「奇岩怪礁、紺碧の海、波状岩に砕ける白波」と謳われる日南市の鵜戸神宮
ある人が言っていた。「旅の始まりはその土地土地の神様にご挨拶をしてから」と。なるほど、朝一番に旅先の氏神に参るのは、その土地に「お邪魔します」と断りを入れ、同時に旅の安全を祈願するのにもってこいだ。そもそも神社を訪れるなら午前がよい。
県南の日南市にある鵜戸神宮は、ローカルからは「鵜戸さん」と呼ばれ親しまれる。「奇岩怪礁、紺碧の海、波状岩に砕ける白波」と謳われる通り、日向灘すれすれのエクストリームなロケーションに建つ古社である。
宮崎ならでは空と海の深い青色に、門や社の鮮やかな朱色のコントラストが美しい境内で、ひときわ目を引くのが洞窟内に鎮座する御本殿。その神秘的なたたずまいから、県内有数のパワースポットとしても知られている。
また、岩のくぼみに向かって玉を投げ入れる「運玉」もなかなか楽しい。旅の運勢を占ってみるのも一興だろう(筆者は外したが)。
青島でハンモックに揺られ、話題のSUPヨガやマリンアクティビティを愉しむ
鵜戸神宮からクルマで日南海岸を北上すると、波状に続く「鬼の洗濯板」が現れる。迷スポット好きなら、その途中にある、世界で唯一、イースター島公に特別許可を得て完全復刻したモアイ像が建ち並ぶ「サンメッセ日南」も訪れておきたい。
宮崎市郊外まで戻ってきたら、県内有数のサーフスポットにある青島ビーチパークでランチにしよう。ビーチパークは春から秋までの期間営業(2018年9月30日まで)で、エスニックフード、カリフォルニアロール、ハンバーガーといった真夏のビーチにぴったりの飲食店が点在し、海を見ながら食することができる。
食後はハンモックに揺られてのんびり波の音に耳を傾けるもよし、陸続きになった青島の青島神社を散策するもよし。また、近くの青島アクティビティセンターでSUPヨガなどのマリンアクティビティを愉しむもよしだ。
宮崎随一のグルメスポットでもあるニシタチで味わう宮崎牛の絶品ステーキ
青島で存分に海を堪能したら、宮崎市街でクルマを返却し、人口10万人あたり日本一のスナック数をほこる歓楽街・ニシタチへ。とはいえ、同エリアはスナックだけでなく宮崎随一のグルメスポットでもあり、数多の名店がひしめき合う。
宮崎牛を味わうのならステーキの名店「アパス」がおすすめだ。宮崎牛特選ロース100gのコース(5000円)は、口のなかでほろほろとトロける甘みたっぷりのサシが身上。デザートのチョコがけトーストもオーダーしておきたい。
また、宮崎といえば鶏肉も外せない。プロ野球・読売巨人軍の宮崎キャンプシーズンになると行列ができる「丸万焼鳥本店」は、豪快にあぶる炭火焼が絶品。あえて地鶏にこだわらず、生後1年以上の成鳥の旨味を追求した「もも焼き」(1200円)は、弾けるような食感と熟成された香りが癖になる。
肉のはしごの後はうどんで締めたい。宮崎うどんは最近流行りの柔らか系で、濃厚ないりこ出汁につける釜揚げうどんスタイルが定番。市民に愛される「釜揚げうどん 織田薪(おだまき)」は、これからスナック街へと繰り出す客から、スナック帰りの酔客まで、夜遅くまで賑わう。事実どんなに満腹であってもするすると胃に入ってしまうのだ。
女性が一緒なら、宮崎特産のマンゴーをふんだんに使ったシメパフェもおすすめである。ニシタチの中心部にある「フルーツ大野」では県産マンゴーをあしらったパフェをはじめ、数々のフルーツパフェがラインナップ。男性も思わず笑みがこぼれてしまうことだろう。
もちろんスナック巡りが楽しいのは言わずもがな。とりわけニシタチは良心的で、3000円もあれば飲み放題というのが通例となっている。1万円あれば数軒をハシゴできてしまうとか。これだけ安ければ、スナックを愉しむだけのために宮崎まで飛んでしまいたくなる。
LCCのジェットスターを賢く利用すれば、成田〜宮崎間が片道5990円の安さ
そんな贅沢な旅も、賢くLCCを利用してこそ。今回利用したジェットスターなら成田〜宮崎間が片道5990円(公式サイト及びモバイルアプリからの購入がもっとも安い)と、フルサービスキャリアに比べると高コストパフォーマンス。もっとも、運賃は空席連動型で、予約は早ければ早いほど、また平日ほど安くなる可能性が高くなるので、早めの予約をおすすめしたい。
あわせて現在、宮崎市では県外からの観光客を対象に先着1000名で宿泊費が1人1滞在2000円/泊オフになるキャンペーンを実施中だ。7月初旬現在、まだまだ余裕があるとのことなので、LCCとあわせて上手に利用し、宮崎の夜を愉しんでいただきたい。
Text&Photography by Jun Kumayama
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)