そこには特別に「Nike + Run Club」というアプリも用意されていますが、反射素材のナイロンベルトが欲しかっただけなので、実際にはアプリを使用していません)。

「アクティビティ」は健康を維持するために便利な、いわば統合運動量計。日々の運動量に対して消費したカロリーを表示する「ムーブ」、運動に費やした時間を表示する「エクササイズ」、立ち上がっていた回数・時間を表示する「スタンド」の3つの項目があり、あらかじめ立てた目標を達成できたかどうかを、1日ごとに円グラフ化してくれます。

また、その日の運動量が足りていなかったり、1時間以上にわたって座りっぱなし、寝たきりだったりすると、『Apple Watch』本体がブルっと震え、もっと歩いてみることや立ち上がってみることを提案されます。おのずと運動不足が解消されるというわけです。

ミドル男性の運動管理デバイスに求められているのはオン・オフ不要の自動計測機能

とりわけ筆者が感動したのがもうひとつの内蔵アプリ「ワークアウト」です。これは「ウォーキング」「ランニング」「サイクリング」「ヨガ」「スイミング」など、各種運動の時間やカロリーを記録してくれるアプリですが、すごいのはユーザーが計測を始めなくても、たとえば1km以上歩いていると(2kmのときもあり)、「もしかして屋外をウォーキングしています?」とばかりにエクササイズの記録をうながしてくるところ。

よくありがちな「せっかく運動したのに記録されていなかった」という事態になりにくいうえ、単なる移動がエクササイズ扱いになるため、「もう少し歩いてみようか」といったモチベーションアップにもつながります。しかも、エクササイズが終わったはずなのに実際は終了していないと、「もしかしてもうエクササイズは終わってます?」と聞いてくるのです。賢い!

そのほか、別売りアプリの「AutoSleep」を利用すると勝手に睡眠状態を常時モニタリングしてくれます。これからの時代、とくにミドル男性の健康・運動管理デバイスには、ユーザーによるオン・オフ不要の自動計測機能が「求められている要素」だと思うんです。

『Apple Watch』単体で外出可能。大型化するiPhoneではランニングはもう無理?

さらにうれしいのは、ランニングのような激しい運動シーンで、ほかのデバイスを持たずに『Apple Watch』単体で外出できるところです。iPhoneもデフォルトの「ヘルスケア」アプリにアクティビティトラッカー機能があり、各種ランニングアプリも揃っていますが、本体サイズも重量も年々肥大化しているために正直いって邪魔。その点、『Apple Watch』は手首にまくだけ、重量もわずか30g(40mmモデル)なので気になりません。

こうした運動の記録はもちろんですが、iPhoneから好きな音楽を転送したり、Apple Musicが利用できたりするので、『Apple Watch』とワイヤレスイヤホンさえあれば音楽リスニングもOK(筆者はSpotifyユーザーなので対応希望)。「Suica」を入れて電子マネー決済することもできるので、小銭を持たなくてもコンビニエンスストアで水やプロテインを買ったり、ちょっと遠出した帰りには電車やタクシーを利用したりすることもできます。

各種の通知もウザくない。健康に関する情報を教えてくれるならかえってありがたい

加えてセルラーモデルなら、iPhoneへの電話やSMS、メールを『Apple Watch』で受けることもできます。もちろんメッセンジャーやLINEにも対応。通知方法はiPhoneに準拠するため、なんでもポンポンと通知がくるわけではありません(筆者は電話とSMSのみ即時通知されるよう設定)。通話しているその姿はまるで子どもの頃に見た特撮ドラマのよう。メッセージ系の返信には定型文の送信のほか、音声によるテキスト作成ができます。

つまりワークアウトのみならず、iPhoneを忘れても普通に生活できてしまうのが『Apple Watch』の強み。ちなみに、自宅やオフィスでiPhoneがどこにあるかわからなくなっても、『Apple Watch』からiPhoneを鳴らすことによって探すこともできるそうです。もっとも、遠く離れた場所から「iPhoneを探す」機能は未対応。また、iPhoneと『Apple Watch』のペアリングが切れた際の通知機能もないのがちょっと不思議ではあります。

使い始めた当初は手元にいろんな通知がくるのはウザいかも…と感じていた『Apple Watch』ですが、自分の健康に関する情報や、最低限キャッチしたい電話やメールであればかえってありがたい。iPhoneのサブ機としても優秀かもしれません。

Text&Photography by Jun Kumayama
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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第3回 | ミドル男がApple Watchを買うべき理由

これが答えだ。Apple Watchは未来のガラケーである

Apple Watchは、健康管理や運動不足解消、ダイエットに役に立つ。それが実際にApple Watchを購入したミドルエイジの旅ライター、熊山准が得た結論だ。もちろん通話やメールの送受信もでき、音楽を聴くことができる。とはいえ、これひとつあればスマートフォンが必要なくなるというわけでもない。Apple Watchを買うべき理由を検証するシリーズの最終回は、「Apple Watchとは何か?」を考える。導き出された答えに刮目せよ。

Apple Watchのおもな用途は「健康管理」「運動不足解消」「iPhoneのウィジェット」

Apple Watchはミドルエイジの健康管理や運動不足解消にもってこい!と導入して早3カ月が経ちました。充電中以外は、それこそ寝ているあいだも睡眠ログを記録するため常に装着しております。その上で考えたい。結局、Apple Watchとはなんなのか?

実際に使って気がついた「健康管理」「運動不足解消」以外の用途は、「Apple WatchとはiPhoneのウィジェットである」ということです。Androidユーザーにはお馴染みのウィジェットとは、アプリを起ち上げずとも、天気予報やニュースといった情報をホーム画面に表示させておくことができるミニアプリのこと。iPhoneの場合、ホーム画面を右フリックすると表示されるカスタマイズ可能な情報一覧がウィジェットと呼ばれています。

そのウィジェット機能を手元に持ってきたのがApple Watchというわけです。

iPhoneユーザーなら、手元ですべてのインフォメーションを把握することができる

Apple Watchの文字盤はさまざまな種類から選ぶことが可能ですが、そこからさらに各情報を表示するセクション(コンプリケーション)を好みに応じて自由にカスタマイズすることができます。コンプリケーションにはたとえば「Apple Watchのバッテリー残量」「カレンダー」「再生中の音楽」「天気予報」「世界時計」「月齢」「日の出/日の入時刻」「心拍数」「UV指数」「活動量計(アクティビティ)」など、じつにさまざまな種類があります。

また、各セクションをタップするとアプリが起動するクイックランチャーとしての機能も持っているので、使用頻度の高いアプリを配置しておくこともできます。

あらかじめ用意されている文字盤のなかでも「インフォグラフ」(上の写真)は、合計8カ所とカスタマイズできるスペースが特に多いもの。それ以外の文字盤でも最低3カ所程度は自分好みにアプリを配置できます。これでいちいちiPhoneでアプリを起動しなくても、Apple Watchだけで気になる情報を把握できる! Androidスマホであれば普通にできることではありますが、iPhoneユーザーにとって手元ですべてのインフォメーションを把握できるのは新鮮かつ軽快で非常に喜ばしいことでしょう。

とはいえ、「Apple WatchがiPhoneの代わりになる」というわけではありません。

セルラーモデルならApple Watch単体での着信・通話はもちろん、メール&メッセージ受信、音楽鑑賞(要Bluetoothヘッドホン)、電子マネー利用と最低限の機能は使えますが、ネックは入力系が弱いところ。簡単な返事であればあらかじめ設定しておいた定型文でサッと返せますが、こみいった内容の返信内容の場合は音声入力で文章作成しなくてはいけません。

Apple WatchはiPhoneの代わりにならない。しかし最低限の機能が使えれば十分

いや、待てよ。むしろそれで十分じゃありませんか。SNSやカメラといった機能は必要なし。おもに使いたいのは通話とメールで、特に電話がメイン。通勤時間は音楽かPodcast
が聴けて、ニュースや天気予報がわかればOK。Suicaも使えるなら優秀…。

これ、既視感がありませんか? そう、ワンセグこそ見られませんが、かつてのガラケーそのものです。しかもすべてが手首に集約されていて、健康管理や運動不足解消にも役立ちます。手ぶらで気ままにお出かけしたいミドルエイジにはぴったりではありませんか。

ひとつ残念なのは、利用にあたってはiPhone本体の契約が必須ということでしょうか。ミドルエイジの場合はiPadセルラー版とペアリングできれば最高だと思うのですが。ともあれ、じつはスマホが苦手な人にこそApple Watchはおすすめ。ご自身はもちろん、そろそろ高齢となるご両親も意外とヘビーユーザーになるかもしれませんよ。

Text&Photography by Jun Kumayama
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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